即興マシンとして頂点を迎えていた1971年のDEEP PURPLE。その最高傑作となる伝説録音がブラッシュアップ。大元リール・サウンドを「GRAF ZEPPELIN」の細密マスタリングで磨き上げた至高の2CDが登場です。そんな本作に刻まれているのは「1971年4月24日オーフス公演」。その超極上オーディエンス録音です。音源コレクターだけが知る「絶頂の1971年」「1971年」はPURPLEコレクターにとっては特別な季節。一般のファンにとっては「ファイアボールが出た年」に過ぎないのでしょうが、ライヴを逐一追っているマニア層からは「即興が一番オイシイ時期」とされているのです。もちろん『IN ROCK』リリース前後の1970年から凄まじくド迫力な即興をブチかましていたわけですが、それが場数を踏むほどに先鋭化。思いつきフレーズの引き出しがどんどん豊かになっていき、緊張感も増していきました。しかし、それは長く続かなかった。1972年になるとフレーズが固定化してきて緊張感が生まれず、コール&レスポンスもお約束をこなすようになっていく。初来日では異国の熱狂に当てられたのか爆テンションが復活して奇跡の名演となったものの、総じて緩みが出てきていたのです。もちろんライヴ1回1回でテンションはまるで変わるものの、大まかな流れはこんな感じでした。では、どの時期がベストなのか? その回答が「1971年」であり、その最高傑作が本作なのです。それでは奇跡の1971年を全景で俯瞰し、ショウのポジションを確かめてみましょう。・1月1日+2日:オランダ(2公演)《2月シングル『Strange Kind of Woman』発売》・1月29日ー3月8日:英国(21公演)・4月7日ー6月25日;欧州#1(29公演)←★ココ★《7月9日『FIREBALL』発売》・7月2日ー8月12日:北米#1(25公演)・9月4日ー10月11日:欧州#2(15公演)・10月22日ー24日:北米#2(3公演)《ギランの肝炎によりツアー中断→12月『MACHINE HEAD』制作》ついに実現した「伝説録音の究極形」これが1971年のDEEP PURPLE。『ファイアボール』の製作は昨年秋から始まり、過密なツアーと平行しながら6月まで実施されました。本作のオーフス公演は、その製作も佳境に入った「欧州#1」の中盤。当時の資料にはあやふやな点もあるので断言しにくいものの、おおよそ12公演目にあたるコンサートでした。このショウは、何より極上の録音が残された事で有名で、古くから『DANISH YODEL』を冠する様々な既発群が録音史を彩ってきました。本作は、そんな歴史的な大定番音源の最高峰を更新する新名盤。ベースになっているのは、名門「Kro_co」が発掘した大元リール・マスターでして、この10年間、頂点に君臨し続けてきたベスト・オブ・ベストの銘品マスター・それを「GRAF ZEPPELIN」の細密マスタリングでブラッシュアップしたのです。本稿に目を留められた方ならご存知と思いますが、「GRAF ZEPPELIN」マスタリングは「加工」ではなく「補修」と呼ぶべきもの。見栄えや虚仮威しの迫力は最初から眼中になく、絵画や文化財の補修と同じように時間の試練によって受けたダメージを元に戻し、録音された当時の「音」を精密に復元していくのです。その手法はピッチや位相ズレの補正など(精度こそ異常ながら)基本に忠実。本作の場合、特に効果的だったのはノイズと音揺れの処理でしょうか。「Kro_co」の大元マスターは極上レベルだけにノイズも少ないのですが、それでも僅かにあったパチノイズやヒスノイズを丁寧に除去。全編にわたって艶やかなサウンドを実現しました。そして、音揺れ。この録音は例によってモノラル録音をステレオ・テープに記録したタイプなのですが、時間の経過によってところどころ片チャンネルに劣化が生じていました。聴いた感じで言いますと時折、片チャンネルが瞬間的に揺れるように感じるわけですが、これを1つひとつ補修していったわけです。しかも、補修の方法も柔軟に変えている。貴重な音を削ることはしていませんが、ある箇所では状態の良いチャンネルの音でパッチし、別の箇所では落ちくぼんだ音を引き上げる事で復元。1ヶ所1ヶ所の劣化状況に合わせた最適解で「1971年の音」を甦らせている。こうして生まれたサウンドは、まさに至高。元があまりにも伝説的なので「まるで別物!」とはなっていません(むしろ別物に改造したら台無しです)が、ノイズレスで艶やかな美しさは間違いなく過去最高。大元リールだからこその解像度が最大限に活かされ、まるでスピーカーから会場のほこり臭さが漂ってくるようなスーパー・リアリティで半世紀前の出音が吹き出してくるのです。時期も演奏もサウンドも究めた最高傑作 そんな超リアル・サウンドで甦ったライヴは、まさに絶頂。フレーズの豊かさと勢い、会話するような呼吸感とテンション、そして練度と閃き。それらすべてがかつてない切っ先の高みに達しつつ、手慣れたお約束に堕していないのです。まさにインプロヴィゼーション・マシンと化した1971年の演奏力は全編で味わえますが、さらにオーフス公演ならではのシーンが冒頭。タイトルにもなっている「Yodel」です。この時期に何回かあった趣向でして、イアン・ギランがヨーデルを歌い、そこから「Speed King」へ雪崩れ込むというもの。ヨーデル自体はなんちゃって感があるものの、「序曲→突撃」の様式感が美味しい趣向でもありました。本作は、その貴重な「Yodel」の最高音質版でもあるわけですが、「さあ、Speed King行くぞ!」というところで会場の電源が落ちてしまうトラブルが発生。観客も思わず笑い出すマヌケ感が可笑しいですし、生音のドラムだけが残ってイアン・ペイスがソロで場を繋ぐ機転も聴かせてくれる。貴重度と面白さバツグンの名シーンでもあります。時期も、現場テンションも、サウンドも「てっぺん」。まさに歴史に名高い超高音質録音が頂点を究め直した絶対盤です。未来永劫語り継がれるべき、即興軍団DEEP PURPLEの最高傑作。リマスター・メモ ★位相修正 ★音量調整*むやみな音圧上げはしてません ★時折入る音揺れを適宜補正 ★時折入るパチというノイズや"Black Night"以降で頻発するノイズを極力補正★「1971年4月24日オーフス公演」の超極上オーディエンス録音。伝説的な名録音の大元リール・マスターを名門「Kro_co」が発掘し、「GRAF ZEPPELIN」が細密マスタリングで磨き込んだ究極形です。即興マシンDEEP PURPLEが絶頂を迎えた「奇跡の1971年」を体験できる最も優れたライヴアルバムであり、激レアな序曲「Yodel」の最高音質テイクでもある。時期も演奏もサウンドも究めた最高傑作です。Live at Vejlby-Risskov Hallen, Arhus, Denmark 24th April 1971 TRULY PERFECT SOUND(UPGRADE) Disc 1(50:29) 1. Intro. 2. Yodel 3. Drum Solo 4. Speed King 5. Strange Kind Of Woman 6. Into The Fire 7. Child In Time Disc 2 (62:30) 1. MC 2. Wring That Neck 3. Mandrake Root 4. Black Night 5. Lucille Ian Gillan - Vocal Ritchie Blackmore - Guitar Roger Glover - Bass Jon Lord - Keyboards Ian Paice - Drums