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Jimi Hendrix ジミ・ヘンドリックス/CA,USA 1970 Upgrade

ジミ・ヘンドリックスは晴れてオフィシャル・リリースされた1969年だけでなく、実は翌年にも、ほぼ一年後のタイミングでLAフォーラムでショーを開いていました。この時の模様は古の名レーベル、Rubber Dubberによってリリースされた「LIVE AT THE LOS ANGELES FORUM 4-25-70」LPのおかげでジミが晩年に残した名演の一つに数えられています。同レーベルが生み出したアイテムの多くがそうだったように、当時としては非常に聞きやすいオーディエンス録音であったこともその秘訣。ところが当日はジミ久々のライブ・コンサートであったことから大きな注目を集め、後に複数のオーディエンス録音が存在していたことが判明したのです。音の近さという点ではRubber Dubberソースが抜きんでていたのですが、その他の音源もまた十分に聞きやすく、例えば懐かしのWhoopy Cat による「LIVE AT THE FORUM 1970」CDに使われたソースなども70年のオーディエンス録音としては十分なクオリティでした。さらなるオーディエンス録音ソースまで発掘された結果、それらのマトリクスによるステレオ・バージョンを作ろうとする動きが生まれるのは当然の事。複数の音源が存在しつつもすべてがモノラル録音(70年のオーディエンスですし)ともなればなおさら。そこで21世紀を迎えるとジミの音源トレーダー・サークル「ATM」の間でそれらの音源を駆使したステレオ化が実現します。このバージョンをすかさずCD化したのが「L.A. CONFIDENTIAL」というタイトルでした。その際には「LAフォーラムが実はステレオ録音だった」と喧伝されてしまったのが今となっては懐かしい。そんな画期的なステレオ・マトリクスではありましたが、当時のマトリクス技術というのはまだまだ稚拙な部分が多く、確かにステレオチックな分離は可能となったものの、複数のオーディエンス録音を使用したが故の音質の変化や音量の浮き沈みが攻め切れておらず、特にヘッドフォンでリスニングする上での違和感はかなりのものでした。何よりこの時のバージョンはステレオ化することに重きを置きすぎ、全体的には骨のない仕上がりとなってしまっていたことが当時から気になったもの。そんな試みながらも完成度という点ではまだまだだった「L.A. CONFIDENTIAL」から十年以上の歳月が経過を経て2010年代にはマトリクス技術も大幅に向上。ジミのトレーダー間に複数音源が存在する公演を「merged(=組み合わせる)」マトリクス化のブームが巻き起こります。そんな中でも積極的に複合化バージョンを発表したのが「funkydrummer」なるマニア。中でも彼が自信作として公開してくれたのが70年のLAフォーラム。彼としても思い入れのあるショーなのか、何度もマトリクス化をやり直しており、ファイナル・バージョンとして発表したものを元にリリースいたします。彼によるマトリクスは技術の進歩もあるのですが、例の「L.A. CONFIDENTIAL」よりもはるかに洗練された仕上がりがお見事。そのメインとなるRubber Dubberソースはジミのギターの音圧の迫力が魅力であった一方、他の音が弱くバランス的にイマイチな感があったので、そこに他のオーディエンスを組み合わせることでグッと聞きやすい状態に生まれ変わっています。それでいて演奏の迫力がマシマシという点が「L.A. CONFIDENTIAL」とは大きく異なる印象。中でも一種類の音源でしか捉えられていない場面になると当然モノラルになってしまうのですが、その違和感がほとんどなくまとめ上げられたという点がこれまた「L.A. CONFIDENTIAL」とは別次元の完成度。そこではステレオ化にこだわり過ぎたが為にモノラル・パートとの落差が生じてしまった訳ですが、今回はそこまで極端にステレオ化させなかったことが勝因でしょう。それでいて演奏やジミの歌の輪郭が浮き彫りになっている点も大きな成果。それでもなお散見された粗をGraf Zeppelinが調整してくれ最後の一手を加えてくれました。それにしてもこの日のジミのイキイキとした演奏ぶりは圧巻で、ライブ前半はキレッキレな勢いで畳みかける。ライブに明け暮れた感のあるジミのキャリアですが、70年前半はバンド・オブ・ジプシーズがあっけなく解散した結果、三か月近くもライブが行われないという珍しい時期でした(代わりにスタジオ・ワークに没頭)。それだけに久しぶりのステージに戻れたという喜びが溢れており、なおかつバックにはジプシーズとエクスペリエンスのいいとこどり(ミッチとビリー)をした頼もしいトリオ編成のクライ・オブ・ラブ・バンドがいる。 そうした状況がこの日の快演へとつながったことは疑いようもありません。しかし何と言ってもCD2から始まる怒涛の新曲&アドリブメドレーは圧巻。ジミとしては当時スタジオで作り込んでいた新曲をステージで披露したくてうずうずしていたのでしょう、手始めに「Room Full Of Mirrors」を弾いたところから新曲メドレーがスタート。そこからウッドストックの名演でおなじみ「Villanova Junction Blues」に移るなど変幻自在ながらも勢いが止まらない。そして必殺の「Star Spangled Banner」へと切り替わるのですが、すかさず始まった「Purple Haze」では演奏が始まっているのにイントロを弾き直すというレアな爆笑パターンも勢いが余ったからこそ。この代表曲を待ち望んだフォーラムの観客たちによる手拍子の盛り上がりと豊かな臨場感も是非ヘッドフォンにて味わってみてください。何よりアナログ時代には定番中の定番だった70年のLAフォーラムも最近はアップグレードされたタイトルが無さすぎた。だからこそ2022年に相応しい新たなバージョンでジミ晩年の名演を!(リマスター・メモ)★位相修正★潰れた波形を復旧★トラック変わり目のプチノイズ除去★複数音源が編集されてるっぽいですが、繋ぎが唐突だったりした箇所や音が片側に偏っていた箇所を数ヶ所補正。The Forum, Inglewood, CA, USA 25th April 1970 TRULY PERFECT SOUND(UPGRADE) Disc 1 (46:00) 1. Introduction 2. Spanish Castle Magic 3. Foxy Lady 4. Lover Man 5. Hear My Train A Comin' 6. Message To Love 7. Ezy Rider 8. Machine Gun Disc 2 (40:01) 1. MC 2. Room Full Of Mirrors 3. Hey Baby (New Rising Sun) 4. Villanova Junction Blues 5. Drum Solo 6. Freedom 7. Star Spangled Banner 8. Purple Haze 9. Voodoo Chile (Slight Return) Jimi Hendrix - guitar, vocals Mitch Mitchell - drums Billy Cox - bass

Jimi Hendrix ジミ・ヘンドリックス/CA,USA 1970 Upgrade

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