フュージョン・ブームで沸く1970年代ジャズ・シーンの影で、ストレートなジャズを聴きたがっていたファンの溜飲を下げた77年の“VSOP”に続き登場した、ロリンズ、タイナー、ロン、フォスターにより編成された超大型コンポ“マイルストーン・ジャズ・オールスターズ”による1978年10日ボストン公演が、ステレオ感ある高音質サウンドにて2時間半に渡り完全収録した2枚組が初登場!当時のジャズ界は全世界的にフュージョン一色で、ジャズ界を代表するハービー、チック、ショーター、トニー、ロリンズ、ジョーヘンら大御所までもが例に漏れずロックやブラックやラテン・ミュージックを融合したフュージョン・シーンの中で活躍していました。しかし1976年ニューヨークに於けるニューポート・ジャズ・フェスティバル特別企画“ハービーの音楽履歴を回顧する”ステージの中で、マイルスとフレディ・ハバードを置き換えたらまんま1960年代の“黄金のクインテット”復活によるパフォーマンスが行われ大評判となり、これを機にジャズ界はフュージョンから一気にメインストリームなストレート・ジャズへと原点回帰することとなる。そんななかで、テナーの巨人ロリンズのワン・ホーン、コルトレーン亡き後に自らの音楽に新境地を切り開いたマッコイ、新旧マイルス・グループの屋台骨を支えたロンとフォスターが一堂に介し結成されたスーパー・クァルテットがこの“マイルストーン・ジャズ・オールスターズ”でした。一期一会の名手達が織り成す本格的なジャズは、当時VSOP以上の話題を呼び、オフィシャル盤「イン・コンサート」としてもリリースされました。しかしオフィシャル盤は様々なコンサートから編集されたもので、やはり同一会場に於けるワン・コンサートを完全に収録した本作は聞き逃せません!特にオフィシャル盤では聴けない、この4人による最高の名演奏と断言したいコルトレーンの「インプレッションズ」は素晴らしすぎます。一点の曇りも迷いも皆無状態のロリンズの男気溢れる豪放なテナーの吹きっぷりや、マッコイの本領発揮な超絶ピアノ、いつでもどこでも最高のロンの重低音ベース、そしてマイルス75年の一時引退後燻っていたアルのシーン復帰の契機となったこの時のツアーは、エルヴィンやトニーなどの偉大なる先達に勝るとも劣らない凄まじいドラミングが熱すぎです!アコースティック・ジャズ・リバイバルがVSOPによって高らかに宣言された70年代後半、もうひつの“金字塔”の“マイルストーン・ジャズ・オールスターズ”の白熱したコラボレーションをお楽しみ下さい!