2023年の欧州レッグも発表となり、本格的なワールド・ツアー化が決定した“This Is Not A Drill”。その最新ライヴアルバムが登場です。そんな本作に吹き込まれているのは「2022年9月3日カンザスシティ公演」。その一部始終を真空パックした極上オーディエンス録音です。当初ロジャー・ウォーターズは「アメリカ、カナダ、メキシコでギグをする。それだけだ。世界中を回ることはできないし、そうしたいとも思わない」と語っていたのですが、幸運にもその言葉は覆されました。そんな“This Is Not A Drill”の状況を知る意味でも、今一度最新のスケジュールを確認してみましょう。2022年・6月21日:Late Show With Stephen Colbert出演・7月2日:ドレス・リハーサル・7月6日『PITTSBURGH 2022』・7月8日ー8月31日:北米(23公演)・9月3日:カンザスシティ公演 ←★本作★・9月6日ー17日:北米(6公演) >>今ココ<<・9月20日ー10月15日:北米(12公演)●2023年・3月21日ー4月1日:欧州#1(7公演)・4月21日ー29日:欧州#2(4公演)・5月24日:プラハ公演 これが現在までに公表されている“This Is Not A Drill”の全体像。来年の欧州レッグは12公演分が発表となったわけですが、よく見ると「欧州#2」の前後には約3週間ずつのオフが(不自然に)設定されている。まだまだ更なる追加が計画されているのではないか……そんな噂もくすぶっているところです。来年の話ばかりでは鬼が笑ってしまいますので今年に戻しますとツアー第一報として初日のライヴアルバム『PITTSBURGH 2022』をリリース。本作は2ヶ月ぶりの第二弾となります。そんな本作は、待った甲斐のある極上サウンド。前作『PITTSBURGH 2022』も極上級でしたが、タイプが少々違う。前作が鳴りのダイナミズムで圧倒するタイプだったのに対し、本作は空気感の透明度とディテールの鮮やかさが素晴らしいのです。スキッと晴れ渡った空間のド真ん中を輪郭まで鮮明な芯が力強く貫き、その鮮やかさはレーザー光線のようにくっきり。その一方、あくまでもナチュラルで耳に突き刺さるような鋭さはない。フロイド・ナンバーで沸き立つ大合唱も素直に吸い込んでいますし、音色的にもサウンドボードと間違える事はありません。しかし、演奏音の聞きやすさと絡み合っても混じらないアンサンブルの機微は、FM放送クラスの素晴らしさなのです。そのクリア・サウンドで描かれるのは、ロジャーが「最初のサヨナラ・ツアー」と語る“This Is Not A Drill”のフルショウ。セットは固定ですが、まだ第二弾ですので再び整理しておきましょう。第一部・ザ・ウォール#1:Comfortably Numb/The Happiest Days Of Our Lives/Another Brick In The Wall Part 2/3・ソロ:The Powers That Be/The Bravery Of Being Out Of Range/The Bar(★)・炎/アニマルズ:Have A Cigar/Wish You Were Here/Shine On You Crazy Diamond (parts VI-VII)/Sheep 第二部・ザ・ウォール#2:In The Flesh/Run Like Hell・イズ・ディス・ザ・ライフ・ウィ・リアリー・ウォント?:Deja Vu/Is This The Life We Really Want?・狂気(B面):Money/Us And Them/Any Colour You Like/Brain Damage/Eclipse・その他:Two Suns In The Sunset/The Bar (reprise)(★)/Outside The Wall ※注:「★」印は未発表の新曲。……と、このようになっています。ショウは二部構成で「第一部=DISC 1/第二部=DISC 2」となっています。普段のセット整理はアルバム毎に入れ替えますが、上記は曲順もそのまま。ショウ自体がアルバムごとのセクション構成になっており、第二部では『狂気』のB面再現も披露されています。セレクトも誰もが喜ぶ大代表曲もたっぷりと演奏しつつ、合間合間にはレア曲もしっかり。「Outside The Wall」「Shine On You Crazy Diamond (parts VI-IX)」「The Powers That Be」といった辺りは20年ほど演奏していなかったですし、『ファイナル・カット』の「Two Suns In The Sunset」は“This Is Not A Drill”がステージ初公開。新曲の「The Bar」「The Bar (reprise)」も披露されています。まだセットの入れ替えには至っていないながらも、場数を踏んでこなれてきた“This Is Not A Drill”。そのフルショウを目も醒めるクリア・サウンドで体験できるライヴアルバムです。なかなか「コレぞ!」の名録音が登場しなかったために間が空きましたが、その甲斐が十分にある最新レポート。「2022年9月3日カンザスシティ公演」の極上オーディエンス録音。スキッと晴れ渡った空間のド真ん中を輪郭まで鮮明な芯が力強く貫き、その鮮やかさはレーザー光線のようにくっきり。その一方、あくまでもナチュラルで耳に突き刺さるような鋭さはない。胸のすくクリア・サウンドで、ロジャーが「最初のサヨナラ・ツアー」と語る最新“This Is Not A Drill”のフルショウを体験できます。T-Mobile Center, Kansas City, Missouri, USA 3rd September 2022 TRULY PERFECT SOUND This Is Not A Drill Tour 2022 Disc 1(67:26) 01. Roger's Pre-show Announcements 02. Comfortably Numb 03. The Happiest Days of Our Lives 04. Another Brick in the Wall Part 2 05. Another Brick in the Wall Part 3 06. The Powers That Be 07. The Bravery of Being Out of Range 08. Roger's stage chatter "Kansas City here I come." 09. The Bar Part 1 (false start) ★40秒目あたりで演奏ストップ やり直し 10. The Bar Part 1 11. MC 12. Have a Cigar 13. Wish You Were Here 14. Shine On You Crazy Diamond (Parts 6 & 7) 15. Sheep Disc 2(75:17) 01. Intermission 02. In the Flesh 03. Run Like Hell 04. Deja Vu / Deja Vu Reprise 05. Is This the Life We Really Want? 06. Money 07. Us and Them 08. Any Colour You Like 09. Brain Damage 10. Eclipse 11. Applause / MC 12. Two Suns in the Sunset 13. Roger's stage chatter 14. The Bar Part 2 15. Outside the Wall Roger Waters - Bass, Guitars, Vocals Jon Carin - Keyboards, Guitars, Vocals Robert Walter - Organ Jonathan Wilson - Guitars, Vocals Gus Seyffert - Bass Guitar, Guitar Dave Kilminster - Guitar, Vocals Joey Waronker - Drums, Percussion Shanay Johnson - Vocals Amanda Belair - Vocals Seamus Blake - Saxophone