ジョージ・ハリスン&エリック・クラプトン、91年12月6日広島公演の決定版完成!ジョージ・ハリスンとエリック・クラプトンの固い友情を証明したスーパーイベントとして、もはや日本の洋楽ロック史上の伝説となっている91年の「GEORGE HARRISON WITH ERIC CLAPTON AND HIS BANDジャパン・ツアー」。それだけにジョージ、クラプトンそれぞれのファンの注目度は当時からMAXであり、92年以降全公演のオーディエンスソースがリリースされてきました。玉石混合のクオリティにあって、中でも5公演目の広島公演の内容は、海外のコレクターから「ベスト」と称されるほどで、本ツアーの中で最もグルーブ感のある演奏が行われており、時折聴かれるラフなプレイも、地方会場のオーディエンスの異様な興奮度との相乗効果でアドバンテージにしてしまうステージが全編において展開されています。広島公演の音源につきましては、オリジナルの優良マスターから「OLD FRIENDS, OLD LOVE」 のタイトルでリリースし、好評をいただきました。今回、その大元となったマスターをかのGRAF ZEPPELINがリマスターし、よりグレードアップした広島公演の決定版としてリリースすることになりました!彼らから受け取ったリマスターバージョンをさらに若干イコライズし、位相修正を行ない、完璧なバージョンと致しました。広島公演を収録したタイトルでは、本作の右に出るものはないでしょう。クリアさ、サウンドバランス、迫力、そして演奏のクオリティ、4拍子揃った、名実共に広島公演の決定版が本作です!ジャパン・ツアー実現の裏に秘められた二人の友情!さてここで、このジャパン・ツアーが伝説と化した意味合いを当時のツアー・スケジュールから見ていきましょう。・1991年1月21日~29日:アイルランド、ダブリンのザ・ポイントにてツアー・リハーサル・1991年1月31日、2月2日:ザ・ポイントでのウォームアップ公演・1991年2月5日~3月9日:ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホールで24日間連続公演・1991年9月4日:ロサンゼルス、ロキシーでのバディ・ガイのギグに飛入り。・1991年9月26日:ハリウッド、ザ・パレスで収録されたネイザン・イーストがハウスバンド・リーダーを務めるコメディショウに出演。この模様は29日の日曜にFOXチャンネルで放映された。・1991年12月1日~12月17日:ジョージ・ハリスンのジャパン・ツアーを自らのバンドと全面バックアップ 12月1日:横浜アリーナ公演(追加公演)12月2日、3日:大阪城ホール公演 12月5日:名古屋国際見本市ホール公演 12月6日:広島サンプラザ公演 ←★本作★ 12月9日:福岡国際会館公演 12月10日、11日、12日:大阪城ホール公演 12月14日、15日、17日:東京ドーム公演 3月9日から9月までオフだったことがお分かりでしょう。クラプトンは、前年の「ジャーニーマン・ワールドツアー」と2年続いてこなしたハードなロイヤル・アルバート・ホール連続公演が終了すれば、完全休養に入り、4歳になった幼い息子コナー君との生活をエンジョイするつもりだったそうです。ところが、その矢先の3月20日、あの事件が起こってしまいました。そこからクラプトンは、ご本人の言葉を借りれば「石のように」なってしまいました。幼い息子を失ったショックから、誰とも接触せず、自宅に引き篭もる生活が続きました。キース・リチャーズ、エルトン・ジョンに混じり、ジョージ・ハリスンからもすぐにクラプトンを気遣い、慰める手紙が届けられました。クラプトンは友人ミュージシャンたちからの温かい言葉に励まされ、アルコール中毒匿名の会のミーティングに参加しながら、マネージャーのクルーザーで海に出るなど、何とか精神を正常に保ち続けました。そんな折、ジョージに会った際、クラプトンは前年にツアーで回った南米でファンにジョージの近況ばかりを尋ねられたと伝えたのです。ステージ復帰してもいいんじゃないか?というクラプトンの言葉をジョージは一笑に付し、この話を忘れることにしたのですが、ある日、ジョージははたと気づきました。「もし僕がツアー復帰するから手伝ってくれと言えば、エリックはその実行作業に追われ、あの辛い出来事から立ち直ってくれるのではないか?」そしてジョージはその気がなかったにもかかわらず、クラプトンにライブ復帰を伝え、協力を要請したのです。クラプトンはジョージの決断に驚いたものの、協力を惜しみませんでした。自らのバンドを招集し、ジョージのレパートリーからのセットリスト決定、パートの楽器分担とサード・ギタリストの人選、リハーサル会場の手配、スケジュールのすべてを取り仕切りました。そうしてクラプトンはジョージのライブ復帰の準備に忙殺され、傷心を紛らわすことができたのです。しかしリハーサル中もジョージは「やっぱり復帰はやめる」と何度も言い出したそうです。74年の全米ツアーでマスコミから叩かれたことがトラウマになっていたとのこと。本当はライブ復帰などしたくはなかったのです。そこでクラプトンは、温かく、そして真剣に音楽を聴いてくれる日本をツアー場所に推薦し、ジョージを納得させました。そして遂にジャパン・ツアーが実現したというわけです。クラプトンを立ち直らせるために、真意を悟られぬようにしながら気乗りのしないライブに身を投じたジョージ。せっかく決意したジョージのライブ復帰のために身を粉にして準備に奔走したクラプトン。このジャパン・ツアーは、言わばジョージとクラプトンの生涯に亘った友情を目の当たりに示してくれたものだったのです。前述のように、このツアーからは全公演の音源がリリースされていますが、時系列で聴いていくと、日を追うごとに緊張が解け、本来の調子を取り戻していくジョージの姿が分かります。それはこの前公演の名古屋で本来の軌道に乗り、広島で完璧なものとなりました。ツアー中、3公演目からセットリストは固定されましたが、クラプトンのアドリブにより、全公演での各曲の出来映えは異なりました。それがこのツアーの魅力でもありました。この広島でも全曲でクオリティの高い演奏が展開されていますが、中でもWhile My Guitar Gently Weepsにおけるクラプトンのハンドビブラートはヤバ過ぎます!オフィシャルライブ盤を超えるプレイがここにあります。これだけでも本作を聴いていただく価値はあります。もちろん他曲も素晴らしい演奏です。完璧なパフォーマンスを生んだ(?)隠れたエピソード 実は昨年明らかになった、この広島での信じがたいスキャンダラスなエピソードがあります。英ゴシップ誌にこのエピソードを公開(告白)したのは、前述のクラプトンの亡くなった息子コナー君の母であるイタリア人モデル、ロリ・デル・サントです。彼女によると、クラプトンはコナー君が亡くなった瞬間から、ロリに対する心のケアを一切してくれなかった、とのことです。それは葬儀の時も変わらず、葬儀が済むと、クラプトンはさっさと自分との縁を切ってしまった、と(実は、クラプトンの自伝では、浮気の末に別れようと決意した瞬間にロリから妊娠を告げられ、息子の認知はして父親らしく振舞ったものの、ロリを人生の伴侶とは考えていなかったとあります。だからそうした行動をとったとも考えられます)。それがロリには非常に腹立たしく、いつか復讐してやろうと考えていたところ、クラプトンがひとり立ち直り、ジョージとジャパン・ツアーをすると知り、一計を案じてジョージに連絡を取るに至りました。そしてジョージに会いに行くから、それをクラプトンに見せつけ、彼がどんな顔をするかを確かめて笑ってやりたいのよ、とジョージに告げたと言います。時には度の過ぎる悪戯を好んだジョージは、そのロリの提案を面白がり、彼女を呼び寄せたのでした。それが広島だったのです。ロリはジョージの泊まる高級ホテルにチェックインし、ジョージと時を過ごし、それに呆気にとられて驚くクラプトンの顔を見て、満足そうに帰って行ったそうです。ジョージには悪気のない、単なる悪戯でしたが、クラプトンとすればやり場のない怒りに囚われたのは当然のことです。この夜のステージでは怒りをプレイにぶつけるクラプトンがいました。彼はプレイに全力を注ぎ、自らの怒りの感情をプレイで発散したのです。だからこの広島公演のパフォーマンスのクオリティは高かったのでしょうか?それとも、それはうがった見方過ぎるでしょうか?そこは是非皆さんの耳でご判断いただきたいと思います。本作のこの高音質で聴くと、二人の厚き友情と、それと相反する複雑な感情が入り乱れたパフォーマンスが何かを訴えかけてくるでしょう。リマスター・メモ 大元マスターから最新のマスタリング 位相修正 音量と帯域の適度な調整がなされ、過去盤に比べ大きめで音圧の増した音像で鑑賞頂けます Live at Hiroshima Sunplaza, Hiroshima, Japan 6th December 1991 TRULY PERFECT SOUND*UPGRADE (from Original Masters) Disc 1 (73:09) 01. Introduction 02. I Want To Tell You 03. Old Brown Shoe 04. Taxman 05. Give Me Love 06. If I Needed Someone 07. Something 08. What Is Life 09. Dark Horse 10. Piggies 11. Pretending 12. Old Love 13. Badge 14. Wonderful Tonight Disc 2 (61:28) 01. Got My Mind Set On You 02. Cloud Nine 03. Here Comes The Sun 04. My Sweet Lord 05. All Those Years Ago 06. Cheer Down 07. Devil's Radio 08. Isn't It A Pity 09. While My Guitar Gently Weeps 10. Roll Over Beethoven George Harrison - guitar / vocals Eric Clapton - guitar / vocals Andy Fairweather Low - guitar Chuck Leavell - keyboards Greg Phillinganes - keyboards Nathan East - bass / vocals Steve Ferrone - drums Ray Cooper - percussion Katie Kissoon - backing vocals Tessa Niles - backing vocals