昨年『SYDNEY 1973 1ST NIGHT SOUNDBOARD』と『SYDNEY 1973 1ST NIGHT』の二タイトルで一気にアップグレードを果たしたローリング・ストーンズの1973年シドニー公演初日。特にサウンドボードの陰に隠れがちだった同日のオーディエンス録音の見事なアッパー版として後者のリリースは文字通りマニアを唸らせる結果となってベストセラーに。これらのリリース時に申しましたように、この日はサウンドボードの決定的存在がある一方でオーディエンス録音が二種類も存在する。それらの内「Recorder 1」のマスター・バージョンをリリースしたのが『SYDNEY 1973 1ST NIGHT』でしたが、元になった音源がWaz From Ozによって公開された際に「ちなみに「Recorder 2」のマスターは来年公開します」と予告されていたのですが、遂にその時がやってまいりました。マニアからすれば「Recorder 1」以上に魅力的な録音状態であったことから、その登場を心待ちにしていた人が多かったのではないでしょうか。何と言っても「Recorder 2」の魅力は音像の近さ。もちろん『SYDNEY 1973 1ST NIGHT SOUNDBOARD』のダイレクトさの比ではないものの、それでも1973年のモノラル・オーディエンス録音としては間違いなく上位に入るクオリティであり、オーディエンス好きマニアなどにはサウンドボードがあってもなお魅力的かつ楽しめる音源の典型かと。ところが「Recorder 2」の存在を明らかにしてくれた古のリリースは音源の魅力をフルに活かしたとは言い難いものがあった。その懐かしのリリースはVIP DISHED JOINTだったのですが、絵に描いたようなジェネ落ちカセット感のある状態。おまけに前後してサウンドボードが登場したものだから、マニアにすら相手にされなかった悲運のリリースとなってしまいます。今でこそ同日の別音源というのは資料としての側面から評価されますが、それがリリースされた1995年にはまるで理解されなかった。よって完全に見過ごされてしまった音源となってしまったのですが、奇しくも似たような時期にリリースされた二種類のオーディエンス録音はサウンドボードを前に割を食ってしまった訳で、Waz From Ozがまずは「Recorder 1」のマスターから先に公開したというのも合点がいく。実際、昨年の「Recorder 1」マスターは過去にリリースされたアイテムなどまるで問題にしない見事な状態だったのですが、今回のアッパー感ときたら。もはや『VIP DISHED JOINT』(以下“既発盤”と称します)のリリース自体が30年近く前ですので、それを聞いたことがない方が多くなってしまったかもしれませんが、それをお持ちのマニアが聞き比べたら腰を抜かすレベル。「Recorder 2」が既発盤では「音が近いけど、まあ73年の録音ならこんなものか」と感じていたであろう音質が「コレは凄くイイ!」とマニアに実感してもらえるでしょう。もちろん音が近い分、演奏が飽和してしまうような個所も少なくなく(Waz From Oz曰く一年前に見たZEPシドニー公演より出音が大きかったと)なおかつライブ序盤ではそれが目立つ印象ですが、むしろ迫力に映るほど。そもそも既発盤ではジェネ落ちによって音質自体がこもってしまいましたが、さすがは今回のマスター、一皮どころか二皮はむけた(聞き方によっては三皮ぐらいも)クリアーなアッパー感も圧倒的。おまけにジェネを重ねる内に生じてしまったと推測される微妙な音ヨレもなくなっていよいよ聞きやすい。当然ピッチは正確。そうなると「Rock Off」のイントロなどは実に荒々しくて生々しい質感がマシマシで、もし当日の会場に居たらこんな音が会場に鳴り響いていたのではないか?と妄想させてくれそうなレベル。また「Recorder 1」ではこの曲や「Love In Vain」などで怒号が飛び交っていた訳ですが、幸いなことにそれらが後ろから聞こえるようなバランスも「Recorder 2」のアドバンテージ。基本的な音像の近さから容易に想像が付くかと思われますが、こちらは明らかに「Recorder 1」よりも前のポジションで録音された模様。既に直近で二タイトルもリリースされた公演ですので、今回は演奏内容よりも音質面ばかりをクローズアップした紹介文となってしまいましたが、それもこれも飛躍的な音質の向上を遂げた今回のアッパー感を伝えたいからこそ。もちろんサウンドボードが存在する以上、今回も基本的にはマニア向けな音源であるのは事実ですが、それでもマニアならこのアッパー感に興奮してもらえること間違いなし。そして日曜にネット上にてマスターカセットからの音源が公開されたばかりですが、このタイミングでリリースが告知できたことからも解るように、今回はネットを経由せずに独自ルートでマスターからのコピーを入手!ネットを経由せずに独自ルートでマスターからのコピーを入手した上でのリリースを実現!昨年リリースの『SYDNEY 1973 1ST NIGHT』(Recorder 1)より圧倒的に音が近く、クリアーでダイレクト!!これは必聴!!with "Colour Cover"(Standard Sleeve) Royal Randwick Racecourse, Sydney, Australia 26th February 1973 Master Cassette Upgrade From Waz From Oz Archives (76:37) 1. 2000 Light Years From Home Intro 2. Brown Sugar 3. Bitch 4. Rocks Off 5. Gimme Shelter 6. Happy 7. Tumbling Dice 8. Love In Vain 9. Sweet Virginia ★4:01 - 4:07 既発『SYDNEY 1973 1ST NIGHT』(Recorder 1)をイコライズして補填 10. You Can't Always Get Want You Want 11. Honky Tonk Women 12. All Down The Line 13. Midnight Rambler 14. Band Introductions 15. Little Queenie ★3:23 - 3:28 既発『SYDNEY 1973 1ST NIGHT』(Recorder 1)をイコライズして補填 16. Rip This Joint 17. Jumping Jack Flash 18. Street Fighting Man 19. Land Of Hope And Glory with Fireworks