本作に吹き込まれているのは、「1986年4月11日ニューカッスル公演」。そう、ACCEPTの前座を務めていたDOKKENのステージを完全収録した超絶級オーディエンス録音です。もちろん、本作もACCEPTと同じく、伝説名手「Crazy S.」氏の手による名作。同一録音家コレクションで、両雄が並び立った一夜を完全体験できるのです。ここでは視点を変え、DOKKENの活動概要から見直してみましょう。1985年《11月22日『UNDER LOCK AND KEY』発売》・11月30日ー12月5日:日本(5公演)1986年・1月8日ー2月16日:北米#1(21公演)・3月7日ー4月28日:欧州(39公演)←★ココ★・5月11日ー9月13日:北米#2(79公演)1987年・1月27日+2月10日:北米#3(2公演)これが『UNDER LOCK AND KEY』にまつわる活動の全体像。1985年には“TOOTH AND NAIL Tour”、1987年には“BACK FOR THE ATTACK Tour”も関わってくるわけですが、長くなるので省略しました。このツアーは伝説の初来日でスタートしたのですが、渡英したのもこの時が初。本作のニューカッスル公演は、そんな初英国の最終公演であり、「欧州」ツアー全体の28公演目にあたるコンサートでした。そんなショウを真空パックした本作は、まさにACCEPTの姉妹篇となる極上品。ACCEPT篇はオーディエンスというのが信じられない超タイト・サウンドでしたが、その旨みは本作でも全開。カミソリ・ギターもリズム隊もヴォーカルもコーラスも何から何までド密着で極太。さすがに公式スタジオ作品と間違えたりはしませんが、「FM放送してたから録っといたよ」と言われたらまったく疑わない。さすが歴史に名高い“Crazy S.”……と言いますか、名匠のコレクションでも最高傑作級の凄まじさ。1986年と言えば、作品数の面でもクオリティの面でも「Crazy S.の全盛期」と言われていますが、本作はまさにその音の証拠なのです。その超絶サウンドで画かれるのは、成功の階段を一足飛びに駆け上がっていたDOKKENの大熱演。ここで一気にカラフルになったセットもチェックしておきましょう。アンダー・ロック・アンド・キー(4曲)・Unchain The Night/It's Not Love/In My Dreams/Lightning Strikes Again(★)その他(4曲)・トゥース・アンド・ネイル:Tooth And Nail/When Heaven Comes Down/Into The Fire・ブレーキング・ザ・チェインズ:Breaking The Chains ※注:「★」印は80年代にしか演奏していない限定曲。……と、このようになっています。再編以降は演奏していない「Lightning Strikes Again」も美味しいですが、それ以上なのが濃度。約45分の持ち時間に、現在もお馴染みな名曲を凝縮した濃厚セットです。実のところ、こうしたベスト選曲が組めるようになったのが“UNDER LOCK AND KEY Tour”からでもありました。“BREAKING THE CHAINS Tour”は初期のレア曲まみれでしたし、“TOOTH AND NAIL Tour”では過去を忘れるように新曲偏重だった。このツアーになって初めて「各アルバムよりも濃厚な名曲選」が可能になったわけです。黄金時代の総括だったACCEPTと、本領を発揮し始めたばかりのDOKKEN。何という豪華なカップリング・ツアーだったのでしょう。本編プレスCDと本作は、そんな奇跡の英国ツアーを伝説名手サウンドでフル体験できてしまう究極セットなのです。メロディアス&ドラマティックなHR/HMを愛する方なら避けられない絶対の姉妹作。Live at Mayfair Ballroom, Newcastle, UK 11th April 1986 PERFECT SOUND(from Original Masters) (44:58) 1. Unchain The Night 2. Tooth & Nail 3. When Heaven Comes Down 4. It's Not Love 5. In My Dreams 6. Breakin' The Chains 7. Lightning Strikes Again 8. Into The Fire Don Dokken - Vocal George Lynch - Guitar Jeff Pilson - Bass Mick Brown - Drums