2015年ジェフ・ベックの最新“LIVE IN JAPAN”が登場です。昨年も来日し、大規模なツアーで列島を縦断したジェフですが、今回は「Blue Note JAZZ FESTIVAL in JAPAN」への出演をメインに、東京・大阪でクラブハウス公演を行うという全3回になりました。そんな中で、本作が記録されたのは、初日となった「2015年9月25日ZEPP TOKYO公演」。録音者本人から提供されたマスターによる、完全オリジナル音源です。開演前から鳴り響く優しい秋雨のような拍手からクリア・サウンドなのがはっきりと分かりますが、開演するや、その高音質ぶりには目が醒めるよう。ベースの打音、ベースの低音のふくよかさ。会場の空気どころか壁や床に伝わる振動までもがスピーカーから流れ出すようなリアルさなのです。そんな中で弾き出されるジェフのギター。現場の体験者から「とにかくギターの音がデカかった」とも聞いてはいましたが、実際、他楽器の上に乗りながら、総てを制圧するような圧倒的な存在感に、思わず観客が「おぉ」と感嘆の声を漏らすほど。こう書くとPAのミスのように思われてしまいますが、そうではない事はサウンドが物語っている。確実にギターが主役でありながら、破綻したところは一切なく、完全にコントロールされて“ギターを聴かせるためのバンドサウンド”の完成度が凄まじいのです。そして、そのデカいギター・サウンドの繊細にして、豊かな鳴り。毎度毎度、ジェフのギターはワインの澱のように心に溜まっていく感覚に襲われますが、今回はまた格別です。そんな録音を実現できたのも、昨年のホール規模とはまた違うクラブ規模のライヴだからかも知れません。緊密な会場の雰囲気はもちろんのこと、空間に充ち満ちていきながら、狭いからこその音の芯がまっすぐに飛び込んでくるのです。2014年の来日公演と違うのは、会場だけではありません。イチバン大きいのは、ヴォーカル、ジミー・ホールを帯同していること。「Morning Dew」「A Change Is Gonna Come」「Superstition」「Going Down」「The Thrill Is Gone」といった歌ものが大量に導入され、昨年も演奏した「Little Wing」「Rollin' and Tumblin’」もヴォーカル入りです。常に現在進行形でギターの可能性を追求しているジェフに、ロックの王道スタイルで熱唱するジミーの声が乗るダイナミズムはやはり素晴らしい。インストと歌もののどちらを好まれるかは個々人によりますが、やはり歌があるとグンと聴きやすくなり、“感性で聴く”ジェフのショウが“感情で楽しむ”ショウになるのです。実際、「A Change Is Gonna Come」の歌い出しでは、その歌声に感嘆の声援が上がる。この日の観客がいかにジミーの歌声を楽しんでいるのがリアルに伝わってきます。さらに、ジミーは「Lonnie On The Move」でも見事なハープ・ブロウも轟かせ、ジェフの世界を鮮やかに彩ってくれます。今年5月に逝去したB.B. Kingに捧げる「The Thrill Is Gone」で幕を閉じる本作。そのギター、そのヴォーカル、そして「B.B. King!!」の雄叫びには悲しみよりもB.B.への深い深い敬愛に満ちている。2014年のジャパンツアーは、オフィシャル作品「LIVE IN TOKYO 2014」にもなりましたが、本作はその歌ものバージョンと言ってもいい。つまり、それほどの演奏であり、それほどのサウンドなのです。1年5ヶ月という短い間に2つの世界で魅せてくれたジェフ・ベック。その一部始終を開演間のBGMから終演アナウンスまで完全収録した1本です Live at Zepp Tokyo, Tokyo, Japan 25th September 2015 TRULY PERFECT SOUND(from Original Masters) Disc 1 (59:25) 1. Intro 2. Even Odds 3. Hammerhead 4. You Know You Know 5. Stratus 6. Morning Dew 7. A Change Is Gonna Come 8. Yemin 9. Lonnie On The Move 10. Nine 11. Nadia 12. Little Wing Disc 2 (46:56) 1. 'Cause We Ended as Lovers 2. Superstition 3. Big Block 4. A Day In The Life 5. Corpus Christi Carol 6. Rollin' and Tumblin' 7. Going Down 8. Danny Boy 9. The Thrill Is Gone Jeff Beck - Guitar Nicolas Meier - Guitar Rhonda Smith - Bass Jonathan Joseph - Drums Jimmy Hall - Vocals