伝説のテーパー、マイク・ミラードが驚きの超高音質オーディエンス・マスターをまたまた届けてくれました。今回はスティーブ・ウィンウッド1991年のコスタ・メサ。そう、ウィンウッドのコスタ・メサと言えば彼の人気絶頂期をウルトラ・クオリティでミラードが記録してくれた名盤『COSTA MESA 1988: MIKE MILLARD MASTER TAPES』の記憶も新しいところですが、今回91年の同会場でのライブまでミラードが録音してくれていたことが判明したのです。同年のウィンウッドは前年にリリースされたアルバム『REFUGEES OF THE HEART』を引っさげてのライブ活動という位置づけになるのですが、バカ売れした『ROLL WITH IT』に続くアルバムというタイミングが災いし、それの大ヒットにセールスが及ばなかった点ばかりが触れられた、言うなれば「負け戦」のような結果となってしまいました。こうした状況ゆえ、91年のステージを捉えた音源自体が極めて貴重な存在となってしまいます。もちろん3月に実現した一夜限りの日本公演のテレビ映像という決定的な存在がある訳ですが、そのせいで以降のライブ活動がすっかり見過ごされてしまったのも事実。となれば今回のミラード・マスターの発掘は快挙としか言いようがない。何故ならウィンウッドは先のアルバムをプロモートすべく、50本ものライブをこなして見せたのにもかかわらず、アルバムのセールス不振からツアーの音源というのが皆無に等しかったから。しかも日本公演を含む3月から4月にかけて南半球をまわったスケジュールは『REFUGEES OF THE HEART』ツアーのウォーミングアップ的な要素が強く、やはりウィンウッドからすれば5月からのアメリカ行程こそが本番という認識だったはず。実際ここで聞かれる5月のコスタ・メサのステージからはウィンウッドのやるきがひしひしと伝わってくる。でなければ『ROLL WITH IT』の時よりライブの本数を増やしたスケジュールにするはずがない。それに何と言っても抜群の音質。『COSTA MESA 1988: MIKE MILLARD MASTER TAPES』も素晴らしい録音でしたが、今回もまた安定のミラード・クオリティが炸裂。オンな音像と嫌味のない臨場感という絶妙なバランスは余裕でプレスCDレベル。結果的には惨敗となってしまった『REFUGEES OF THE HEART』のリリースでしたが、ここコスタ・メサでは未だ絶頂にあったウィンウッドに盛り上がりまくっている。「Another Deal Goes Down」から「In The Light Of Day」にかけての同アルバム収録曲を立て続けに演奏する場面でも反応は熱狂的ですし、ライブ映えも素晴らしいものがある。そこにスペンサー・デイヴィス時代やトラフィックのレパートリーを散りばめ、さらに80年代後半のロック・アルバムの象徴の一つでもあった『ROLL WITH IT』のナンバーを堂々と演奏する超一流のステージ・アクトであることを思い知らされます。名曲満載、もはやマニアだけでなく一般のリスナーでも楽しめてしまうウィンウッドの輝かしき絶頂ステージを捉えた驚きの初登場ミラード・マスター。Pacific Amphitheatre, Costa Mesa, CA, USA 10th May 1991 TRULY PERFECT SOUND Disc 1 (63:11) 1. I’m A Man 2. While You See A Chance 3. Hearts On Fire 4. Another Deal Goes Down 5. One And Only Man 6. In The Light Of Day 7. Valerie 8. The Low Spark Of High Heeled Boys 9. Glad 10. Feelin’ Alright? Disc 2 (45:23) 1. Medicated Goo 2. Split Decision 3. The Finer Things 4. Roll With It 5. Higher Love 6. Back In The High Life Again 7. Gimme Some Lovin’ Steve Winwood - Vocal, Keyboards Russ Kunkel - Drums Larry Byron - Guitar, Keyboards Randall Bramlett - Saxophone Michael Rhodes - Bass Luis Conte - Percussion