話題の最新ツアー“THE FUTURE PAST Tour”でも注目を集めている『SOMEWHERE IN TIME』時代。その当時の現場を体験できる新発掘マスターが登場です。そんな本作に吹き込まれているのは同会場の2公演。「1987年3月21日/22日トロント公演」のフル・オーディエンス録音セットです。“Somewhere on Tour”と言えば、オフィシャル作品のないミッシング・リンク。そのため、数々の傑作ライヴアルバムでアーカイヴでしてきました。まずは各レッグの代表作とも併せ、ツアー全景から振り返ってみましょう。1986年・9月10日ー25日:欧州#1(12公演)←※BELGRADE 1986《9月29日『SOMEWHERE IN TIME』発売》・10月3日ー11月9日:英国(27公演)←※LEICESTER 1986・11月12日ー12月18日:欧州#2(27公演)1987年・1月7日ー5月2日:北米(79公演)←★ココ★・5月11日ー21日:日本(7公演)←※BUDOKAN 1987 これが“Somewhere on Tour”の全体像。主戦場である欧州を1986年に、北米/日本といった海外遠征を1987年に配したシンプルな構成でした。一番公演数が多かったのは「北米」レッグであり、それを反映して名作ライヴアルバムも多数残されています。ここで「北米」の日程にフォーカスし、より詳細に見てみましょう。「北米」レッグの詳細・1月7日ー12日(5公演)*1月13日『PHILADELPHIA 1987 ORIGINAL MASTER』・1月16日ー3月7日(35公演)*3月8日『CAUGHT SOMEWHERE IN MILWAUKEE』・3月9日:マディソン公演*3月11日『CAUGHT SOMEWHERE IN CHICAGO』・3月13日+14日(2公演)*3月15日『BATTLE CREEK 1987』・3月17日ー19日(3公演)*3月21日:トロント公演 ←★本作DISC 1-2★*3月22日:トロント公演 ←★本作DISC 3-4★・3月24日ー5月2日(27公演)……と、このようになっています。プレス名盤3タイトルを始め、錚々たる名作が並んでいますが、本作のトロント2公演はそのどれよりも後期の51/52公演目にあたるコンサートでした。そんな2公演は、久々の新発掘マスターが話題。同会場なだけでなく同機材/同録音家コレクションによる連続録音で、双方とも大元マスター・カセットからダイレクトにデジタル化された銘品なのです。そんな本作は力強いが真っ直ぐに届くパワフル・サウンド。いかにもオーディエンスらしい鳴りを吸い込みつつ、そのド真ん中を貫く芯に突進力があり、グイグイと目の前に迫ってくる。さすがに同会場・同機材だけあって2公演を貫く統一感もあるものの、ポジションによる個性の違いもある。初日(DISC 1-2)はやや距離がある反面、高音から重低音までのバランスが良く、非常に聴きやすい。それに対して2日目(DISC 3-4)はステージ間近なのか、強力な演奏音が叩きつけるように襲いかかってくる。あまりにも強力なためにややビビリ気味だったりもするのですが、それもショウが進むにつれて少しずつ整っていきます。そして、そんな楽音を炙るように熱しているのが全盛期ならではの熱狂。2公演ともえらく盛り上がっており、まるで南米かのよう。ただ、それだけの熱狂でも聴きづらくならないから素晴らしい。初日(DISC 1-2)の演奏音にはその熱狂を包み込むような包容力があり、2日目(DISC 3-4)は極太な演奏は現場の熱狂を押しつぶすかのように強力なのです。そんなリアル&パワー・サウンドで画かれるのは、80年代でも貴重曲の宝庫だった“Somewhere on Tour”のフルショウ。本稿に目を留められた方にはお馴染みとは思いますが、ここでセットを整理しておきましょう。サムホエア・イン・タイム(4曲)・Caught Somewhere In Time(★)/Stranger In A Strange Land(★)/Wasted Years/Heaven Can Wait クラシックス(9曲)・鋼鉄の処女:Phantom Of The Opera/Iron Maiden/Running Free・魔力の刻印:Children Of The Damned/Hallowed Be Thy Name/The Number Of The Beast/Run To The Hills・パワースレイヴ:2 Minutes To Midnight/Rime Of The Ancient Mariner ※注:「★」印は公式作『死霊復活』『メイデン・イングランド』を合わせても聴けない曲。公式『死霊復活』『メイデン・イングランド』に挟まれ、公式作の残されなかった“Somewhere on Tour 1986/1987”。スティーヴ・ハリスによると「撮影したかったけどロッド・スモールウッドが許してくれなかった」そうで、未来永劫オフィシャル化が望めない全盛時代の穴場です。しかし、不運だっただからこそ、35年以上が経った現代でも新鮮に感じるのかも知れません。そんな特別なツアーを超リアル・サウンドで2公演丸ごとフル体験できる新発掘マスター。「1987年3月21日/22日トロント公演」の強力オーディエンス録音セット。同会場・同機材・同録音家コレクションによる連続録音で、双方とも大元マスター・カセットからデジタル化された銘品。初日(DISC 1-2)はバランスが良く、非常に聴きやすい種井サウンドで、2日目(DISC 3-4)はステージ間近なのか、強力な演奏音が叩きつけるように襲いかかってくるパワフル・サウンド。全盛時代ド真ん中でありつつ、公式作が無いために未だに新鮮に味わえる“SOMEWHERE ON TOUR”を2公演丸ごと通し体験できます。Maple Leaf Gardens, Toronto, ON, Canada 21st & 22nd March 1987 TRULY AMAZING SOUND(from Original Masters) Maple Leaf Gardens, Toronto, ON, Canada 21st March 1987 Disc 1 (60:42) 1. Blade Runner (End Titles) 2. Caught Somewhere in Time 3. 2 Minutes to Midnight 4. Children of the Damned 5. Stranger in a Strange Land 6. Wasted Years 7. Rime of the Ancient Mariner 8. Walking on Glass 9. Heaven Can Wait Disc 2 (36:35) 1. Phantom of the Opera 2. Hallowed Be Thy Name 3. Iron Maiden 4. The Number of the Beast 5. Run to the Hills 6. Running Free Maple Leaf Gardens, Toronto, ON, Canada 22nd March 1987 Disc 3 (60:08) 1. Blade Runner (End Titles) 2. Caught Somewhere in Time 3. 2 Minutes to Midnight 4. Children of the Damned 5. Stranger in a Strange Land 6. Wasted Years 7. Rime of the Ancient Mariner 8. Walking on Glass 9. Heaven Can Wait Disc 4 (36:49) 1. Phantom of the Opera 2. Hallowed Be Thy Name 3. Iron Maiden 4. The Number of the Beast 5. Run to the Hills 6. Running Free Bruce Dickinson - Vocals Steve Harris - Bass Dave Murray - Guitar Adrian Smith - Guitar Nicko McBrain - Drums