永遠の代表作『HOLY DIVER』『THE LAST IN LINE』を畳みかけ、シーンの盟主に登り詰めた1984年のロニー・ジェイムス・ディオ。栄光の時代を現場体験できる新たなマスター・ピースの誕生です。そんな本作に吹き込まれているのは「1984年9月19日バーミンガム公演」。その極上オーディエンス録音です。当時のDIOはスタジオ作品だけでなく、ライヴでも絶頂。サバスの“HEAVEN AND HELL Tour”と並ぶ、キャリア最大級のワールド・ツアーを実施していました。その象徴作と言えば、公式映像『A SPECIAL FROM THE SPECTRUM』が君臨していますので、併せてツアー全景からショウのポジションを確かめてみましょう。1984年・1月4日ー7日:北米#1(3公演)・6月11日:Pinkpop Festival出演《7月2日『THE LAST IN LINE』発売》・7月17日ー8月25日:北米#2(32公演)←※公式映像・8月30日ー10月30日:欧州(44公演)←★ココ★・11月4日ー12月31日:北米#3a(30公演)1985年・1月2日ー27日:北米#3b(18公演)・8月10日:初来日(1公演)《8月13日『SACRED HEART』発売》・8月10日ー12月31日(80公演)これが1984年/1985年のDIO。「北米#1」は“HOLY DIVER Tour”の最終レッグで、その後に『THE LAST IN LINE』を製作。ピンクポップ・フェスから「北米#3」までが絶頂の“THE LAST IN LINE Tour”でした。そのほとんどが北米だったわけですが、唯一違ったのが中盤の「欧州」レッグ。本作のバーミンガム公演は、その15公演目にあたるコンサートでした。そんなショウから発掘されたのは、端正かつ力強い名録音。とにかく距離感がない。ヘッドフォンで耳を澄ませてもホール鳴り成分が感じられず、輪郭もくっきりとした真が耳元に飛びこみ、それに伴ってディテールも鮮やか。顕微鏡的に聴き込んでみるとスネアの音色がオーディエンスっぽい……かも。そもそもヴィニー・アピスの音色が軽めなこともあってか、ヴィンテージなFM放送のようにも聞こえる。特にヴォーカルは歌詞の一語一語どこか、そこに込められたニュアンスまで克明ですし、ヴィヴィアン・キャンベルのマシンガン・ピッキングも一発一発が綺麗にセパレート。それどころか、曲間で静かになった際にはアンプから漏れ出る「ジジジ……」という僅かな電磁ノイズまで分かるほどなのです。しかも、本作はそんな名録音を細心マスタリングで磨き上げた最高峰盤でもある。ピッチを正確に整えるのはもはや当たり前。帯域分析を経た上で各音域のバランスを正し、ステレオ感の変化や音圧の揺れもビシッと安定。原音のままでも十分に高音質ではありましたが、その可能性を最大限に引き出したのです。そんなタイト&ダイレクト・サウンドで画かれるのは、キャリアの頂点に達したロニーの威風堂々たるフルショウ。前述のように、このツアーの象徴は公式映像『A SPECIAL FROM THE SPECTRUM』ですので、比較しつつ整理しておきましょう。 DIO・情念の炎:Stand Up And Shout/Don't Talk To Strangers/Holy Diver(★)/Rainbow In The Dark・ラスト・イン・ライン:One Night In The City(★)/Mystery/Egypt (The Chains Are On)/The Last In Line/We Rock その他・レインボー:Man On The Silver Mountain(★)/Long Live Rock 'N' Roll(★)・サバス:Heaven And Hell/The Mob Rules※注:「★」印は公式映像『A SPECIAL FROM THE SPECTRUM』で聴けなかった曲。……と、このようになっています。現場でのフルセットはスペクトラム公演も本作も同じなのですが、編集されていた公式映像に対して本作は終始一貫の通し録音。公式では聴けなかった「One Night In The City」を始め、“THE LAST IN LINE Tour”の象徴「Egypt (The Chains Are On)」やツアー限定のレア曲「Mystery」等も楽しめる。RAINBOW/BLACK SABBATHのクラシックスはもちろんのこと、DIOのレパートリーも大代表作『HOLY DIVER』『THE LAST IN LINE』の名曲のみ。まさに極めつけのセットなのです。しかも、そんな究極セットを綴るパフォーマンスも威風堂々。リーダーバンドで古巣を凌駕する成功を収めたロニーは自信満々ですし、ヴィヴィアンも若さ丸出しで想いの丈をぶつけるように弾き倒す。“THE LAST IN LINE Tour”は名作サウンドボードが何作も残されていたりしますが、充実感たっぷりのショウは何公演でも現場体験したくなる。DIOブートレッグの醍醐味が結晶になったような1枚なのです。セット・パフォーマンス・サウンド……すべてが極めつけ級の実況録音。もちろん無論、コレクター諸兄なら絶対不可避の新名盤。「1984年9月19日バーミンガム公演」の極上オーディエンス録音。端正かつ力強い名録音で、とにかく距離感がない。輪郭もくっきりとした真が耳元に飛びこみ、それに伴ってディテールも鮮やか。ヴィンテージなFM放送のようにも聞こえるタイト&ダイレクト・サウンドです。「One Night In The City」「Egypt」「Mystery」など、“THE LAST IN LINE Tour”だからこその名曲も美味しい絶頂のフルショウを極上体験できます。Live at Birmingham Odeon, Birmingham, UK 19th September 1984 TRULY PERFECT SOUND (74:40) 1. Stand Up and Shout 2. One Night in the City 3. Don't Talk to Strangers 4. Mystery 5. Egypt (The Chains Are On) 6. Holy Diver 7. Drum Solo 8. Heaven and Hell 9. guitar solo 10. Heaven and Hell (reprise) 11. The Last in Line 12. Heaven and Hell (reprise) 13. Rainbow in the Dark 14. Man on the Silver Mountain 15. Long Live Rock 'n' Roll (Rainbow cover) 16. Man on the Silver Mountain (reprise) 17. We Rock 18. The Mob Rules Ronnie James Dio - Vocals Vivian Campbell - Guitars Jimmy Bain - Bass Vinny Appice - Drums Claude Schnell - Keyboards