栄光の“DARK SIDE OF THE MOON Tour”でも意外と良い記録の少ない1972年の全米ツアー。そんな穴場な時期の代表音源がアップグレード。「GRAF ZEPPELIN」の細密マスタリングによる最高峰更新サウンド2CDで登場です。そんな本作に吹き込まれているのは「1972年4月28日シカゴ公演」。その最高峰オーディエンス録音です。“DARK SIDE OF THE MOON Tour”はロック史において極めて重要なツアー。それだけに当店でもできる限りの記録でアーカイヴしてきました。良い機会でもありますので、その代表作コレクションと共に、本作のポジションも確認してみましょう。1972年・1月17日ー19日:リハーサル・1月20日ー2月20日:英国(16公演)←※THE BEST OF TOUR 72他・3月6日ー13日:日本(6公演)←※SAPPORO 1972他・3月29日+30日:マンチェスター(2公演)・4月14日ー5月4日:北米#1(17公演)←★ココ★・5月18日ー6月29日:欧州#1(5公演)←※BRIGHTON 28TH JUNE 1972・9月8日ー30日:北米#2(17公演)←※※HOLLYWOOD BOWL 1972他・10月21日ー12月10日:欧州#2(23公演)←※ZURICH 1972 MATRIX他 1973年・1月13日ー2月4日:パリ(4公演)《3月1日『狂気』発売》・3月4日ー24日:北米#3(16公演)←※DEFINITIVE BOSTON 1973他・5月18日+19日:ロンドン(2公演)←※EARLS COURT 1973 2ND NIGHT他・6月17日ー29日:北米#4(13公演)←※TAMPA 1973他・10月12日ー11月4日:欧州#3(4公演)←※RAINBOW 1973他 ※注:各レッグとも代表タイトルのみ。これが“DARK SIDE OF THE MOON Tour”の全景。さすがに全タイトルは載せきれないので各レッグとも代表作に留めました。日本は例外として、特に作品数が多いのは「英国」「欧州#2」「北米#3」辺り。意識はしなくても何となく「1972年=ヨーロッパ」「1973年=アメリカ」なイメージをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな中で本作のシカゴ公演はすき間となる「1972年の北米」。「北米#1」の12公演目にあたるコンサートでした。そんなショウのベスト・マスターと言えば、当店の前回盤『THE UNPROCESSED CHICAGO 1972』。本作もまた、歴史的ベスト・マスターを踏襲しつつ、さらにブラッシュアップ。「GRAF ZEPPELIN」が磨き込みつつ、他マスターも活用して最長・最高峰を更新したのです。では、ここで使用された3ソースを見てみましょう。A:Recorder 1 古くからの定番録音ではあるものの、現在では「Recorder 2」には及ばない。本作でも補填用に使用。B:Recorder 2(DATクローン) このショウのベスト・マスター。生々しい長尺録音で、前回盤『THE UNPROCESSED CHICAGO 1972(Sigma 85)』と同様、本作のメイン音源。C:Recorder 2(doinkerマスター)「B」と同じ録音ながら経路が異なるマスターで、『狂気』のみが知られています。ヨレが少なく、ところどころ「B」には欠けているパートも残されている。……と、このようになっています。前回盤『THE UNPROCESSED CHICAGO 1972』も本作のメインもベスト・マスターの「B」。「C」も良い状態なので土台として仮組みも試みたのですが、『狂気』以外のパートとの整合性や全体の音の生々しさなど、総合的にメイン音源に向いているのはやはり「B」でした。本作は、そんなベスト・マスターを量と質の両面でアップグレード。まず「量」ですが、前回盤では冒頭が欠けて1分ギリギリだった「Speak To Me」も開演を告げる鼓動音の前からたっぷり3分収録され、2ヶ所欠けのあった「Us And Them」も完全形に拡張。曲間のカットは数カ所残ってはいますが、演奏パートは史上初の完全収録が実現しているのです。そして、全編を貫く「質」もグッと向上。前回盤も間近感たっぷりな演奏音に驚かれたと思いますが、本作は密度も安定感もさらにアップしている。偏執的なほどの「GRAF ZEPPELIN」マスタリングによってあらゆる可能性が追求されているわけですが、本作で一番大きな違いを感じられるのはステレオ感でしょうか。前回盤をお持ちの方はちょっと聴いてみていただきたいのですが、DISC 1が左に、DISC 2が右に大きく偏っていた事に気づかれるのではないでしょうか。本作は、それがセンターにビシッと安定している。1/1000秒の狂いも許さない位相補正の賜なのですが、これは左右の位置感覚だけに留まらず、芯の力強さやダイレクト感までアップさせているのです。まさに「磨けば光る」タイプの名録音。その最高峰更新盤です。“DARK SIDE OF THE MOON Tour”のNo.1王座を狙うライヴアルバムではありませんが、「1972年の北米」という穴場の支配者にはなり得る。史上初となる演奏パートの完全収録が実現し、サウンドもグッと安定感を増した芯の力強さに酔いしれる。(リマスター・メモ)★音源整理 Rec1 DFAまたはHighland盤・・今回補填に使用 Rec2 Master>DAT2 ・・・前回盤と同様、今回のメイン音源 Rec2 Logen Reel (doinker) 「狂気」のみ。同じRec2ながら状態が良く、ヨレが少なく、また収録の長い箇所もある「狂気」のみ。同じRec2ながら状態が良いパートが多く(メインのRec2に比べヨレが少ない)、また収録の長い箇所もあるため補填音源の筆頭 ★メインは前回盤同様。補填音源にRec2の「狂気」のみ存在するDoinkerのLow Gen Reelを優先使用、それでもまかない切れないパートをRec1で補填 ★位相を大幅に修正。だいぶ印象違います。既発では、Disc1は左へ、Disc2は右へ音がかなり偏っていた。 ★帯域・音量調整で幾分メリハリ出てます。「1972年4月28日シカゴ公演」の最高峰オーディエンス録音。定評のベスト・マスターを「GRAF ZEPPELIN」が磨き込み、他マスターも駆使して実現した最長・最高峰更新盤です。史上初となる演奏パートの完全収録が実現し、曲間パートも増量。さらにサウンドもグッと向上しており、左右に振れていたステレオ感もビシッとセンターに安定。マスタリング系アップグレードの鏡とも言うべき1本です。Auditorium Theatre, Chicago, IL, USA 28th April 1972 TRULY PERFECT SOUND (UPGRADE) Disc 1 (49:56) The Dark Side Of The Moon 01. Speak To Me ★0:00-1:15Rec1 / 1:15-2:08 Doinkerで補填 02. Breathe (In The Air) 03. The Travel Sequence 04. Time 05. Breathe(Reprise) 06. The Mortality Sequence 07. Money ★7:29以降Doinkerで補填 08. Us And Them ★0:00-0:05Doinker / 1:25-1:51 Rec1で補填 09. Any Colour You Like 10. Brain Damage 11. Eclipse ★1:48(演奏後)以降Rec1で補填 Disc 2 (58:52) 01. Tuning 02. One Of These Days 03. Careful With The Axe, Eugene 04. Echoes 05. Set The Controls For The Heart Of The Sun ★13:06(演奏後歓声)以降Rec1で補填