まさに崩壊前夜。最後の輝きを見せた1973年の来日現場を伝える伝説録音が大幅アップグレード。「元マスター&GRAF ZEPPELIN」による至高サウンドが登場です。そんな本作に刻まれているのは「1973年6月27日:大阪厚生年金会館」公演。その極上オーディエンス録音です。1973年の来日公演と言えば大暴動の日本武道館や第II期の最終公演など、事件コンサートが目白押し。当然、当店でも至高のプレス名盤群でアーカイヴしてきました。ワールド・ツアーの全景は同時リリースとなる『DEFINITIVE GENOVA 1973』の解説に譲るとしまして、ここではあまりにも歴史的な来日コレクションを整理しつつ、本作のポジションも確認しておきましょう。・6月23日『DEFINITIVE HIROSHIMA 1973』・6月24日『DEFINITIVE NAGOYA 1973』・6月25日『DEFINITIVE BUDOKAN 1973』『BUDOKAN 1973 ORIGINAL MASTER』×6月26日:日本武道館(中止)・6月27日:大阪厚生年金会館 ←★本作★・6月29日『DEFINITIVE "THE END"』※注:上記は代表作のみ。以上、全5公演。大暴動は「6月25日」で、ラスト・ギグは「6月29日」。本作が記録された大阪初日は、その合間にあたるコンサートでした。また、「6月25日」はアンコールが行われなかったが故に暴動が起き、「6月29日」はアンコールの代わりにギランが伝説のスピーチを行った。つまり、本作こそ「第II期DEEP PURPLEがアンコールに応えた最後のフルショウ」でもあったわけです。「まるで別物」級に甦った伝統録音んな伝説の夜は古くから名録音が知られ、当店でも『FINAL BLACK』が定番として愛されてきました。本作もまた同じ定番録音ではあるのですが、元マスターに遡り、さらに「GRAF ZEPPELIN」の細密マスタリングで仕上げた銘品なのです。そして、そのサウンドは「まるで別物」。最近、当店では「GRAF ZEPPELIN」マスタリングを数多くご紹介しておりますが、その手法は「ナチュラル系復刻主義」。現代ロックと勝負するような派手さで加工するのではなく、「現場音の復元」に最大の目標を置いている。そのため、元の状態が非常に良ければあまり変化しませんし、逆に大化けするケースもあるわけです。そして、本作は「大化け」の見本ともなるもの。『FINAL BLACK』と比べると、その力強さ、鮮やかさ、ダイレクト感、ナチュラル感、安定感……すべてが大きく上回っているのです。特に大きいのは、安定感でしょうか。そもそも、この録音は音像もバランスもフラフラと変わって聴きづらい事でも知られてきたのですが、それがビシッと安定しているのです。その要因は、モノラル化。70年代のオーディエンス録音にはよくあるパターンなのですが、この録音は元々がモノラル録音でして、それをステレオ・テープに記録しているタイプ。こうしたテープは時間の経過によって左右のチャンネルに劣化の差が生じ、さらにダビングやデジタル化によって位相もズレやすいのです。録音によってはそれが「テープっぽい味」になるケースもあるものの、この録音は違いました。左右チャンネルの乱れが激しく、まるで録音そのものが悪いように感じられたのです。誰も知らなかった「本当の音」を引き出した業物そこで本作では精密補正。1/1000秒のズレも許さない位相補正を施し、その上で完全モノラル化。これによって左右それぞれに発生していた乱れがビシッと補正され、録音本来の美しさが浮き彫りになったのです。実のところ、『FINAL BLACK』ではこの乱れを「音の悪さ」と判断し、イコライジングで補正されていました。確かにそれはそれで原音より聴きやすくはなっていたものの、根本原因が正されていないためにアップ幅は小さく、しかも演奏音に加工感も生まれていました。ところが、本作は根本原因から治療しているため、ナチュラル感も聴きやすさも両立した上で大幅にアップグレード。しかも、このモノラル化によってリダクションなしでヒスノイズまで大幅軽減されているのです。もちろん、本作はピッチ補正・帯域分析・バランス調整・ノイズ処理といった他の処理もキチンと行われておりますし、どんな録音でもモノ化すれば良くなるような「万能の処方箋」ではありません。ただ、この録音には絶大な特効薬でもあったのです。それを見抜く診断力と、適切に施す施術力。それこそが「GRAF ZEPPELIN」の真骨頂なのです。本来であれば、第II期最後のアンコール「Black Night」や開演時のPAトラブル(ギランがオフになってカラオケ状態です)について語るべきなのでしょうが、それも忘れるほどのアップグレード・サウンドです。恐らく、既発群をご存知の方は、本作を新発掘の別録音と思われるのではないでしょうか。まさか、まさかあの伝統録音にこれほど良い音が隠されていたとは……。数ある「GRAF ZEPPELIN」マスタリングでも、これほどの威力を見せつけたアルバムはちょっと記憶にない。「1973年6月27日:大阪厚生年金会館」公演の極上オーディエンス録音。伝統の定番録音の元マスターを「GRAF ZEPPELIN」が細密マスタリングで仕上げた銘品です。そのサウンドは「まるで別物」。既発ではフラフラと乱れて聴きづらかったサウンドがビシッと安定し、力強さ、鮮やかさ、ダイレクト感、ナチュラル感……すべてが大きく上回っている。「本当はスゴかった名録音」の真価をものの見事に引き出した驚異のアップグレード盤です(リマスター・メモ)位相修正、左右の帯域補正後Monoリミックスし安定感が抜群のモノラルサウンド(*元々モノラル録音です)!さらにピッチや帯域調整など必要最小限の処理がやり過ぎない程度になされており既発との差は歴然。Live at Koseinenkin Kaikan, Osaka, Japan 27th June 1973 TRULY PERFECT SOUND(UPGRADE) (79:17) 1. Highway Star ★当日のPA不具合でボーカル1:18付近から復旧 2. Smoke On The Water 3. Strange Kind Of Woman 4. Child In Time 5. Keyboard Solo 6. Lazy 7. Drum Solo 8. The Mule 9. Space Truckin' 10. Black Night ★第II期最後のアンコール Ian Gillan - Vocal Ritchie Blackmore - Guitar Roger Glover - Bass Jon Lord - Keyboards Ian Paice - Drums