日本HR/HM史の金字塔でもあった1982年AC/DCの再来日。そのハイライト公演を現場体験できるオリジナル録音がブラッシュ・アップ。「GRAF ZEPPELIN」の細密マスタリングを経た至高のサウンドで登場です。そんな本作に吹き込まれているのは「1982年6月18日:日本武道館」公演。その傑作オーディエンス録音です。彼らの初来日は『バック・イン・ブラック』時代の1981年で、再来日は『悪魔の招待状』時代の1982年。黄金時代の来日はこの二度だけで、三度目は19年後でした。ここでは2つの連続来日をまとめて俯瞰してみましょう。1981年・2月1日:大阪万博ホール・2月2日:愛知県勤労会館・2月4日『TOKYO 1981 1ST NIGHT: DEFINITIVE MASTER』・2月5日『DEFINITIVE NIHON SEINENKAN 1981』&TV放送 1982年・6月4日:大阪フェスティバルホール・6月6日:大阪万博ホール・6月8日:京都会館・6月9日:名古屋市公会堂・6月10日:日本武道館 ←★本作★※各日とも代表名盤のみ。以上の9公演。初来日の東京公演は日本青年館の2日間でしたが、翌1982年は日本武道館へ進出。まさにハイライトとなる黄金時代最後のライヴ・イン・ジャパンだったわけです。本作は、そんな歴史的な夜を真空パックした傑作オーディエンス録音。名匠“ミラクルマン”氏の大元カセットからダイレクトにデジタル化され、かつて『LIVE AT BUDOKAN』として愛された名録音。その銘品マスターを「GRAF ZEPPELIN」が磨き直さした1本なのです。そのサウンドは、まさに過去最高。ここで肝心なのは「GRAF ZEPPELIN」のマスタリング手法は、ナチュラル志向ということ。パッと聴きの迫力のために音圧稼ぎするのではなく、マスター・テープのサウンドを最大限に引き出し、その向こうに実在していた「バンドの出音」を再現する事を最重視しているのです。具体的に言いますと、細かな補正・修正の集積。「Dirty Deeds Done Dirt Cheap」の頭欠けを別録音『AT BUDOKAN(Shades 190)』して過去最長を実現していますが、むしろ重要なのは全編を貫くサウンドの方。ピッチ補正・位相ズレの修正は1/1000秒の狂いも許さないレベルで行い、デジタル化の際に(あるいは録音の際に)発生するテープの走行ムラも修正していく。さらに帯域分析も欠かせない。テープの経年変化や再生環境によって生じる微細の狂いも微調整しては「現場音」を再現していくのです。その結果生まれたサウンドは、ナチュラル感たっぷり。既発盤では残されていた微妙な歪み(これは言葉にしづらいのですが、演奏音よりも曲間の拍手の方が実感しやすいかも知れません)も自然に整っている。後にも先にも一夜限りの「武道館のAC/DC」をリアル体験できるわけです。そして、そのフルショウこそが歴史的。当店では初来日のオリジナル録音『TOKYO 1981 1ST NIGHT: DEFINITIVE MASTER(Zodiac 449)』も大人気を博しておりますので、比較しながら整理してみましょう。70年代クラシックス(9曲)・ロック魂:Bad Boy Boogie/Whole Lotta Rosie/Let There Be Rock・その他:The Jack/T.N.T./Dirty Deeds Done Dirt Cheap(★)/Sin City/Shot Down In Flames/Highway To Hell 80年代(6曲)・バック・イン・ブラック:Hells Bells/Shoot To Thrill(★)/Back In Black/Rock And Roll Ain't Noise Pollution(★)/You Shook Me All Night Long・悪魔の招待状:Let's Get It Up(★)※注:「★」印は初来日では演奏しなかった曲。……と、このようになっています。『DIRTY DEEDS DONE DIRT CHEAP』のアメリカ発売を機に演奏するようになったタイトル曲の他、『バック・イン・ブラック』の必殺曲「Shoot To Thrill」「Rock And Roll Ain't Noise Pollution」も披露している。現在の感覚では初来日で演奏していなかったのが意外なくらいですが、それもどの曲が代表曲になるのか決まっていないリアルタイム感覚というものでしょう。そして、その感覚の最たるものが「Let's Get It Up」。この曲自体が“FOR THOSE ABOUT TO ROCK Tour”限定のレア曲でもあるわけですが、さらに決定的なのは『悪魔の招待状』のタイトル曲をやっていない事。今や絶対不可避のハイライト曲なわけですが、この時点ではその地位を確立していない。まさに時代の薫りそのものなのです。「For Those About to Rock (We Salute You)」ではなく「T.N.T.」でハイライトを迎え、凄まじく吹き荒れる「アンコール! アンコール!」の嵐で幕を閉じる本作。この「T.N.T.」を最後に、19年もの長きにわたってAC/DCの来日は封印されることになるのです。あまりにも強烈だったライヴで伝説となった1982年の日本武道館。本作は、その伝説の現場に極上のナチュラル・サウンドで居合わせられるドキュメント・アルバムなのです。(リマスター・メモ)位相修正 帯域全面見直し。癖の強い拍手のトーンをだいぶ落としてます。"Dirty Deeds Done Dirt Cheap"序盤は当日の別ソース補填されています。前回とDiscチェンジのタイミング変えてます(前回 Disc1が長かった)。「1982年6月18日:日本武道館」公演の傑作オーディエンス録音。名匠“ミラクルマン”氏の大元カセットからダイレクトにデジタル化された名録音を「GRAF ZEPPELIN」が磨き直さした銘品。そのサウンドはナチュラル感たっぷりで過去最高を更新。既発盤では残されていた微妙な歪みまでもが自然に整い、後にも先にも一夜限りの「武道館のAC/DC」をリアル体験できる。レア曲「Let's Get It Up」も飛び出す伝説の一夜を現場体験できる日本洋楽史の文化遺産アルバムです。Live at Budokan, Tokyo, Japan 10th June 1982 TRULY PERFECT SOUND(from Original Masters)*UPGRADE Disc 1 (45:38) 1. Hells Bells 2. Shot Down In Flames 3. Sin City 4. Shoot To Thrill 5. Back In Black 6. Bad Boy Boogie 7. Rock And Roll Ain't Noise Pollution Disc 2 (45:25) 1. The Jack 2. Let's Get It Up 3. Highway To Hell 4. Dirty Deeds Done Dirt Cheap ★0.00-0:38当日の別ソースで補填 5. Whole Lotta Rosie 6. Let There Be Rock 7. You Shook Me All Night Long 8. T.N.T. Brian Johnson - Vocals Angus Young - Guitar Malcolm Young - Guitar, Vocals Cliff Williams - Bass, Vocals Phil Rudd - Drums