公式アーカイヴも盛んなIRON MAIDENにおいて、フル・サウンドボードが存在しない秘境ツアー“NO PRAYER ON THE ROAD”。その最高峰を更新する新王者録音が新発掘。そんな本作に刻まれているのは「1990年11月3日ライデン公演(オランダ)」。その一部始終を捉えた超絶級オーディエンス録音です。公式/非公式を問わずフル・サウンドボードが存在しないとなれば、最重要になるのは「最長サウンドボード」と「最高音質オーディエンス」。当店では、その双方を探究しご紹介してきました。本作は後者の最高峰を更新する新王者アルバムなわけですが、それでは従来はどんな名作があり、本作はどれほど上回っているのか。それをご説明するためにも、まずは音源秘境ツアー“NO PRAYER ON THE ROAD”の概要から始めましょう。1990年・9月19日ー12月22日:欧州#1(57公演)←★ココ★ 1991年・1月13日ー3月19日:北米(43公演)・3月26日ー4月5日:日本(6公演)・6月29日:ROSKILDE FESTIVAL出演・9月5日ー21日:欧州#2(3公演)“NO PRAYER ON THE ROAD”最強のフル・ライヴアルバム これが1990年/1991年のIRON MAIDEN。活動的にはブルースのソロも密接に関わる時期なのですが、今回はメイデン本体に集中します。プレス名盤の数々は純粋にクオリティだけで決定盤となっているわけですが、偶然にもすべて序盤「欧州#1」の記録でもありました。ここで日程をさらにフォーカスし、それぞれのポジションを確認しておきましょう。「欧州#1」の詳細・9月19日ー30日(9公演)《10月1日『NO PRAYER FOR THE DYING』発売》・10月1日ー29日(18公演)*10月30日『DEFINITIVE PARIS 1990 2ND NIGHT』・11月1日+2日(2公演)*11月3日:ライデン公演 ←★本作★・11月5日ー12月15日(21公演)*12月17日/18日『NO PRAYER OVER WEMBLEY(SBD)』・12月20日:ヘンク公演*12月21日『DORTMUND 1990』・12月22日:フランクフルト公演 ※注;「*」印は名盤が記録されたショウ。……と、このようになっています。この他にもありますが、あくまで頂点的な名盤4タイトルのみをピックアップしてあります。『NO PRAYER OVER WEMBLEY』はサウンドボードですが、他3作『DEFINITIVE PARIS 1990 2ND NIGHT』『DORTMUND 1990』、それに本作がフル・オーディエンス。本作はオーディエンス録音の最高峰クオリティ更新盤であり、「サウンドボード代わり」を務めうるフル・ライヴアルバムなのです。これまでの最高峰『DORTMUND 1990』を体験された方なら「DORTMUND 1990もかなりサウンドボード的だったけど?」と思われるかも知れませんが、本作はさらにオンでド密着。『DORTMUND 1990』は今聴いても超極上ではあるのですが、極太な芯をホール鳴りがコーティングし、ダイナミズムを演出するタイプでした。それに対して本作は芯も丸出し。ヘッドフォンで耳を澄ませても鳴り成分が聴き取れず、ヴォーカルに至っては完全に耳元感覚。(時代的にあり得ないと分かっているものの)IEMs傍受のようにゴリゴリ・バッキバキの超ビビッド・サウンドなのです。しかも、本作はそんな衝撃録音をさらにブラッシュ・アップ。ネット原音のままで充分に強烈で欠点もなかったのですが、ゴージャスな『DORTMUND 1990』に比べると芯が丸出し過ぎ(苦笑)。そこで原音のスゴ味は最大限に活かしつつ、高音から重低音までの各音域を分析して調整。より高音のヌケが良く、重低音もハラに来るオフィシャル的なバランスを獲得しました。その結果、公式『REAL LIVE DEAD ONE』ばりの………いえ、ヴォーカルの聴きやすさではオフィシャル以上のサウンドを実現しているのです!レア曲の山盛りとケタ違いの絶唱が轟くフルショウ そんな超絶サウンドのサウンド画かれるのは、メイデン全史でも最大級と言われるレア曲の宝庫。前述のように、これまで“NO PRAYER ON THE ROAD”の基準と言えば、公式級サウンドボード・アルバム『NO PRAYER OVER WEMBLEY』でしたが、本作はそこでも聴けない名曲ばっちり。早速、比較しながらフルセットの凄みを実感してみましょう。ノー・プレイヤー・フォー・ザ・ダイイング(7曲)・Tailgunner/Public Enema Number One(*)/Holy Smoke(*)/The Assassin(*)/No Prayer For The Dying(*)/Hooks In You(*)/Bring Your Daughter To The Slaughter(★)クラシックス(12曲)・ディアノ時代:Wrathchild/Iron Maiden/Sanctuary(★)・魔力の刻印:Hallowed Be Thy Name/22 Acacia Avenue(★)/The Number Of The Beast/Run To The Hills・その他:Die With Your Boots On/The Trooper/2 Minutes To Midnight/Heaven Can Wait(★)/The Clairvoyant ※注:「★」印はサウンドボード・アルバム『NO PRAYER OVER WEMBLEY』で聴けなかった曲。「*」印は“NO PRAYER ON THE ROAD”でしか演奏していない限定曲。『NO PRAYER OVER WEMBLEY』より4曲多いわけですが、特に美味しいのが「22 Acacia Avenue」でしょう。ご存知のように“FEAR OF THE DARK Tour”からは公式ライヴ作が量産されたわけですが、「22 Acacia Avenue」は演奏されず結局「ブルース/ヤニック」時代にはサウンドボードが残されなかった。本作は、その「サウンドボード代わり」でもあるわけです。そして、やはり圧巻なのが『NO PRAYER FOR THE DYING』ナンバーの猛ラッシュ。7曲中5曲がこのツアーでしか演奏されていないレア曲であり、これほど限定曲だらけのツアー自体が貴重(最多は“A MATTER OF LIFE AND DEATH World Tour”の7曲ですが、あれはアルバム再現という特殊事情でした)。そしてそして、そんなフルショウを歌いきるブルースがスゴい。凄すぎる。ツアー全体を通して「BEAST ON THE ROAD時代のブルースが帰ってきた」と言われる好調ぶりだったわけですが、本作は輪をかけて凄い。『死霊復活』や『MAIDEN ENGLAND』では高音に苦しんでギャオギャオと誤魔化していた曲を難なく歌いきり、それどこから「まだまだイケるぜ?」と言わんばかりに伸ばしまくり、ヴィヴラートを加えまくる。とっくに耳タコなはずの「Die With Your Boots On」「Hallowed Be Thy Name」「Run To The Hills」も絶唱に改めて惚れ直す高揚感爆増バージョンなのです。お世辞にも人気作とは言えない『NO PRAYER FOR THE DYING』。さらにフル・サウンドボード/プロショットがないという事情が重なり、ツアー現場がもの凄かったという事実はあまり知られていません。本作は、その真価を教えてくれる(クオリティ/パフォーマンス両面の)最高峰更新盤なのです。オーディエンス録音もしっかり押さえるマニアだけが知るメイデン桃源郷。「1990年11月3日ライデン公演」の超絶級オーディエンス録音。「まるでサウンドボード」を地で行く超極太&ド密着な新発掘マスターで、さらに細心マスタリングでバランスも調整。『REAL LIVE DEAD ONE』ばりの………いえ、ヴォーカルも聴きやすく公式超えしたサウンドで激レアな“NO PRAYER ON THE ROAD”をフル体験できるツアーNo.1更新の新王者アルバムです。Groenoordhallen, Leiden, Netherlands 3rd November 1990 ULTIMATE SOUND Disc 1 (55:52) 1. Theme From 633 Squadron 2. Tailgunner 3. Public Enema Number One 4. Wrathchild 5. Die With Your Boots On 6. Hallowed Be Thy Name 7. 22 Acacia Avenue 8. Holy Smoke 9. The Assassin 10. No Prayer For The Dying 11. Hooks In You 12. The Clairvoyant Disc 2 (48:35) 1. 2 Minutes To Midnight 2. The Trooper 3. Heaven Can Wait 4. Iron Maiden 5. The Number Of The Beast 6. Bring Your Daughter To The Slaughter 7. Member Introduction 8. Run To The Hills 9. Sanctuary Bruce Dickinson - Vocals Steve Harris - Bass Dave Murray - Guitar Janick Gers - Guitar Nicko McBrain - Drums