アナログ時代から知る人ぞ知る秘宝ライヴアルバムがアップグレード。「GRAFZEPPELIN」による最高峰更新サウンドを2CDでリリース決定です。そんな本作に吹き込まれているのは「1972年11月15日ベーブリンゲン公演」。現存する4種のオーディエンス録音を駆使して再現されたフル・ライヴアルバムです。『狂気』が生まれ育った1972年ツアーは、ロック史においても最重要。当店でも可能な限りの名作群でアーカイヴしております。まずは、そのコレクションと共に当時の活動概要を俯瞰し、本作のポジションを確認していきましょう。・1月20日ー2月20日:英国#1(16公演)←※BRIGHTON JANUARY 1972他・3月6日ー13日:日本/豪州(10公演)←※SAPPORO 1972他・3月29日+30日:マンチェスター(2公演)《4月6日『雲の影』完成》・4月14日ー5月4日:北米#1(18公演)←※DEFINITIVE CHICAGO 1972他・5月18日ー22日:欧州#1(4公演)《5月31日『狂気』録音開始》・6月28日+29日:英国#2(5公演)←※BRIGHTON 28TH JUNE 1972・9月8日ー30日:北米#2(17公演)←※HOLLYWOOD BOWL 1972他・10月20日ー22日:英国#3(3公演)←※WEMBLEY 1972 2ND NIGHT・11月10日ー12月10日:欧州#2(24公演)←★ココ★※注:各レッグとも代表作のみ。これが1972年のPINK FLOYD。日本公演を含めた大規模なワールド・ツアーが組まれたわけですが、本作のベーブリンゲン公演は、その最終盤である「欧州#2」の一幕でした。このレッグは名録音の宝庫でもある。さらに日程をフォーカスし、コレクションを整理してみましょう。欧州#2の詳細*11月10日『COPENHAGEN 1972』・11月11日:コペンハーゲン公演*11月12日『IN LIGHT AND SOUND(ハンブルク)』*11月14日『DUSSELDORF 1972』*11月15日:ベーブリンゲン公演 ←★本作★・11月16日ー12月4日(13公演)*12月5日『DEFINITIVE BRUSSELS 1972』・12月6日ー8日(3公演)*12月9日『ZURICH 1972』他*12月10日『LYON REEL』ベーブリンゲン公演は「欧州#2」の5公演目であり、プレス名盤『DUSSELDORF 1972(Sigma 105)』の翌日にあたるコンサートでもありました。このショウは「Echoes」を「Looking Through The Knotholes In Granny's Wooden Leg(お婆さんの木の脚の節穴を覗く)」なる珍タイトルで紹介したことでも有名で、カセットテープ・トレードの時代には、リスト上のその曲目から「もしかして未発表曲!?」と一部の好事家を騒がせた事でも伝説的。本作は、その伝説録音を含め4種のオーディエンス録音を駆使しています。ここで、その4収録音と本作の構成を確認しておきましょう。Recorder 1通称「Marbal音源」と呼ばれる最高音質のステレオ録音。残念ながら「ユージン」「エコーズ」「吹けよ風」の3曲のみですが、今回Disc2で大々的に採用。Recorder 2Ganja盤でも有名な高音質ステレオ録音。本作のメイン音源で、主に「狂気」パートと「太陽賛歌」で採用。Recorder 3DISC 1補完に採用されたモノラル録音。元音源は「狂気」パートと「太陽賛歌」だけながら唯一開演パートを記録している。Recorder 4DISC 2補完に採用されたモノラル音源。元音源は「Time」途中からショウ後半を収録。本作の構成★DISC 1・狂気(メインRec 2+補完Rec 3)★DISC 2・ユージン(メインRec 1+補完Rec 4)・エコーズ(メインRec 1+補完Rec 4)・吹けよ風(メインRec 1+補完Rec 4)・太陽賛歌(メインRec 2+補完Rec 4)……と、このようになっています。ポイントなのは最高音質で知られる「Recorder 1」と、それに準ずる「Recorder 2」。本作はこの2録音を最大限に活用しつつ、最長・最高峰クオリティのフル・ライヴアルバムに仕上げているのです。熱心なコレクターの方なら「Rec 1×Rec 2」のマトリクス処理された既発『BOBLINGEN 1972: STEREO MATRIX EDITION』をご記憶かも知れません。マトリクス盤は独特な立体感覚が生み出されて非常に面白いアルバムでもあったのですが、本作はコンセプトはそうではなく「現場音の再現」。マトリクス処理はあえて行わず、ソース音源を磨き込む方向で最高峰を目指しました。そこで活きてきたのが「GRAF ZEPPELIN」による偏執的な細密マスタリング。既発は一切使用せず、4種の録音を元ソースに立ち返って磨き込み、再度組み直されています。その精度は明らかで各音源の接続もより一層スムースになり、収録時間も(曲間ながら)1分半ほど長くなって過去最長を更新しました。それ以上に重要なのがサウンド・クオリティ。マトリクス盤では避けがたかったヒス・ノイズが大幅に軽減されていますし、特に大きく改善したのはメイン音源である「Recorder 2」。既発ではソース自体の定位がかなり右チェンネルに偏っていたのですが、本作ではほぼセンターに改善。単なる高音質化ではなく、音楽作品としての完成度も高めているのです。「まるでサウンドボード」とも呼ばれたオンで極太な「Recorder 1」と「Recorder 2」。その可能性を最大限に引き出し、さらに「Recorder 3/4」も駆使して最長・最高峰クオリティを更新した新名盤です。変化球サウンドの面白さを狙った『STEREO MATRIX EDITION』とは異なり、どストレートな王道マスタリングで攻め抜いた正調フル・ライヴアルバム。「1972年11月15日ベーブリンゲン公演」のオーディエンス録音。現存する4種のオーディエンス録音を駆使して再現されたフル・ライヴアルバムです。似たコンセプトの既発もありましたが、本作は「GRAF ZEPPELIN」マスタリングで元ソースの可能性を最大限に引き出しつつ、最長・最高峰クオリティを更新。ヒス・ノイズが大幅に軽減されていますし、大きく右チェンネルに偏っていたメイン録音もセンターに改善。単なる高音質化ではなく、音楽作品としての完成度も突き詰めた新名盤です。 リマスター・メモ★「Echoes」を「Looking Through the Knotholes in Granny's Wooden Leg」と紹介することで有名なライブ★前回盤の転用は一切せず、改めて全編新規マスタリング。メイン音源は高音質のRec1とRec2をフル活用。ザックリ下記の使い分け。Disc1(「狂気」)・・・Rec2 Disc2(ユージン、エコーズ、吹けよ風)・・・Rec1 Disc2太陽賛歌・・・Rec2 上記メインソースに、欠落パートをRec3、Rec4で補填 音源整理 Rec1・・ステレオAud。Marbal音源。音が近く鮮烈で肉厚感のあるサウンドが魅力。 間違いなくベスト音源ですが、あいにくユージン、エコーズ、吹けよ風の3曲のみ。 今回のDisc2でこれら3曲を大々的に採用。 Rec2・・ステレオAud。'00頃登場した2CD「Great Gig In Boblingen」(GANJA-011/2)が代表盤で、今回のRec2もこの盤がベースとなっている。 今回は「狂気」パートと太陽賛歌のメイン音源 Rec3・・モノラルAud。「狂気」パート全てと、太陽賛歌のみの収録だが、「狂気」出だしを唯一捉えた重要音源 Rec4・・モノラルAud。Time途中から収録。ユージン出だし、太陽賛歌前の長い曲間などを唯一収録した重要音源 ★Disc1でメインに使用されるRec2は既発盤で右端に大きく偏った音像定位を初めてセンターへ概ね補正。 これにより印象もグッとアップ。サブソースのモノ音源とのスリ付けもスムーズに。 また、前回盤で盛大だったヒスノイズも的確な帯域調整がなされ、バランス重視のマスタリング。 ★Disc2は、前回盤はネットのマトリクスバージョンでしたが、今回盤はシンプルに高音質のRec1(Marbal音源)をメインに構成。 Rec1未収の太陽賛歌はRec2で。欠落部は可能な範囲でRec2、Rec4をフル活用。前回盤で未補填の「吹けよ風」演奏後の曲間はRec4から初収録。これで既発よりも1分半ほど長くなりました。Disc2も無理矢理高域を持ち上げることなく、バランス重視のマスタリング。 マトリクスではなくスッピンで聴けるRec1音源は肉厚感が凄まじい。Live at Sporthalle, Boeblingen, West Germany 15th November 1972 TRULY PERFECT SOUND(UPGRADE)) Disc 1 (50:47) ★メインソースRec2 THE DARK SIDE OF THE MOON 1. Speak To Me ★0:00-0:59Rec3で補填 2. Breathe 3. On The Run ★0:40-0:45Rec3で補填 4. Time 5. Breathe (Reprise) 6. The Great Gig In The Sky 7. Money 8. Us And Them 9. Any Colour You Like 10. Brain Damage 11. Eclipse Disc 2 (67:15) ★メインソースRec1 1. Careful With That Axe, Eugene ★0:00-0:10Rec4 / 14:45-15:37(演奏後曲間)Rec2で補填 2. Echoes ★26:02以降(演奏後曲間)Rec4で補填 3. One Of These Days ★9:35以降(演奏後曲間)Rec4で補填 4. Set The Controls For The Heart Of The Sun★Rec2がメイン音源 ★0:00-0:04Rec4で補填 / 13:55以降(演奏後)Rec4で補填