エリック・クラプトンの75年全米ツアー初日のタンパ公演を、ロー・ジェネレーションの完全別マスターから収録した2枚組CDでお届けします。この日の音源は既発盤がありますが、本盤に使用されたマスターは、レーベルが今回独自入手したロー・ジェネレーションのオリジナル・マスターです。この音源が日の目を見た当時には未収録だった、アンコールで演奏されたラスト3曲が収録されています。しかもこの部分は当ツアーでもレア曲だったドミノス・ナンバーKeep On Growingを含んでいるだけに、マニアは絶対はずせない完全収録マスターとなっています。しかも音質は、元々音質の良かったマスターに、定評をいただく高品質なマスタリングを施すことにより、さらにグレードアップが図られています。本盤の音質は明らかにクリアになっており、音の抜けが違います。快活なジェイミー・オールデイカーのドラムスが彼らしいサウンドで収められていることにもそれは顕著です。Bell Bottom Blues の0:10時点、Better Make It Through Todayの0:30時点、Badgeの1:29時点のテープスリップ、Knockin' On Heaven's Doorの4:58時点、Tell The Truthの5:49時点のテープチェンジによる欠落、Have You Ever Loved A Woman の3:14時点にあるノイズ、等マスターに起因する若干の欠点はあるものの、完全収録&音質グレードアップの本盤こそ、この日のステージの全貌を伝えるタイトルであると断言できます。当時のクラプトンはまだ飲酒癖が続いていた時期で、この日も初日の緊張を緩和しリラックスするためと思われる、ある程度の酔い具合が窺えます。演奏自体は全編を通して、初日からなかなかタイトなところを見せているのですが、Laylaの2番の歌詞、Bell Bottom Bluesの2番の歌詞を間違えているのが面白いところです。この日の2日後にマイアミのクライテリア・スタジオにてレコーディングを行なうKnockin' On Heaven's Doorを逸早く披露していたことにも注目です。このアレンジで初めてライブで試し、好感触を得てレコーディングに臨んだということでしょう。後半の聴かせどころとなったスローブルースでは、Mean Old Worldと. Have You Ever Loved A Womanのメドレーという、非常に珍しいパターンを聴くことができます。ここでのギタープレイの冴えもなかなかのものです。序盤には、2ヶ月前にリリースされたアルバム「There’s One In Every Crowd」からの名曲Better Make It Through Todayが取り上げられていて、ワウワウを踏みながらのプレイが味わい深いテイストを醸し出しています。この頃のクラプトンのステージには、初日ならではのサプライズがたくさん用意されていたことがお分かりいただけるでしょう。この時点ではまだカルロス・サンタナとの共演は実現しておらず、パーカッションのセルジオ・ロドリゲスも加入していませんが、記念すべきツアー初日を完全収録した本盤は聴きごたえたっぷりです。Live at Tampa Stadium, Tampa, Florida, USA 14th June 1975 TRULY AMAZING SOUND(from Original Masters) Disc 1 (54:29) 1. Opening 2. Layla 3. Bell Bottom Blues 4. I Shot The Sheriff 5. Better Make It Through Today 6. Badge 7. Can't Find My Way Home 8. Knockin' On Heaven's Door 9. Blues Power Disc 2 (58:29) 1. Teach Me To Be Your Woman 2. Motherless Children 3. Mean Old World 4. Have You Ever Loved A Woman 5. Mean Old World (reprise) 6. Tell The Truth 7. Little Wing 8. Mainline Florida 9. Keep On Growing Eric Clapton - Guitar, Vocals George Terry - Guitar Carl Radle - Bass Dick Sims - Keyboards Jamie Oldaker - Drums Yvonne Elliman - Backing Vocals Marcy Levy - Backing Vocals