『GUITAR SHOP』時代を代表する名門“キニー”の名録音がブラッシュアップ。「GRAF ZEPPELIN」の細密サウンドが登場です。そんな本作に刻まれているのは、ここ日本での2公演。「1989年8月11日/12日:横浜アリーナ」公演の極上オーディエンス録音です。ジェフのライヴ・キャリアは90年代に大きく落ち込む事になりますが、『GUITAR SHOP』時代はその直前。まずは、そんなターニング・ポイントの活動概要を俯瞰し、ショウのポジションを確かめてみましょう。1989年・7月1日:Pistoia Blues Festival出演・8月5日ー12日:日本(6公演)←★ココ★《10月『GUITAR SHOP』発売》・10月25日ー12月8日:北米(33公演)1990年・4月23日ー5月14日:欧州(13公演)・7月28日+29日:ロンドン(2公演)【大元カセットからの再トランスファー】これが1989年/1990年のジェフ・ベック。この後の4年間(1991ー1994)はイベント的なステージが2回だけでほぼ活動停止。まさに、暗黒時代に陥る寸前のワールド・ツアーだったわけです。本作の横浜公演はスタート地であった日本のハイライト。5公演/6公演目にあたるコンサートでした。そんな2公演を記録した本作は、音源不毛時代に光を当てた名作。元々、名門“キニー”のコレクションでもトップクラスの極上録音として絶賛を集めたわけですが、本作はその大元カセットに立ち返って再トランスファーを敢行。2017年の初CD化の際には拾いきれなかった機微の機微まできめ細かにデジタル化できたのです。その効果は1音1音を甦らせているのですが、分かりやすいところでは曲間の拍手でしょうか。拍手というのはアタック音が極端に強い特性があり、ピークが歪みやすい音。実際、前回版『YOKOHAMA 1989』ではピークに詰まった感じがあり、続く鳴りも歪んでいました。ところが、今回のトランスファーは打音も鳴りもナチュラルなまま美しいのです。ここで念を押しておきたいのは「キレイな拍手が聴けるぞ、スゴいだろ」と申しているのではないということ。拍手はあくまで「精度が分かりやすい」という例示にすぎない。肝心要の演奏音そのものも同様に精度が上がっており、テープが吸い込んでいた現場音を最大漏らさず復刻しているのです。もちろん、仕上げの精度も抜群。例えば、今回も1/1000秒のズレも許さない位相補正を行っているのですが、これによって左右のステレオ・バランスや安定感が向上。ヘッドフォンで聴くと頭が右側に引っぱられるような感覚がなくなり、アンサンブルの明度もくっきりとして聞こえるのです。【別録音で補完し、過去最長を更新】さらに重要なのが収録時間の最長を更新したこと。アナログのカセット録音だけにテープチェンジのカットは避けられないわけですが、本作はそうしたポイントを別録音でパッチ。両日の過去最長盤が実現しているのです。実のところ、横浜初日(DISC 1)最後の2曲「People Get Ready」「Going Down」はキニーの大元カセットに未収録。前回盤でも他音源がパッチされていたのですが、今回はその処理もゼロからやり直し。より自然で違和感のない仕上がりになっていますそうして最長を更新したフルショウとはどんなものなのか。最後に、貴重な“GUITAR SHOP Tour”の全景を整理しておきましょう。ギター・ショップ(8曲)・Savoy/Sling Shot/Day In The House(★)/Big Block/Behind The Veil/Guitar Shop/Where Were You/Stand On It その他(5曲)・ワイアード:Goodbye Pork Pie Hat/Blue Wind・その他:Freeway Jam/People Get Ready/Going Down ※注:「★」印はこのツアーだけの限定曲。……と、このようになっています。ほとんどの曲が6年後の1995年ツアーでも取り上げられましたが、「Day In The House」だけはそこでも演奏しなかったレア曲です。そして、そんなセットを綴るアンサンブルがまた凄い。ベースレスの特殊な編成にも関わらず不足感がまるでなく、テリー・ポジオもトニー・ハイマスも鬼神のよう。そして、ジェフも真正面からぶつかり、半歩も引かない。ジェフは現在に至るまで素晴らしいギターを聴かせ続けていますが、やはり自在とは言っても少しずつ“型”のようなものにハマッていったのは否めない。しかし、この時はそんなそぶりもまったくなく、1フレーズ1フレーズからして猛烈に才気走り、ギターという楽器の可能性を更に広げるかのように多彩。そんなジェフを弾き出す2人も含め、“GUITAR SHOPトリオ”の真価をスタジオ作以上の鮮やかで叩きつけてくるライヴアルバムなのです。ジェフもご機嫌で、横浜初日の熱いムードを正直に吸い込んだDISC 1。集中力も高く“GUITAR SHOPトリオ”のシリアスな演奏力を見せつけるような2日目のDISC 2。音源が少なく、なかなか振り返る事のできなかった『GUITAR SHOP』時代を伝えてくれる名門“キニー”の極上録音。(リマスター・メモ)★両日とも新規でカセット原本から新たにデジタル化!★位相修正してますが、元々の録音が右寄り★ありのままのデジタル化で若干の帯域補正。拍手など削り落とさずそのま収録「1989年8月11日/12日:横浜アリーナ」公演の極上オーディエンス録音。名門キニーによる銘品で、「GRAF ZEPPELIN」の細密マスタリングでブラッシュアップ。大元カセットから再デジタル化され、録音漏れになっていたパートも別録音でパッチ。最長・最高峰クオリティを更新しています。激レア「Day In The House」も美味しい2公演をフル体験できる『GUITAR SHOP』時代の代表作です。Yokohama Arena, Yokohama, Japan 11th & 12th August 1989 TRULY PERFECT SOUND(UPGRADE) Disc 1(68:05) Live at Yokohama Arena, Yokohama, Japan 11th August 1989 01. Intro. 02. Savoy 03. Sling Shot 04. Day In The House 05. Big Block 06. Behind The Veil 07. Freeway Jam 08. Guitar Shop ★5:30-5:37(演奏後曲間)補填 09. Where Were You 10. Stand Out It 11. Goodbye Pork Pie Hat 12. Blue Wind ★6:08(演奏後)以降丸ごと別ソース 13. People Get Ready ★別ソース 14. Going Down ★別ソース Disc 2(67:38) Live at Yokohama Arena, Yokohama, Japan 12th August 1989 01. Intro. 02. Savoy 03. Sling Shot 04. Day In The House 05. Big Block 06. Behind The Veil 07. Freeway Jam 08. Guitar Shop 09. Where Were You ★2:53-2:59(曲間)別ソースで補填メインソースに戻るタイミングで歓声が盛り上がるため、繋ぎが不自然に感じますが、元々の曲間がこういうもの 10. Stand Out It 11. Goodbye Pork Pie Hat 12. Blue Wind★5:45-6:01(曲間)別ソースで補填。但し別ソース自体にも曲間カットが1箇所あるのでそこは違和感なく補正 13. People Get Ready 14. Going Down(with Steve Lukather, Neal Schon & John Waite)★5:19以降別ソースで補填(アナウンスが収録された) Jeff Beck - Guitars Tony Hymas - Keyboards Terry Bozzio - Drums