公式サイドからも冷遇されているジョー・リン・ターナー時代DEEP PUROPLE。その「オフィシャル代わり」を務めてきた伝説サウンドボードがブラッシュ・アップ。「GRAF ZEPPELIN」の細密マスタリングを経た史上最高峰クオリティ2CDが登場です。そんな本作に刻まれているのは「1991年8月20日+21日サンパウロ公演」のステレオ・サウンドボード録音。初の南米ツアーから生まれた名作サウンドボード・アルバム『SLAVES AND MASTER TAPES』のアップグレード盤です。【黙殺されているジョーリン時代のSBDコレクション】DEEP PURPLEと言えば、公式アーカイヴも非常に盛んなバンドではありますが、その中にあってジョーリン時代は例外中の例外。イアン・ギラン主導の現行バンドに忖度しているのか、公式ライヴ作が丸っきり発表されてきませんでした。そうなると注目を集めるのがアンダーグラウンドのサウンドボード音現。「ジョーリン時代の公式代わり」を求めるうちに収集地獄に堕ちてしまった方も多いのではないでしょうか。もちろん、当店ではそうしたプロ記録もラインナップ。ここで、ツアー日程でコレクションを整理してみましょう・2月4日ー3月17日:欧州#1(30公演)←※プロショット三部作・4月10日ー5月15日:北米(9公演)←※DEFINITIVE PHILADELPHIA 1991・6月24日ー7月3日:アジア(6公演)・8月16日ー24日:南米(7公演) ←★ココ★・9月14日ー26日:欧州#2(5公演)・9月28日+29日:イスラエル(2公演)←※ISRAEL FIRE これが泡沫の“SLAVES AND MASTERS Tour”。「欧州#1」からは有名プロショット3本が残されており、当店では『WICKED NIGHT』『MASTER OF HUNGARY』の2作弐まとめられている。それ以外の長尺サウンドボードはどれもCD化されており、『DEFINITIVE PHILADELPHIA 1991』『ISRAEL FIRE』、そして本作で永久保存されています。前述の通りDEEP PURPLEにとって初めての南米上陸だったわけですが、そのすべてがブラジル。サンパウロでは4公演が行われ、サウンドボードが発掘されたのは3公演目(の前半)と4公演目(のほぼ全編)でした。【細密マスタリングで最高峰を更新】もちろん本作は、その両者を最長・最高峰クオリティで収録した決定盤。フル・ライヴアルバムとして聴ける4公演目(8/21)分をメインに、3公演目(8/20)分をボーナス収録した2枚組なのです。どちらも『SLAVES AND MASTER TAPES』と同じマスターを使用しているわけですが、これ自体が現在まで超える物のなかった最高峰。メイン「8/21」は古くから知られるマスターより音が良く、ボーナス「8/20」に至っては『SLAVES AND MASTER TAPES』が初出でした。本作は、そんな『SLAVES AND MASTER TAPES』マスターをさらに磨き直しているのです。とは言え、無闇矢鱈な音圧稼ぎではありません。本稿に目を留められた方ならご存知と思いますが、「GRAF ZEPPELIN」の手法は基本に忠実でありつつ、その精度が超人級。ピッチ/位相を1/1000秒の狂いもなく補整し、針飛び、ヒス、スクラッチ、ハムなど各種ノイズ処理も精密。しかも「やり過ぎ」を極度に避け、演奏音に影響の出ないギリギリの寸止め処理を追及している。「現場の出音再現」に最大価値を置いた仕上がりは、絵画の修復に通じる美学に貫かれているのです。そして、その意匠は『SLAVES AND MASTER TAPES』も見事に甦らせた。今回大きかったのは、帯域分析によりバランス調整。本作はミックス卓直径系の流出サウンドボードでして、それだけにミックスがラフで低音もスポイルされていました。そこで、本作では低音も増強。もちろん、ただ適当に低音を引き上げているのではなく、サウンドボードならではのセパレート感を損なわないように配慮しつつ、通常ライヴの出音バランスを再現したわけです。【初の南米で燃え上がるリッチー・ブラックモア】そんなアップグレード・サウンドで描かれるのは、「ジョーリン時代の公式代わり」と言われたライヴアルバム。ここで、セット内容も整理しておきましょう。70年代クラシックス・Burn(★)/Black Night(incl. Long Live Rock 'N' Roll:★)/Child In Time(★)/Lazy/Highway Star/Smoke On The Water/Woman From Tokyo 再結成以降・パーフェクト・ストレンジャーズ:Perfect Strangers/Knocking At Your Back Door・スレイヴス・アンド・マスターズ:Truth Hurts(★)/The Cut Runs Deep(incl. Hush:★)/Fire In The Basement/Love Conquers All・その他:Hey Joe/Difficult To Cure/Blues ※注:「★」印は3公演目(8/20)分も収録している曲。……と、このようになっています。2日間とも同一セットですが、「8/20」はショウ前半のみ。「★」印の曲を2テイクずつ収録しています。メインの「8/21」も「Hush」の中盤や「Smoke On The Water」のコール&レスポンス部でカットがある(テープチェンジ?)ので厳密にはフルではありませんが、全曲漏らさず収録しています。特に美味しいのが冒頭の「Burn」。ギランは絶対に歌わないだけにジョーリン時代ならではの名曲なのですが、『DEFINITIVE PHILADELPHIA 1991』では冒頭が欠け、『ISRAEL FIRE』では丸ごと未収録でした。ところが、本作のメイン「8/21」では(フェイドインなのでギリギリながら)リフの一発目からサウンドボードで聴けるのです。さらに、演奏自体が素晴らしい。初めての南米に発奮していたのかリッチーがやる気に燃えており、日本やヨーロッパよりも格段に勢いがある。もちろんリッチーが燃えれば、その熱量はバンド全体に行き渡る。ジョン・ロードのインプロ・フレーズも淀みなく溢れ返り、ジョーのノドも快調でノリにノッている。本作は、そんな快演を機微まで克明に脳みそに流し込んでくれるサウンドボード・アルバムなのです。磨かれたミックス・バランスからすると「オフィシャル代わり」の最有力は『DEFINITIVE PHILADELPHIA 1991』ですが、「Burn」からしっかりと(ほぼ)フルショウを楽しめる醍醐味は本作が上を行く。そんな名作サウンドボードの最高峰を更新した2枚組です。公式サイドにジョーリン時代を残す気がないのなら、アンダーグラウンドが永久保存するしかない。その使命が刻まれた2CD。REMASTERED BY GRAF ZEPPELIN★位相修正★EQでバランス調整。主に低域不足を補正「1991年8月20日+21日サンパウロ公演」のステレオ・サウンドボード録音。「8月21日(の全曲分)」をメインに、「8月20日(前半のみ)」をボーナス収録した2枚組で、両日とも現存する最長盤です。「GRAF ZEPPELIN」によるマスタリングは精緻を極め、帯域分析によるバランス調整で細かった低音も力強く甦っている。公式サイドから黙殺されているジョー・リン・ターナー時代の「オフィシャル代わり」を務める決定盤です。Live at Olympia, Sao Paulo, Brazil 20th & 21st August 1991 STEREO SBD(from Original Masters)*UPGRADE Live at Olympia, Sao Paulo, Brazil 21st August 1991 Disc 1 (54:03) 01. Burn 02. Black Night 03. Long Live Rock 'n' Roll 04. Child In Time 05. Black Night (reprise) 06. Truth Hurts 07. The Cut Runs Deep 08. Hush 09. The Cut Runs Deep (reprise) 10. Perfect Strangers 11. Fire In The Basement 12. Hey Joe 13. Love Conquers All Disc 2 (67:16) 01. Ritchie Intro.02. Difficult To Cure 03. Jon Lord Solo 04. Knocking At Your Back Door 05. Blues 06. Lazy 07. Highway Star 08. Smoke On The Water 09. Woman From Tokyo 10. Smoke On The Water (reprise) Live at Olympia, Sao Paulo, Brazil 20th August 1991 11. Burn 12. Black Night 13. Long Live Rock 'n' Roll 14. Child In Time 15. Black Night (reprise) 16. Truth Hurts 17. The Cut Runs Deep 18. Hush 19. The Cut Runs Deep (reprise) STEREO SOUNDBOARD RECORDING Ritchie Blackmore - Guitar Joe Lynn Turner - Vocal Roger Glover - Bass Jon Lord - Keyboards Ian Paice - Drums