黄金の4人が揃い、母国アメリカでもアルバム・デビューを果たした1983年のDOKKEN。いよいよ本格始動した彼らの生演奏を脳みそに流し込むサウンドボード・アルバムが登場です。そんな本作に刻まれているのは「1983年12月28日サクラメント公演」。そのヴィンテージ・サウンドボード録音です。初期DOKKENと言えば、超極上の発掘プロショット『COMPLETE BEAT-CLUB 1982』が大定番となっておりますが、そこではまだフォアン・クルーシェがベースを弾いていました。良い機会でもありますので、黄金ラインナップの完成と本格始動の歩みを(ちょっと広めに)スケジュールで振り返ってみましょう。1982年・1月14日『COMPLETE BEAT-CLUB 1982』《5月『BREAKING THE CHAINS(英盤)』発売》1983年・5月17日ー29日:北米#1(3公演)《9月18日『BREAKING THE CHAINS(米盤)』発売》《10月:フォアン・クルーシェ離脱→ジェフ・ピルソン加入》・11月2日ー12日:北米#2(5公演)・11月25日:デイリーシティ公演・12月7日ー31日:北米#3a(14公演)←★ココ★ 1984年・1月6日ー2月26日:北米#3b(15公演)・3月25日:プロヴィデンス公演《9月7日『TOOTH AND NAIL』発売》・10月2日ー12月29日:北米#4(29公演)これが1982年ー1984年のDOKKEN。お馴染みなオリジナル盤『BREAKIN' THE CHAINS: ORIGINAL CARRERE DELUXE EDITION』は1981年でしたが、英盤は1982年、米盤は1983年リリースでした。そのデビュー直後にジェフ・ピルソンを迎えて陣容が完成させ、ツアーを開始。本作のサクラメント公演は、そのメインレッグ「北米#3」の12公演目にあたるコンサートでした。また、この「北米#3」からは公式盤『FROM CONCEPTION: LIVE 1981』も発掘されておりますが、本作とは別公演です(公式作はタイトルに「1981」とありますが、内容的に1983年12月が正解。ただし公演日・会場は確定されておらず、本作とはライヴ内容が異なります)。そんなショウを記録した本作は、脳みそダイレクトな直結系サウンドボード。公式作『FROM CONCEPTION』のようなマスター・サウンドというわけにはいかない一方、無加工な芯も丸出しな生々しいミックスが美味しい。実は90年代の伝説盤『SACRAMENTO IS BURNING』と同じ録音なのですが、本作はコピーやリマスター再発ではない。伝説的な録音家“Crazy S.”氏が所有していた別系統のアップグレード・マスターなのです。そのサウンドは、グッとクリアで安定感もバツグン。ヌケも格段に良く、サクラメント公演のベスト・マスターなのです。そんなサウンドで画かれるのは、激レア曲が満載のショウ。ここでは前年『COMPLETE BEAT-CLUB 1982』と比較しながらセットを整理しておきましょう。ブレーキング・ザ・チェインズ(6曲)・Paris Is Burning/Young Girls/In The Middle/Nightrider/Live To Rock/Breaking The Chains 未発表曲(2曲)・Goin' Down(★)/Hit And Run(★)※注;「★」印は『COMPLETE BEAT-CLUB 1982』で聴けなかった曲。……と、このようになっています。『BREAKING THE CHAINS』ナンバーは『COMPLETE BEAT-CLUB 1982』でも披露されていましたが、本作ではさらに新曲「Goin' Down」「Hit And Run」も披露している。結局は次作『TOOTH AND NAIL』にも収録されずに未発表に終わるわけですが、作曲面でも上り調子だったバンド・ポテンシャルは十分に感じられる佳曲だったりもします。さすがに「FROM CONCEPTIONも超越!」とまでは言えませんが、サクラメント公演サウンドボードの頂点は更新する新発掘マスターです。今では望めないレア曲もたっぷり演奏する初期ライヴを脳みそに流し込んでくれるサウンドボード・アルバム。「1983年12月28日サクラメント公演」のサウンドボード録音。以前から知られる名録音のアップグレード・マスターで、公式盤『FROM CONCEPTION』とは別公演。無加工な芯も丸出しな生々しいミックスが鮮烈で、既発群よりもグッとクリアでヌケも良く、安定感もバツグン。貴重な『BREAKING THE CHAINS』ナンバーや未発表曲「Goin' Down」「Hit And Run」も美味しい初期のショウを楽しめます。The Oasis, Sacramento, CA, USA 28th December 1983 SBD(from Original Masters)*UPGRADE (42:38) 1. Intro 2. Paris Is Burning 3. Goin' Down 4. Young Girls 5. In The Middle 6. Hit And Run 7. Nightrider 8. Guitar Solo 9. Live To Rock 10. Breaking The Chains Don Dokken - Vocals George Lynch - Guitar Jeff Pilson - Bass Mick Brown - Drums SOUNDBOARD RECORDING