51年前の本日、実現したPINK FLOYD初の大阪公演。その現場を語り継ぐ伝説盤が復刻。リニューアル・アートワークで永久保存決定です。そんな本作に記録されているのは、もちろん「1971年8月9日:大阪フェスティバルホール」公演。その象徴オーディエンス録音です。もはやショウも録音の存在も伝説すぎる日本洋楽史の至宝。『OSAKA 1971: A NEW TAPE TRANSFER』『UNPROCESSED OSAKA 1971』といった既発群が広く、深く愛されてきました。その究極形として登場したのが、昨年リリースされた『OSAKA 1971: 50TH ANNIVERSARY EDITION』でした。その極めつけのクオリティは50周年に沸くコレクター界に衝撃をもたらし、瞬く間に完売・廃盤。幻のように史上から消え去ってしまいました。しかし、あれほどの究極盤が泡沫の存在になってはいけない。本作は50周年盤を手に入れ損ねた方、後から存在を知った方のために復刻された2CDなのです。実のところ、本当は復刻に際して再リマスターも試みました。しかし、その内容はあまりにも完璧だった。もちろん、わずかでも音のバランスを変えて「新バージョン」を謳うことは簡単なのですが、多少違っても「超える」ことはできなかった。トラック割りの位置など、微妙な修正が施されているので厳密には「2nd」ではありませんが、ほぼほぼ同内容で永久保存しています。まさに「これ以上はムリ」の次元に達した究極盤とはどういう内容なのか。今一度振り返ってみましょう。最高峰2ndジェネDATマスターを再度の精密トランスファー本作は、まず素材からして「極み」が追究されています。その素材とは、50年間で「ベスト」として君臨してきた『UNPROCESSED OSAKA 1971』と同じ2ndジェネのDATマスター。もちろん、『UNPROCESSED OSAKA 1971』の再利用ではありません。その元となるDATマスターに遡って再度フラット・トランスファー。2021年のハイエンド機材で精密・丁寧に起こし直しました。その効果は絶大。『UNPROCESSED OSAKA 1971』がリリースされた際にもクリアに澄み切った透明感と激減したヒス、さらに演奏音の力強いダイレクト感が大きな話題となりましたが、本作はその美点もそのままに、さらにトランスファーの精度がアップしているのです。もう全編すべてのノートが異なるのですが、分かりやすいところですとステレオ感でしょうか。例えば、「原子心母」。従来ベストの『UNPROCESSED OSAKA 1971』でも左チャンネルがオフ気味になっており、右に偏ったバランスになっていました。しかし、今回のトランスファーではこうした不安定な箇所がない。「原子心母」にしても左チャンネルが手応え十分に拾い出されており、伝説の現場をバランス良く、正確に再現してくれるのです。安定感を極限まで高めた2021年最新のマスタリング技術2ndジェネDATが保存していたサウンドを余すことなく復刻した後は、細心マスタリングでの磨き込み行程です。もちろん、無粋な音圧稼ぎや派手なイコライジングは一切なし(もしやったらせっかくのフラット・トランスファーが台無しです)。そうではなく、ピッチや安定感を向上させています。「いつもの手順じゃないか」と思われるかも知れませんが、その精度がかつて無い。これまで宿命であったテープのヨレを徹底的に補正しているのです。もし、お手元に『UNPROCESSED OSAKA 1971』があるようでしたら、ぜひ再生してみてください。冒頭「Green Is The Colour」イントロのアコギが美しく鳴りつつ、そのノートは微妙に寄れて波打っているのがお分かりになるでしょう。本作は、この僅かな揺れがビシッと安定しているのです。もちろん、スタートだけ直して誤魔化しているわけではありません。逆に終盤を例に取るなら「神秘」の後半15分台以降が良いでしょうか。神秘的なキーボードが荘厳なムードでフェスティバルホールを包むわけですが、高音のロングノートは揺れが残酷なほど分かりやすい。従来盤は細かく絶え間なく揺れ続けていましたが、本作はビシッとしているのです。この効果は演奏のニュアンス、音は描く光景さえも変えてしまう。視覚的に喩えますと、従来盤の「神秘」から浮かぶのは水墨画や記録フィルムのようなモノクロの世界。それに対して、本作はフルカラー。それも教会でゴールドに輝くパイプオルガンが艶やかに降り注ぐような荘厳な音世界なのです。マスターの新発掘、新技術のトランスファーの度に「1971年の大阪はこんなに素晴らしかったのか」と感動を新たにしてきました。その探求の旅が50年の研鑽を経てたどり着いた境地。それが本作なのです。これまでで最高のマスター鮮度と、かつてない再現度と安定感がここにある。本作は「オーディエンス録音」と「ヴィンテージ記録アーカイヴ」という文化の歩みそのものであり、その進化の最先端でもあるのです。50年間、私たち日本人が絶え間なくPINK FLOYDを愛し続けてきたからこそ生まれ得た音世界であり、世界に誇る見本初の文化遺産なのです。伝説の初来日「1971年8月9日フェスティバルホール公演」の極上オーディエンス録音。名作50周年盤の復刻作です。現在ベストの2ndジェネDATマスターを再度精密トランスファーで起こし直し、細心マスタリングで磨き込んだ最高峰更新盤。ヒスが少なくナチュラル感絶大な2ndマスターの美点はそのままに、左チャンネルがオフ気味だった「原子心母」のステレオ・バランスや全編の音ヨレ(ワウフラッター)も徹底的に改善。半世紀に及ぶマスター探求と最新技術によって成し得た最高峰サウンドで伝説の大阪公演を楽しめます。 Live at Festival Hall, Osaka, Japan 9th August 1971 TRULY PERFECT SOUND Disc 1 (50:38) 1. Green Is The Colour 2. Careful With That Axe, Eugene 3. Fat Old Sun 4. Atom Heart Mother Disc 2 (74:33) 1. Echoes 2. Set The Controls For The Heart Of The Sun 3. Cymbaline 4. A Saucerful Of Secrets