これでエリック・クラプトンは遂にライブ・キャリアに終止符を打ったのではないかと噂されるこの9月のLA4連続公演。このたび、全公演の良好なステレオ・オーディエンスソースがネット上にアップされました。アップしたのは、すべて同じ人物。Schoeps MK4という上級高性能マイク&ソニーM-10レコーダーを使用し、4公演ともほぼ同じ好ポジションで録音した良質なマスターです。今回は「LA FORUM 2017Volume 1/Volume 2」として、それぞれ4枚組でリリース致します。その解説に入る前に、ここで改めて今年のクラプトンの活動をおさらいし、この公演がどういう位置づけになっていたかを見てみましょう(リリース済みタイトルも付記します)。・2017年3月19日、20日:ニューヨーク、マジソン・スクエア・ガーデンでコンサート(当店リリースタイトル「MSG 2017: Complete 2 Nights」「MSG 2017 2nd Night」)・2017年3月25日、26日:ロサンゼルス、フォーラムでのコンサートが予定されていたが、急性気管支炎のためキャンセル。9月13日、18日に繰り延べされた。・2017年5月22日、24日、25日:ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホールでコンサート(当店リリースタイトル「Royal Albert Hall 2017 1st Night」「Royal Albert Hall 2017 Day 1: Upgrade」「Royal Albert Hall 2017 Day 2」「Royal Albert Hall 2017 Day 3」「Live at Royal Albert Hall 2017 Final Night」)・2017年9月7日、8日:ニューヨーク、マジソン・スクエア・ガーデンでコンサート(当店リリースタイトル「Madison Square Garden 2017 Original Master」「Madison Square Garden 2017 Remaster」・2017年9月13日、15日:ロサンゼルス、フォーラムでのコンサート(L.A. FORUM 2017 Volume 1) ←★ココ★・2017年9月16日、18日:ロサンゼルス、フォーラムでのコンサート(L.A. FORUM 2017 Volume 2」)ニューヨーク、ロンドン、ロサンゼルス、世界3ヶ所だけで実施した特別なコンサートだったことがお判りいただけるでしょう。それだけに世界中のクラプトンファンが高いチケット代にもかかわらず、ここぞとばかりに資金を注ぎ込み、3都市のどこかに駆けつけるという状況でした。各公演からは、ネット上のアップロードファイルをはじめ、数々の優良な音源がもたらされ、当店もオリジナルマスターを含み、リアルタイムで追いかけご満足いただけるクオリティでリリースしてきました。そしてここにLAでの最終4公演の音源がネット上にアップされたというわけです。アップしたのは、すべて同じ人物。Schoeps MK4という上級高性能マイク&ソニーM-10レコーダーを使用し、4公演ともほぼ同じ好ポジションで録音した良質なマスターでした。ただネットの音源そのままではなく、原音の問題点であった低音域を緩和してサウンドバランスを最良にし、曲間で散見された音圧ズレは完全に修正しました。これにより、ネットそのままのマスターからは格段に聴きやすいものとなったと断言できます。このアップグレードマスターで聴くLA4公演の前半2公演をパックしたのが本盤です(後半2公演は「Volume 2」として同時リリース)。既に2日目公演はCDRタイトル「L.A. FORUM 2017 2nd Night」としてリリース済みで、そこでの磐石のパフォーマンスはファンの方ならご存知のことと思いますが、さすがクラプトンです。初日は初日なりの聴きどころを熱演で届けてくれました。初日はいきなりオープニングのSomebody Knockingで切れ味鋭いソロを決めています。そしてこの日の I Shot The Sheriffでのソロが素晴らしい!超絶速弾きは炸裂しないものの、非常にエモーショナルで歌心溢れるフレージングは、54年に渡るキャリアの集大成と言ってもよいものです。これほど感情の起伏に満ちたロングソロを弾けるギタリストはそうそういないでしょう。彼の心の中には、このLA公演に賭ける、秘めた思いがあったと思わざるを得ません。2日目公演でもオープニングのSomebody Knockingでのソロは切れています。この日の I Shot The Sheriffのソロ終盤は大胆なコード弾きでフレーズを作り上げます。それよりも素晴らしいのは、前曲Hoochie Coochie Manでのソロです。この曲で聴かれるキレキレのソロ、これは是非聴いていただきたいプレイです。今回の公演では、新たにセットに組まれたWhite Roomを含め、「A Celebration Of 50 Years Of Music」と題された公演に相応しく、クリーム時代のナンバーから70年代のソロ作品、90年代の「アンプラグド」ナンバー、そして近作からのナンバーと絶対はずすことのないオールド・ブルースカバーまでを網羅した、これぞクラプトンの歴史と言える内容になっていました。アンコールには、3月の公演と同様、盟友ギタリスト、ジミー・ヴォーンと売り出し中の若手黒人ギタリスト、ゲイリー・クラーク・ジュニアがお祝いに駆けつけ、全4公演で飛入り参加しています。ソロの順は、ゲイリー・クラーク・ジュニア、ジミー・ヴォーン、歌を挟んでクラプトンです。それぞれに味のある個性的なソロを披露していますが、最も流麗に決めているのは誰あろう、クラプトンなのです。本当にこれでツアー引退なのか?まだまだこんな切れ味鋭いプレイを聴かせてほしい。そんなファンの思いもはちきれる「最終章」のクラプトンをどうぞ本盤でご堪能ください。The Forum, Inglewood, CA. USA 13th & 15th September 2017 TRULY PERFECT SOUND Live at the Forum, Inglewood, CA. USA 13th September 2017 Disc 1 (56:32) 1. Intro. 2. Somebody Knocking 3. Key To The Highway 4. Hoochie Coochie Man 5. I Shot The Sheriff 6. Driftin' Blues 7. Lay Down Sally 8. Nobody Knows You When You're Down And Out 9. Layla 10. Tears In Heaven Disc 2 (43:15) 1. White Room 2. Wonderful Tonight 3. Crossroads 4. Little Queen Of Spades 5. Cocaine 6. Before You Accuse Me (with Jimmie Vaughan and Gary Clark Jr.) Live at the Forum, Inglewood, CA. USA 15th September 2017 Disc 3 (53:34) 1. Intro. 2. Somebody Knocking 3. Key To The Highway 4. Hoochie Coochie Man 5. I Shot The Sheriff 6. Driftin' Blues 7. Nobody Knows You When You're Down And Out 8. Lay Down Sally 9. Layla 10. Tears In Heaven Disc 4 (41:23) 1. White Room 2. Wonderful Tonight 3. Crossroads 4. Lituitle Queen Of Spades 5. Cocaine 6. Before You Accuse Me (with Jimmie Vaughan and Gary Clark Jr.)