絶大なカルト人気を誇るイアン・ギラン時代のBLACK SABBATH。その現場を味わえるだけでなく、音源史の常識もひっくり返す新名盤が登場です。そんな本作に吹き込まれているのは、2連続公演の特級オーディエンス録音。「1983年9月27日ノインキルヒェン・アム・ブラント公演」をDISC 1-2に、「翌9月28日ベーブリンゲン公演」をDISC 3-4に配した4枚組です。熱心なコレクター諸兄なら「1983年ベーブリンゲン」にピンと来るかも知れません。そう、極上級サウンドボードが残され(新名盤『DEFINITIVE PARIS 1983: SOUNDBOARD』でお楽しみ頂けます)、極上級のフル・オーディエンス録音でも知られてきた。本作もその関連ではありつつ、これまでとは異なる最高峰セットなのです。詳しくご説明するためにも、まずはショウのポジション。ツアー全景は新名盤『DEFINITIVE PARIS 1983』の解説に譲り、ここでは「欧州」レッグに焦点を絞り込んで関連タイトルを整理してみましょう。欧州#1・8月18日ー28日(7公演)←※公式レディング他 欧州#2・9月13日ー25日(9公演)*9月27日:ノインキルヒェン・アム・ブラント公演 ←★本作★*9月28日:ベーブリンゲン公演 ←★本作★*9月30日『DEFINITIVE PARIS 1983(SBD)』・10月1日ー3日(3公演)……と、このようになっています。『DEFINITIVE PARIS 1983』メインのパリ公演サウンドボードは本作の次のショウであり、ベーブリンゲン公演サウンドボードはボーナス収録。本作と『DEFINITIVE PARIS 1983』は3連続公演の集中記録というわけです。DISC 1-2「本当は別公演だった」名録音のアップグレード版 さて、本題はココから。本作のノインキルヒェン・アム・ブラント公演(DISC 1-2)は、かつて「ベーブリンゲン録音」と思われていたもの。これまでベーブリンゲンは「AUDとSBDで演奏が違う」というナゾがあったのですが、何のことはない。オーディエンス録音の方は別日で「本当はノインキルヒェン・アム・ブラント公演」だったのです(ちなみに地名を「ノインキルヒェン」としている資料もありますが、ノインキルヒェン・アム・ブラントとはまったく別の地域です)。本作DISC 1-2も同じ録音ではありますが、従来よりもナチュラルな最高峰盤。既発でもツアーNo.1決定戦の有力候補となってきた名録音なのですが、流通の過程でデジタル圧縮されていたり、野暮な音圧稼ぎで歪んでいたり。実に惜しい!名録音だったのです。ところが、本作はそうした経緯を一切経ていない。大元マスターの確証がないためにご紹介とはなりますが、元々クリアさで絶賛されてきた名録音の本来のサウンドを封じ込めている。ツアー全体の最高傑作オーディエンスと言えば名盤『CHICAGO 1983: DEFINITIVE EDITION』が超えられない壁として立ち塞がっていますが、「欧州#2」のNo.1はこのDISC 1-2となるでしょう。DISC 3-4「真のベーブリンゲン公演」を伝える新発掘録音 続くDISC 3-4は、ナゾを明らかにした新発掘マスター。前述のサウンドボード・テイクとも演奏が一致する「今度こそ本当にベーブリンゲン」と話題のフル・オーディエンス録音です。そして、そのサウンドがまた素晴らしい。超クリアなノインキルヒェン・アム・ブラント録音(DISC 1-2)と比べると熱狂も正直に吸い込んだワイルド・サウンドではありますが、その分ぶっとい芯がグイグイと突進して来るド迫力が強力。しかも、原音では半音近く狂っていたピッチも正確に整えた最高峰バージョンで収録しました。そんな2音源で味わえるのは、サウンドボードでは窺い知れないギラン時代のフルショウ。ここでそのセットも整理しておきましょう。悪魔の落とし子(5曲+α)・Hot Line/Born Again(★★)/Disturbing The Priest(★)/Zero The Hero/Digital Bitch クラシックス(9曲+α)・オジー時代:Children Of The Grave/War Pigs/Supernaut(★)/Rock 'N' Roll Doctor(★)/Iron Man/Black Sabbath/Paranoid・その他:Heaven And Hell/Smoke On The Water ※注:「★」印はサウンドボード最高傑作『CAPTURED LIVE 1983: PRE-FM MASTER 』で聴けなかった曲。特に「★★」印はサウンドボード時代が存在しない曲。「欧州#2」はロニー時代の「Heaven And Hell」が取り上げられた一方、まだレア名曲「Born Again」も演奏しているのがポイント。特に「Born Again」はサウンドボードが存在せず、オーディエンス録音の最高傑作『CHICAGO 1983: DEFINITIVE EDITION(Zodiac 517)』では演奏すらしていない。本作(の特にDISC 1)は、そんな貴重曲のベスト・テイク候補でもあるのです。コレクター諸兄のためにややマニアックな話もしてしまいましたが、本作は「細けーことはヌキ!」派にも必携。極上級名録音のアップグレード・マスターと、初登場の新発掘録音という美味しい4枚組なのです。追及しても面白く、無心に浸ってもカッコ良い新名盤。「1983年9月27日ノインキルヒェン・アム・ブラント公演/9月28日ベーブリンゲン公演」をセットしたオーディエンス録音4枚組。ノインキルヒェン・アム・ブラント録音(DISC 1-2)は従来ベーブリンゲンと誤解されていた名録音で、極めてクリアなアップグレード・マスター。代わってのDISC 3-4は「真のベーブリンゲン録音」と話題の新発掘マスター。レア曲「Born Again」も美味しい2公演をフル体験できる決定盤です。Hemmerleinhalle, Neunkirchen am Brand, Germany 27th September 1983 PERFECT SOUND Sporthalle, Boblingen, Germany 28th September 1983 TRULY AMAZING SOUND Hemmerleinhalle, Neunkirchen am Brand, Germany 27th September 1983 Disc 1 (44:09) 1. Supertza 2. Children Of The Grave 3. Hot Line 4. War Pigs 5. Born Again 6. Supernaut 7. Drum Solo 8. Rock 'N' Roll Doctor 9. Disturbing The Priest Disc 2 (50:27) 1. Iron Man 2. The Dark/Zero The Hero 3. Heaven And Hell 4. Guitar Solo 5. Digital Bitch 6. Black Sabbath 7. Smoke On The Water 8. Paranoid/Heaven And Hell(reprise) Sporthalle, Boblingen, Germany 28th September 1983 Disc 3 (42:22) 1. Children Of The Grave 2. Hot Line 3. War Pigs 4. Born Again 5. Supernaut 6. Drum Solo 7. Rock'n'roll Doctor 8. Disturbing The Priest Disc 4 (56:38) 1. Iron Man 2. The Dark/Zero The Hero 3. Heaven And Hell 4. Guitar Solo 5. Digital Bitch 6. Black Sabbath 7. Smoke On The Water 8. Paranoid/Heaven And Hell(reprise) 9. Interview with Ian Gillan Ian Gillan - Vocals Tony Iommi - Guitar Geezer Butler - Bass Bev Bevan - Drums Geoff Nicholls - Keyboards