私たち日本人にとって、黄金の80年代を象徴するハイライトでもあった「メイデン@武道館」。そんな唯一無二の夜を極上体験できる伝説録音がブラッシュアップ。「GRAF ZEPPELIN」の細密マスタリングによる最高峰サウンド2CDで登場です。そんな本作に刻まれているのは「1987年5月13日:日本武道館」公演。その極上オーディエンス録音です。英雄IRON MAIDENは初来日から現在まで13回のジャパン・ツアーを行ってきたわけですが、日本武道館の舞台に立ったのはたった二度。1987年と2006年だけでした。JUDAS PRIESTの7回(80年代なら1984年/1986年)やオジー・オズボーンの8回(80年代なら1986年/1989年)と比べても、人気に比べて意外なほど少ないのがご理解頂けると思います。特に1987年は人気絶頂の“Somewhere On Tour”時代。その現場は、私たち日本人にとって唯一無二のハイライトだったのです。伝説名手による奇跡録音がブラッシュアップ 本作は、そんな絶頂の一夜を完全体験できる頂点ライヴアルバム。古くからまあまあ録音が知られてきましたが、本作は2016年に発掘されるや既発群を完全に一蹴した最高峰マスターなのです。何しろ、この録音を手掛けたのは日本の客録文化を牽引していたと言っても過言ではない伝説の名手で、かの名門キニー以上と言われ、「日本のミラード」とも囁かれた人物なのです。実際、この録音家は80年代を中心に活動しており、ミック・ジャガーやTHE ROLLING STONES、ポール・マッカートニー、PINK FLOYD等々の頂点録音を次々と発表していった事でも知られる。当時をご記憶の方ならピンと来ると思いますが、こうしたアーティスト達の来日は、一般層まで巻き込んで社会現象。録音も膨大な中で頂点に君臨していたのですから、いかに凄まじい名手かご理解頂けるのではないでしょうか。それほどの名手がHR/HMまで録音していたとは知られず、2016年になって秘蔵コレクションからIRON MAIDEN篇が発掘されたわけです。しかも、本作はその頂点マスターを「GRAF ZEPPELIN」が磨き直した最高峰更新盤でもある。何度もご紹介してきましたが、「GRAF ZEPPELIN」は音圧稼ぎのような「誤魔化し・かさ増し」の音処理は行わず、文化財の修復作業に通じる「原音主義」。そのため、元から極上状態の場合にはそれほどのアップグレード幅は望めず、本作もパッと聞いて「まるで別物」には至っていません。しかし、その一方で本作が「てっぺん」というのもまた事実でして、1/1000秒の狂いも許さないピッチ/位相補正や緻密なノイズ処理、重低音から高音までの各帯域ごとのバランス調整等々……あらゆる手法で「これ以上は良くならない」という極限を突き詰めているのです。世界に誇る“Somewhere On Tour”の最高傑作 そんな究極形の本作は、日本人だけの宝でもありません。“Somewhere On Tour”は、全盛期でありながら公式ライヴアルバムが残されなかった穴場のツアー。伝統的に世界中のコレクター達がオーディエンス録音の最高傑作競争を繰り広げており、本作は最高傑作の1つでもあるのです。ここで、各レッグの代表作品をツアーの全体像に照らして俯瞰しておきましょう。1986年・9月10日ー25日:欧州#1(12公演)《9月29日『サムホエア・イン・タイム』発売》・10月3日ー11月9日:英国(27公演)←※DEFINITIVE LEICESTER 1986・11月12日ー12月18日:欧州#2(27公演)1987年・1月7日ー5月2日:北米(79公演)←※CAUGHT SOMEWHERE IN CHICAGO他・5月11日ー21日:日本(7公演) ←★ココ★ ……と、このようになっています。母国イギリスの最高傑作『DEFINITIVE LEICESTER 1986』やアメリカのベスト録音『CAUGHT SOMEWHERE IN CHICAGO』など錚々たる名作が並んでいるわけですが、本作はそのどちらにも半歩も譲らない。芯の極太感、ゼロ距離な間近感、ディテールの細やかさ……すべてが世界最高水準です。サウンド面ではまsに三部作となるわけですが、ショウ内容まで含めると実は本作こそが頂点。実のところ、“Somewhere On Tour”はブルース・ディッキンソンの調子が今ひとつなツアーとして知られ、英国レッグでは風邪を引き、米国レッグでは疲れが出て声が伸びずに苦しむことが多々ありました。ツアー最終地の日本はどれだけボロボロか……と思いきや、どういうわけかブルースが一気に復調。上記の三部作を聴いても、声の伸びは本作がダントツなのです。また、日本はセットも他国とは微妙に違っていました。最後に、上記の名盤2作と比較しながら整理しておきましょう。サムホエア・イン・タイム他(4曲+α)・Caught Somewhere In Time/Stranger In The Strange Land/Wasted Years/Heaven Can Wait/Walking On Glass クラシックス(11曲)・ディアノ時代:Wrathchild(★★)/Phantom Of The Opera/Iron Maiden/Running Free/Sanctuary(★)・魔力の刻印:Children Of The Damned/Hallowed Be Thy Name/The Number Of The Beast/Run To The Hills・パワースレイヴ:2 Minutes To Midnight/Rime Of The Ancient Mariner ※注:「★」印は名盤『CAUGHT SOMEWHERE IN CHICAGO』で聴けなかった曲。特に「★★」印は『DEFINITIVE LEICESTER 1986』にもない曲。曲のレア度なら「Sea Of Madness」「Where Eagles Dare」も聴ける『DEFINITIVE LEICESTER 1986』がツアー・ベストかも知れませんが、絶好調ブルースの醍醐味なら本作が上を行く。そして、貴重極まる「アリガト、ブドカン!!」「Screamin' for me, ブドカン!!!」まで飛び出す以上、やはり私たちにとって“Somewhere On Tour”の最高傑作は本作でキマリでしょう。たった一度きりだった「80年代の武道館」を伝説名手が完全記録した奇跡のライヴアルバム。その最高峰更新盤です。まさに世界に誇る日本発の『MAIDEN BUDOKAN』。 「1987年5月13日:日本武道館」公演の極上オーディエンス録音。日本洋楽史の伝説とも言われる名手による大元マスターを「GRAF ZEPPELIN」が磨き込んだ最高峰更新盤。『DEFINITIVE LEICESTER 1986』『CAUGHT SOMEWHERE IN CHICAGO』等の名盤と全世界トップを競うサウンドでありつつ、絶好調ブルースの絶唱はどの名盤をも凌駕している。“Somewhere On Tour”の最高傑作にして、たった一度きりだった「80年代の武道館」を伝える伝説名盤です。リマスター・メモ 位相修正 左右の帯域若干補正(中高域に掛けて左chが若干持ち上がっていたのを補正) 元々大きな問題もないようなので大きな処理は行っていません Budokan, Tokyo, Japan 13th May 1987 TRULY PERFECT SOUND(from Original Masters) Disc 1 (63:39) 1. Intro: End Titles (From Blade Runner) 2. Caught Somewhere In Time 3. 2 Minutes To Midnight 4. Wrathchild 5. Children Of The Damned 6. Stranger In The Strange Land 7. Wasted Years 8. Rime Of The Ancient Mariner 9. Walking On Glass 10. Heaven Can Wait Disc 2 (47:16) 1. Phantom Of The Opera 2. Hallowed Be Thy Name 3. Iron Maiden n4. The Number Of The Beast 5. Run To The Hills 6. Member Introduction 7. Running Free 8. Sanctuary Bruce Dickinson - Vocal Steve Harris - Bass Dave Murray - Guitar Adrian Smith - Guitar Nicko McBrain - Drums