追加日程が次々と発表され、大規模なワールド・ツアーとなってきた“This Is Not A Drill”。その最新ライヴアルバムが2作同時リリース決定。これまでとは異なる特別感に溢れた2連作の登場です。本作は、そんな2連続リリースの第一弾。「2022年9月6日デンバー公演」の極上オーディエンス録音です。“This Is Not A Drill”のスタート当初からライヴアルバムでレポートしており、リリースされた『KANSAS CITY 2022』も大好評を賜りました。そんな中で本作はどんなポジションになるのか。まずはツアーの最新情報も交えて整理してみましょう。2022年・6月21日:Late Show With Stephen Colbert出演・7月2日:ドレス・リハーサル・7月6日『PITTSBURGH 2022』・7月8日ー8月31日:北米(23公演)・9月3日『KANSAS CITY 2022』・9月6日:デンバー公演 ←★本作★・9月8日ー13日:北米(3公演)・9月15日『VANCOUVER 2022』・9月17日ー24日:北米(4公演) >>今ココ<<・9月27日ー10月15日:北米(9公演)2023年・3月17日ー5月28日:欧州(27公演)・5月31日ー6月6日:英国(3公演)これが現在までに公表されている“This Is Not A Drill”の全体像。前回『KANSAS CITY 2022』のリリース時には来年の予定が12公演ほどだったのですが、その後になって次々と追加。現在その数は30公演にも及び、北米レッグにも迫る大規模なツアーとなる事がハッキリとしました。そんな中で本作のデンバー公演は北米レッグの26公演目。『KANSAS CITY 2022』の「次」にあたるコンサートでした。本来であれば少々間を置いた方が良いのかも知れませんが、本作はそうも言っていられない注目作。まず何より、日付が特別。このショウが行われたのは、ロジャー79歳の誕生日当日でした。そして、そのバースデー・ショウを伝えるサウンドも素晴らしい。前作『KANSAS CITY 2022』は異様なクリアさを誇る名録音でしたが、本作は個性がちょっと異なり、厚めの鳴りがダイナミズムを演出するリッチ・サウンドなのです。こう書くと鳴りでボワボワなサウンドをイメージされるかも知れませんが、そうではありません。確かにホール鳴り成分も厚めではありますが、それ以上に芯が極太。その荒縄の如き芯が鳴りを突き破るように突進してくるのです。そのため、スカスカ感も距離感が生まれず、厚めの鳴りがそのままダイナミズムに転化されている。空気の透明感では『KANSAS CITY 2022』に譲るのも確かではありますが、ロックとしての力強さ、世紀の一大スペクタクルに身を置くダイナミズムは本作に軍配が上がるのです。さらに素晴らしいのは、大歓声が遠い事。『KANSAS CITY 2022』は周囲の熱狂や合唱もバンドの演奏音に負けないくらいクリアに捉えられていましたが、本作は周囲がちゃんと聴き込むタイプだったようです。もちろん曲間には盛大に盛り上がりますし、ヒット曲には大合唱も起きます。しかし、それが間近客ではなく「会場全体のうねり」として捉えられているため、演奏を邪魔せずにスペクタクルだけが美味しく味わえるのです。そんなダイナミズム&スペクタクル・サウンドで描かれるのは、場数を重ねて完成度を高めた“This Is Not A Drill”の世界。セットはこれまでと共通ではありますが、最後の一応まとめておきましょう。第一部・ザ・ウォール#1:Comfortably Numb/The Happiest Days Of Our Lives/Another Brick In The Wall Part 2/3・ソロ:The Powers That Be/The Bravery Of Being Out Of Range/The Bar(★)・炎/アニマルズ:Have A Cigar/Wish You Were Here/Shine On You Crazy Diamond (parts VI-VII)/Sheep 第二部・ザ・ウォール#2:In The Flesh/Run Like Hell・イズ・ディス・ザ・ライフ・ウィ・リアリー・ウォント?:Deja Vu/Is This The Life We Really Want?・狂気(B面):Money/Us And Them/Any Colour You Like/Brain Damage/Eclipse・その他:Two Suns In The Sunset/The Bar (reprise)(★)/Outside The Wall ※注:「★」印は未発表の新曲。この日をもって79歳を迎えたロジャー・ウォーターズ。来年の9月6日には(今のところ)ショウの予定はなく、何よりロジャー自身が「“This Is Not A Drill”が最後のツアーになるかも知れない」と発言している。80歳を祝うショウはなさそう……いや、もう二度とバースデー・コンサートはないかも知れません。そんな記念の夜に極上サウンドで居合わせられる銘品ライヴアルバム。ロジャー79歳の誕生日でもある「2022年9月6日デンバー公演」の極上オーディエンス録音。厚めの鳴りがダイナミズムを演出するリッチ・サウンドで、極太の芯が鳴りを突き破るように突進してくるので距離感もない。ロックとしての力強さ、世紀の一大スペクタクルに身を置くダイナミズムたっぷりに最新“This Is Not A Drill”をフル体験できる新名盤です。Ball Arena, Denver, CO, USA 6th September 2022 TRULY PERFECT SOUND Disc 1(77:32) 1. Intro★12分収録 2. Comfortably Numb 3. The Happiest Days of Our Lives 4. Another Brick in the Wall, Part 2 5. Another Brick in the Wall, Part 3 6. The Powers That Be 7. The Bravery of Being Out of Range 8. The Bar Intro 9. The Bar 10. Have A Cigar Intro 11. Have A Cigar 12. Wish You Were Here 13. Shine On You Crazy Diamond (Parts VI-IX) 14. Sheep Disc 2(77:24) 1. Intro 2. In The Flesh 3. Run Like Hell 4. Deja Vu 5. Is This the Life We Really Want 6. Money 7. Us and Them 8. Any Colour You Like 9. Brain Damage 10. Eclipse 11. Two Suns in the Sunset Intro 12. Two Suns in the Sunset 13. The Bar (Reprise) Intro 14. The Bar (Reprise) 15. Outside the Wall