ノーメイク時代屈指の名作『REVENGE』で気を吐いていた1992年のKISS。そのツアーを現場体験できる傑作ライヴアルバムが3作同時リリース決定です。本作は、そんな3連作の第二弾。「1992年5月26日バーミンガム公演」。その絶品オーディエンス録音です。KISSの主戦場と言えば母国アメリカで、今回の3連作でも本作は唯一の海外録音。では、そのポジションをツアーの全体像で振り返り、他2作との位置関係も確かめておきましょう。・4月23日ー5月10日:北米#1(13公演)←※TEMPE 1992・5月16日ー26日:英国(8公演)←★ココ★《5月19日『REVENGE』発売》・9月27日『REVENGE IS READY(リハ)』・9月30日『REVENGE TOUR PRESS SHOW 1992(リハ)』・10月1日ー12月20日:北米#2(55公演)←※NEW JERSEY 1992 これが1992年のKISS。リハも含め、ほぼほぼ北米の記録で埋め尽くされているものの、唯一の例外だったのが5月の「英国」レッグでした。本作のバーミンガム公演は、そんな「英国」レッグの最終日。場数が少ない事もあって当店ではご紹介した事のなかった「ツアーの穴場」を教えてくれる秘教のライヴアルバムなのです。そんな貴重な現場を伝える本作は、厚めの鳴りがダイナミズムを演出するリッチ・サウンド。3連作の中で一番オーディエンスらしいタイプではあるのですが、だからと言って遠さも感じないところがポイント。芯は力強く真っ直ぐ手元まで届き、そこから立ち上るホール鳴りが演奏音もヴォーカルもぶ厚くダイナミックに彩っている。正直なところ、1曲目「I Stole Your Love」の中盤でボワボワ感が出てイヤな予感もするのですが、ここで諦めないで頂きたい。これは45秒だけの話でして、曲が終わる前にサッと晴れ渡る(どうやら1曲目でマイクの方向に迷ったようですね)。その後は冒頭以上のクリアさが清々しく、細やかなディテールまでキレイに味わえるのです。そのダイナミック・サウンドで画かれるのは、これまで聴けなかった「英国」レッグのフルショウ。セットは「北米#1」の『TEMPE 1992』と同じセレクトの曲順違い。その一方で「北米#2」の『NEW JERSEY 1992』とは結構異なっていますので、ここでは後者との比較で整理し直してみましょう。70年代クラシックス(15曲)・地獄からの使者:Deuce/Strutter(★)/100,000 Years(★)/Firehouse/Cold Gin・地獄の軍団:Shout It Out Loud/I Was Made For Lovin' You(★)/God Of Thunder(★)/Detroit Rock City・その他:Parasite/Rock And Roll All Nite/Calling Dr. Love(★)/I Want You/Love Gun/I Stole Your Love(★)ノーメイク時代(7曲)・リヴェンジ:Unholy/Take It Off/God Gave Rock 'n' Roll To You II・その他:I Love It Loud/Lick It Up/Heaven's On Fire/Tears Are Falling※注:「★」印は同時リリースの『NEW JERSEY 1992』で聴けない曲。……と、このようになっています。メインレッグの「北米#2」では『REVENGE』をはじめとしたノーメイク時代のナンバーも多かったのですが、新作の発売間もない「英国」レッグでは70年代レパートリーが軸。そんなグレイテスト・ヒッツを加入したてのエリック・シンガーがワイルドに盛り立てるショウなのです。また、前述の通り「北米#1」とは曲順が異なる。基本の流れは踏襲しているものの、『NEW JERSEY 1992』でポールポジションだった「Love Gun」が本作ではショウの後半に回され、代わりに「I Stole Your Love」でスタートしている。これだけも結構イメージが違います。90年代までなぜかオリンピックとリンクしていたKISSの英国ツアー。1992年もバルセロナ五輪を目前に控えた中で行われました。本作は、そんな歴史の現場をダイナミックなリアルサウンドで甦らせてくれるライヴアルバムです。今回の3連作でも厚みとレア度で群を抜く一作。「1992年5月26日バーミンガム公演」の絶品オーディエンス録音。芯が力強く真っ直ぐ届き、ホール鳴りが演奏音もヴォーカルもぶ厚くダイナミックに彩るリッチ・サウンド。これまで北米録音ばかりだった“REVENGE Tour”序盤の英国レッグをフル体験できる新発掘ライヴアルバムです。NEC, Birmingham, UK 26th May 1992 PERFECT SOUND Disc 1(58:44) 1. Pre-Show Music 2. Intro 3. I Stole Your Love 4. Deuce 5. Heaven's On Fire 6. Parasite 7. Shout It Out Loud 8. Strutter 9. Calling Dr. Love 10. I Was Made For Lovin' You 11. Unholy 12. 100,000 Years 13. Take It Off 14. God of Thunder 15. Lick It Up Disc 2(54:44) 1. MC 2. Firehouse 3. Tears Are Falling 4. I Love It Loud 5. Love Gun 6. Cold Gin 7. Detroit Rock City 8. MC 9. I Want You 10. Drum Solo 11. God Gave Rock 'N Roll To You II 12. Rock And Roll All Nite Paul Stanley - Guitar, Vocals Gene Simmons - Bass, Vocals Bruce Kulick - Lead Guitar, Vocals Eric Singer - Drums, Vocals