ロバート・プラントのライブ音源キャリアの中において見事なエアポケットと化していた1990年の『MANIC NIRVANA』ツアー。それがどうでしょう、今やマイク・ミラードの極上オーディエンスの『SAN DIEGO 1990: MIKE MILLARD MASTER CASSETTES』、さらにはリリースながらミラードをも超えるクオリティかと話題になった『PHOENIX 1990』という二大タイトルが本ツアーの魅力をあますことなく伝えてくれるようになりました。こうした状況の中で第三の『MANIC NIRVANA』ツアー極上オーディエンスが登場、しかもミラードによる新たな録音が発掘されました。前回リリースの『SAN DIEGO 1990: MIKE MILLARD MASTER CASSETTES』の翌日に行われたアーバイン公演もミラードが参戦してくれていたのです。ミラード・マスターは毎回当たり前のようにハイクオリティなオーディエンス録音を生み出してくれていた訳ですが、とりわけ彼の晩年に位置する時期で残された録音の中にあって、今回のアーバインはベスト3に入るのでは?と思えるほど素晴らしいクオリティ。まず何と言ってもあれほどクリアーだった前日のサンディエゴすら軽く凌駕する凄まじいまでにオンな音像。二日連続で録音を敢行してくれた成果が見事に現れている。それだけに音源が登場したタイミングが何とも惜しまれます。もしこちらがサンディエゴより先に出ていたとしたら・・・その点は本当にもどかしい。それでもなお、この超オンな音像には言葉を失いそうになる。ただでさえサウンドボードレベルな音像なのですが、そんなバランスの中においてもチャーリー・ジョーンズの太くて深みのあるベースラインを完璧な状態で捉えているのにはうっとり。前作『NOW AND ZEN』から始まったプラント・バンド盤石のバッキングがこれほどまでに素晴らしいものであったということを再認識させられることでしょう。それにこの時のプラントはまだ42歳という若さでもあり、連日公演ながら疲れもなく絶好調で歌い上げてくれる。それは当時のソロ・レパートリーだけでなく、「No Quarter」のようなZEPクラシックがキーを下げたアレンジで演奏されたことも吉と出ている。おまけに本ツアーで毎晩演奏されて話題を呼んだ「Wearing And Tearing」はネブワース1990を軽く凌ぐハイテンションな演奏ですし、アンコール「Tall Cool One」に至ってはブレイクでプラントが「The Ocean」のハミングを始めた横でメンバーがビートルズの「She Loves You」を歌い出すというハッスルぶりが炸裂。そして極めつけはプラントがバンドメンバーに「オジー・オズボーン」と紹介されるという傑作な場面まで。あいにくのタイミングによって断腸の思いなリリースとなってしまいますが、その驚愕クオリティと最高の演奏内容は『MANIC NIRVANA』ツアーのベストだと断言できる衝撃のミラード録音です!Irvine Meadows, Irvine, CA, USA 10th August 1990 TRULY PERFECT SOUND Disc 1 (53:51) 1. Intro. 2. Watching You 3. Nobody's Fault But Mine 4. Billy's Revenge 5. Tie Dye On The Highway 6. In The Mood 7. No Quarter 8. Liars Dance 9. Going To California Disc 2 (50:00) 1. Little By Little 2. Nirvana 3. Immigrant Song 4. Hurting Kind (I've Got My Eyes On You) 5. Ship Of Fools 6. Wearing And Tearing 7. Living Loving Maid (She's Just A Woman) 8. Band Introduction 9. Tall Cool One Robert Plant - Vocal Doug Boyle - Guitar Charlie Jones - Bass Phil Johnstone - Keyboards Chris Blackwell - Drums