多彩なソロ・キャリアでも最大級のツアー三昧だった『EMOTION & COMMOTION』時代。公式作『LIVE AND EXCLUSIVE FROM THE GRAMMY MUSEUM』の完全版とも言えるフル・ライヴアルバムが登場です。そんな本作に吹き込まれているのは「2010年4月17日ロサンゼルス公演」。その一部始終を真空パックした極上オーディエンス録音です。2010年と言えば、2つの公式ライヴアルバム『LIVE AND EXCLUSIVE』『ROCK & ROLL PARTY: HONORING LES PAUL』だけでなく、サウンドボード・アルバム『LUCCA SUMMER FESTIVAL 2010』も同時リリース。まずは、当時のスケジュールから各作品の位置関係を整理してみましょう。・2月13日ー22日:TOGETHER & APART(6公演)・3月20日ー4月13日:アジア/豪州(12公演)《4月10日『EMOTION & COMMOTION』発売》・4月16日ー5月1日:北米#1(12公演)←★ココ★・6月3日ー26日:北米#2(17公演)←※ROCK'N'ROLL PARTY・7月7日ー27日:欧州#1(12公演)←※LUCCA SUMMER FESTIVAL 2010《10月『LIVE AND EXCLUSIVE FROM THE GRAMMY MUSEUM』発売》・10月5日ー11月12日:欧州#2(27公演)・11月24日ー12月6日:中南米(7公演)これが2010年のジェフ・ベック。来日の最中に『EMOTION & COMMOTION』が発売されたわけですが、その直後には本格的な全米ツアーを実施。本作はその序盤となる「北米#1」の2公演目にあたる。この「北米#1」からは公式作『LIVE AND EXCLUSIVE』も残されましたが、本作はその5日前という直近のコンサートでもありました。そんなショウで記録された本作は、まさに極上のオーディエンス。芯は極太で力強く、各楽器のセパレート感も鮮やかなら輪郭も微細部まで繊細。サウンドボードと間違えるほどド密着ではありませんが、それはあくまでナチュラルな音色の話でしかなく、集中するほどに際限なくディテールが浮かび上がってくる細やかさは「サウンドボードか/オーディエンスか」と考えるのもバカらしくなります。しかも、本作はそんな名録音の最高峰更新盤。ネットの原音を細心マスタリングで磨き込んでおり、鮮やかさもスカスカ感皆無な密度もアップしている。別に大改造しているわけでもないのですが、録音自体の個性がリマスタリング向きだったらしく、ちょっと補正しただけで聴き応えがグングン向上していった。実際、当時も「まさに究曲のオーディエンス録音」「大別格のスーパー・サウンド」と大評判。そんな極上サウンドで画かれるのは、中途半端だった『LIVE AND EXCLUSIVE』の完全形とも言えるフルショウ。さっそく公式作と比較しながらセットを整理してみましょう。公式『LIVE AND EXCLUSIVE』と被る曲・エモーション・アンド・コモーション:Corpus Chisti Carol/Hammerhead/Over the Rainbow/Nessun Dorma・その他:People Get Ready/Brush With The Blues/A Day In The Life/How High The Moon 公式『LIVE AND EXCLUSIVE』では聴けない曲・ユー・ハッド・イット・カミング:Rollin' and Tumblin'/Never Alone(★)/Dirty Mind(★)・70年代ー90年代:Led Boots/Big Block/Blast From the East(★)/Angel (Footsteps)(★)・2000年代以降:Eternity's Breath/Stratus/Mna Na Heireann/I Want To Take You Higher ※注:「★」印は同時リリースのサウンドボード・アルバム『LUCCA SUMMER FESTIVAL 2010』にもない曲。……と、このようになっています。『LIVE AND EXCLUSIVE』がわずか8曲だったのに対し、本作は全19曲(+各ソロ)。同時リリースの『LUCCA SUMMER FESTIVAL 2010』でも聴けないレパートリーも4曲収録しており、フルセット完全収録の大ボリュームなのです。そして、演奏も実に素晴らしい。全体には来日公演にも近い感じですが、さらに練度を上げている。結果的に公式ライヴ作とは別日にはなりましたが、ライヴアルバムを作ろうという気概がフレーズの隅々から滲み出すようです。2010年当時には終わったばかりの来日録音に注目が集まり、見逃されてしまった傑作ライヴアルバムです。公式ライヴ作『LIVE AND EXCLUSIVE』の5日前「2010年4月17日ロサンゼルス公演」の極上オーディエンス録音。芯は極太で力強く、各楽器のセパレート感も鮮やかなら輪郭も微細部まで繊細な名録音で、さらに細心マスタリングで磨き込んだ最高峰盤です。わずか8曲だった『LIVE AND EXCLUSIVE』の完全版とも言えるフルセットを極上サウンドで味わえる名作です。Live at Nokia Theatre, Los Angeles, CA, USA 17th April 2010 TRULY PERFECT SOUND Disc 1(52:25) 1. Eternity's Breath 2. Stratus 3. Led Boots 4. Corpus Christi Carol 5. JB/NMW Shred/Hammerhead 6. Mna Na Eireann 7. Bass Solo 8. People Get Ready 9. Rollin' And Tumblin' 10. Never Alone 11. Big Block Disc 2(43:19) 1. Over The Rainbow 2. Blast From The East 3. Angel (Footsteps) 4. Dirty Mind 5. Brush With The Blues 6. I Want To Take You Higher 7. A Day In The Life 8. How High The Moon 9. Nessun Dorma Jeff Beck - Guitar Jason Rebello - Keyboards Rhonda Smith - Bass, Vocals Narada Michael Walden - Drums