今回フランクフルト73のマスター音源を公開してくれたドイツの音源コレクターが同時に公開してくれたヨーロッパ73音源がミュンヘンのアーリー・ショーでした。ただし音源は「recorder 2」。CD『MUNICH 1973 EARLY SHOW』のメインである「recorder 1」と比べると音像が遠く、なおかつエコーに包まれている。過去のアイテムでもあくまで補填要員としての扱い終始していたのもやむなしでした。ところが今回のバージョンはそんなマイナー音源の初登場ファースト・ジェネレーション・コピー。その結果、過去のアイテムに使われていたジェネ落ち感たっぷりなバージョンとは比較にならないほどの音質がみられたのです。『MUNICH 1973 EARLY SHOW』で使われた補填わずかなもので、それも演奏が絡まない箇所ということから、この断片からではアッパー感が判らなかった人がいたとしてもおかしくない。むしろヨーロッパ73のオーディエンスとしては十分に聞き込めるレベルであり、マニアには是非とも聞いていただきたいアッパー版であったのも事実。「recorder 2」がリリースされる運びとなりました。実際、先のような録音状態やバランスを差し引いても十分に聞けるレベルとなったのは、一重に「1st gen」というロージェネレーションな状態がなせる業。もっとも「recorder 1」におけるミックの絶好調ぶりを捉えた迫力の音質には及ばないのですが、仮にこの日の音源が「recorder 2」しか存在しなかったとしたら、普通に(1990年代あたりに笑)でリリースされていたのでは?と思えるほど。やはりロージェネの恩恵は非常に大きく、特に鮮度が飛躍的向上。このように距離感のある音像でもテープの状態が良くなれば、これほどまで聞きやすくなるのかを示してくれた好例と呼べるのではないでしょうか。繰り返しますが「recorder 1」の前ではマニア向けなオーディエンス録音となってしまうのは事実。それでもなお73ヨーロッパの名演ミュンヘンを捉えたアナザー・ルック音源として楽しめること請け合い。リマスター・メモ ★最近になり'73年フランクフルト公演と同時に公開されたMunich公演の音源で、便宜上Rec2となるもの。 遠目の質感で、既存のRec1音源には及ばず、今回リリースのMunich公演のプレス盤本体では、あいにくMidnightnRambler出だしの補填ソースとしての使用にとどまりましたが、単体で聞く分にはクリアで鮮度もよく、十分に高音質と言えるもので、カットもMidnight Rambler出だしのみと、なかなかの優れモノ。 この音源、実は既発DAC-066でも同様の手法で補填に使用されていたものですが、今回公開されたマスター(1st Genとクレジットされている)の音質は飛躍的に向上しており、もはやその差は歴然としています。Live at Olympiahalle, Munich, West Germany 28th September 1973 Early Show (68:24) Early Show 01. Introduction 02. Brown Sugar 03. Gimme Shelter 04. Happy 05. Tumbling Dice 06. Star Star 07. Dancing With Mr. D. 08. Angie 09. You Can't Always Get What You Want 10. Midnight Rambler ★出だしカットイン 11. Honky Tonk Women 12. All Down The Line 13. Rip This Joint 14. Jumping Jack Flash 15. Street Fighting Man