『EAT 'EM AND SMILE』『SKYSCRAPER』が2作連続でプラチナ・アルバムに輝き、シングル『Just Like Paradise』も全米6位と絶好調だった1988年のデイヴィッド・リー・ロス。その絶頂の現場を超リアル・サウンドでフル体験できる激レア録音が登場です。そんな本作に吹き込まれているのは「1988年8月3日ヴォーン公演」。その一部始終を真空パックした灼熱オーディエンス録音です。デイヴのソロと言えば、『EAT 'EM AND SMILE』が頂点と思われがちですが、実は人気/ツアー規模で絶頂だったのは“SKYSCRAPER Tour”でした。まずは、ソロ初来日が実現したことでも思い出深いワールド・ツアー全景を振り返ってみましょう。《1月26日『SKYSCRAPER』発売》・3月4日ー5月28日:北米#1(60公演)・6月10日ー8月14日:北米#2(44公演)←★ココ★・8月20日ー9月4日:欧州#1(9公演)←※MONSTERS OF ROCK 1988 VOL.2・9月20日ー10月4日:日本(11公演)←※SKYSCRAPER IN JAPAN他・10月12日ー24日:豪州(6公演)・11月14日ー12月13日:欧州#2(17公演)これが1988年のデイヴィッド・リー・ロス。“EAT 'EM AND SMILE Tour”は北米のみで約100公演でしたが、“SKYSCRAPER Tour”は欧州/日本まで巻き込んでの15ヵ国・147公演にも及びました。それこそVAN HALENでのデビュー・ツアー以来……いや、ヘッドラインな事を考えれば、それ以上となるキャリア・ハイという超ビッグ・スケールのワールド・ツアーでした。もちろん、その中でもメインなのは北米。本作のヴォーン公演は、そんな「北米#2」の36公演目にあたるコンサートでした。まさに絶頂ド真ん中な現場で記録された本作は、これまでほとんど知られなかった秘蔵録音。先日リリースされ、大好評のプレス名盤『CHARLOTTE 1982(Zodiac 596)』『CHARLOTTE 1984 2ND NIGHT(Zodiac 597)と同じコア・コレクターから提供されたマスターなのです。ただし、レア度はVAN HALEN篇と同等でもサウンドの個性は異なる。本作から吹き出すのは、燃え上がる全盛の熱気。これがもうスゴい熱量。1曲終えるごとに会場中から一斉に巨大な大声援が吹き上がり、イントロで次曲を察知すると歓喜の完成が爆発する。VAN HALENクラシックスが盛り上がるのは当然として、新曲でも凄まじい勢いが衰える気配さえない。大ヒット真っ最中の「Just Like Paradise」に至っては、7200人に及ぶ合唱隊が超スペクタクルを生み出し、あまりの凄まじさにデイヴがサビを全部任せてしまうのです。何やら絶叫まみれの録音のような書き方になってしまいました。実のところ、それも間違ってはいないのですが、それだけだったらリリースは致しません。こうしてご紹介しているのは、その凄まじい熱狂を前にしながら演奏もデイヴのヴォーカルも非常に聴きやすいのです。何と言いますか、芯がオンで密度が高く、突進力がある。ぶ厚い大合唱をレーザービームのように貫き、バッサリ切り割くように手元に届いてくる。しかも、それはデイヴのヴォーカルだけでなく演奏全部に及ぶ。スティーヴ・ヴァイのギターは奇抜な妙技のすべてがしっかりと聞こえ、ブレット・タグルのキーボードも鮮烈。ちょっと集中すれば、マット・ビソネットのラインまでしっかり分かるという鮮やかさ。幾多のバンドの無数の記録を扱ってきましたが、ここまで凄まじい熱狂と音楽がきっちり共存している録音はちょっと記憶にありません。そんな灼熱サウンドで画かれるのは、貴重ナンバーもたっぷりのフルショウ。“SKYSCRAPER Tour”をご紹介するのは久しぶりでもありますので、ここでセットも整理しておきましょう。ソロ・スカイスクレイパー:The Bottom Line(★)/Just Like Paradise/Knucklebones(★)/Hot Dog And A Shake(★)/Skyscraper(★)・イート・エム・アンド・スマイル:Goin' Crazy!/Yankee Rose・クレイジー・フロム・ザ・ヒート:Easy Street/Just A Gigolo/I Ain't Got Nobody/California Girls その他・1984:Hot For Teacher/Panama/Jump・炎の導火線:Ain't Talkin' 'Bout Love/You Really Got Me・その他:Instrumental#1(★)/Steel Drums Solo(★)/Instrumental#2(★)※注:「★」印はこのツアーだけの限定レパートリー。……と、このようになっています。(1995年までの)デイヴのソロ・ツアーは新曲をたっぷり演奏する一方、その新曲が次回ツアーに持ち込まれないのが特徴でもありました。さすがに大代表曲に登り詰めた「Just Like Paradise」は例外ではありますが、他の『SKYSCRAPER』ナンバーはこのツアーだけの限定曲なのです。さらには、ヴァイ・カラーが爆発するインスト2曲や日本公演の記憶も甦るスティール・ドラムのソロ等、底抜けに楽しいのに音楽的にもハイセンスなショウなのです。それにしても、凄い人気ぶり。歴史的な“1984 Tour”も衝撃の“EAT 'EM AND SMILE Tour”も強烈ですが。デイヴのエンターテインメント人生の頂点は“SKYSCRAPER Tour”で間違いないでしょう。そう確信せざるを得ない絶頂の薫りムンムンの新名盤。「1988年8月3日ヴォーン公演」の灼熱オーディエンス録音。これまでほとんど知られなかった秘蔵マスターで、燃え上がる全盛の真っ直中に居合わせられる超リアル・サウンド。大ヒット中の「Just Like Paradise」に至っては、7200人に及ぶ合唱隊の超スペクタクルが巻き起こる。それだけの熱狂にも関わらず、ヴォーカルも演奏もきっちり聴きやすいから奇跡的。デイヴの人生絶頂の刹那に居合わせられる超リアルな新名盤です。 Kingswood Music Theatre, Vaughan, ON, Canada 3rd August 1988 PERFECT SOUND Disc:1 (58:22) 1. The Bottom Line 2. Ain't Talkin' 'bout Love 3. Just Like Paradise 4. Knucklebones 5. Easy Street 6. Hot for Teacher 7. Hot Dog and a Shake 8. Fire Garden Suite IV: Taurus Bulba 9. Skyscraper 10. Just a Gigolo / I Ain't Got Nobody 11. Goin' Crazy! 12. Steel Drums Solo Disc:2 (30:05) 1. Yankee Rose 2. Instrumental 3. Panama 4. California Girls 5. You Really Got Me 6. Jump David Lee Roth - Vocal Steve Vai - Guitar Gregg Bissonette - Drums Matt Bissonette - Bass Brett Tuggle - Keyboards