『HEART』『BAD ANIMALS』を連続ヒットさせ、一大全盛の真っ直中にいた1987年のHEART。その象徴とも言うべきサウンドボード・アルバムの最高峰盤が登場です。そんな本作に収められているのは「1987年8月30日ポートランド公演」。そのステレオ・サウンドボード録音です。“BAD ANIMALS Tour”と言えば約1年で120公演を超えるHEARTのキャリアでも最大級の巨大ツアーであり、日本公演が実現した事でも思い出深いところ。まずは、その全景を俯瞰し、ショウのポジションを確かめてみましょう。1987年《6月6日『BAD ANIMALS』発売》・6月26日ー7月27日:北米#1(17公演)・8月21日ー9月18日:北米#2(16公演)←★ココ★・10月9日ー11月8日:北米#3(23公演)・11月27日ー12月20日:北米#4(18公演)1988年・1月18日:フレズノ公演・2月19日ー3月8日:欧州(14公演)・3月28日ー4月5日:日本(5公演)・6月4日ー7月18日:北米#5(17公演)これが1987年/1988年のHEART。実のところ、1つ前の“HEART Tour”も公演数的には同規模だったのですが、公演地は北米と日本に限定されていました。それに対して“BAD ANIMALS Tour”はヨーロッパにも遠征。文字通り、キャリア最大のワールド・ツアーとなりました。とは言え、彼女たちの主戦場はやはり北米。本作のポートランド公演は、そんな「北米#2」の7公演目。約1ヶ月のオフを挟んでツアー疲れを癒し、再スタートから良い案配に場数を踏んでエンジンも温まった理想的なタイミングのショウでした。このライヴはFM放送された事でも有名で、数々の既発群も誕生。HEART全盛期を象徴する定番中の大定番として君臨してきました。本作も同じ王者のサウンドボードでありつつ、その最高峰に立つ至高の1本なのです。「最高峰」を断言する由縁はソース。WESTWOOD ONEの名番組“Superstars In Concert”の放送原盤からダイレクトにデジタル化されているのです。それだけにサウンドは丸っきり公式。ダビング痕やテープ劣化がないどころではなく、一度も電波を介していない鮮度は究極であり、幾多のエアチェック群とはまったくの別次元なのです。しかもマスター鮮度だけでなく、内容的にも完全オフィシャル仕事。HEART自身が時代の寵児に登り詰めていましたが、それを伝える“Superstars In Concert”も名門ラジオ局の看板番組。その名を汚さぬ見事なミックスは、アンサンブルも完成も精緻を極めている。それこそ、スタジオ作品『HEART』『BAD ANIMALS』にも匹敵する完成度なのです。そんなアート級サウンドで画かれるのは、我が世の春を謳歌するようなショウ。あくまで放送枠に沿っているのでライヴの完全収録ではありませんが、その中に大ヒット中の名曲群がギュウ詰めされている。その濃度を実感していただく為にも、ここでセットを整理しておきましょう。CAPITOL時代(9曲)・ハート:The Wolf/Nothin' At All/What About Love/These Dreams/Never/If Looks Could Kill・バッド・アニマルズ:Bad Animals/Who Will You Run To/Alone クラシックス他(7曲+α)・ドリームボート・アニー:Dreamboat Annie/Crazy On You・その他:Barracuda/Straight On/Bebe le Strange(★)/How Can I Refuse?・カバー:Keep A Knockin'/Rock And Roll ※注:「★」印は日本公演では演奏しなかった曲。……と、このようになっています。7ヶ月後の来日公演では演奏しなかった「Bebe le Strange」も披露しつつ、軸はあくまで『HEART』『BAD ANIMALS』の2作。特に「The Wolf」「Nothin' At All」辺りはこのツアーを最後にレギュラー・セットに戻ることはありませんでしたし、「Bad Animals」に至ってはアルバムタイトル曲にもかかわらず、ほぼ“BAD ANIMALS Tour”の限定曲に終わりました。そして、そんなセットを綴る演奏が素晴らしい。“HEART Tour”では大ヒットの風を受けつつもライヴアクトとしての実力を証明するような挑戦者のアティチュードが感じられましたが、ここでは完全に横綱相撲。押しも押されもせぬヒット曲を惜しげもなく浴びせかけ、余裕たっぷりに沸かせまくる王者のショウなのです。まさに準オフィシャル品。放送原盤ダイレクトだからこその至高のサウンドで全盛のショウを味わえるライヴアルバムの極みです。本来であればオフィシャル作品として『HEART』『BAD ANIMALS』と並んでコレクションされるべき、HEART畢生の名作。「1987年8月30日ポートランド公演」のステレオ・サウンドボード録音。名番組“Superstars In Concert”の放送原盤からダイレクトにデジタル化されたサウンドは完全オフィシャル級。ダビング痕やテープ劣化がないどころではなく、一度も電波を介していない鮮度は究極であり、それこそスタジオ作品『HEART』『BAD ANIMALS』にも匹敵する完成度。当時ならではの「The Wolf」「Nothin' At All」「Bad Animals」など、全盛の『BAD ANIMALS』時代を最高峰サウンドで楽しめる準オフィシャル品です。Portland Memorial Coliseum, Portland, OR, USA 30th August 1987 STEREO SBD Disc 1(44:44) 03. Bad Animals 04. The Wolf 05. Barracuda 09. Nothing At All 10. What About Love 14. Dreamboat Annie 15. These Dreams16. Straight On Disc 2 1. Who Will You Run To 2. Never 3. How Can I Refuse 7. Crazy On You 8. If Looks Could Kill 13. Bebe le Strange 14. Alone 15. Keep A Knockin' / Rock and Roll STEREO SOUNDBOARD RECORDING Ann Wilson - Vocals Nancy Wilson - Guitar, keyboards and vocals Howard Leese - Guitar, Keyboards Mark Andes - Bass Guitar Denny Carmassi - Drums