貴重な「合唱/ブラス入りの原子心母」を伝えてきた伝説録音がアップグレード。史上初となる完全形に進化した大名盤が登場です。ブラス入り原子心母が実現したモントルー公演 そんな本作に刻まれているのは「1971年9月18日モントルー公演」。その一部始終を収録した完全オーディエンス録音です。1971年と言えば、伝説の初来日や映画『LIVE AT POMPEII』など、文化史レベルの活躍を残した時期。その流れの中で本作はいかなるポジションなのか。各レッグの代表作と共に振り返ってみましょう。“ATOM HEART MOTHER Tour”・1月17日ー2月27日:欧州#1(10公演)←※M-502 DEFINITIVE EDITION他・4月3日ー7月1日:欧州#2(20公演)←※DEFINITIVE BRESCIA 1971他・8月6日ー15日:日本/豪州(5公演)←※OSAKA 1971 REVISITED他・9月18日ー10月3日:欧州#3(7公演)←★ココ★《10月4日ー7日:ポンペイで撮影》・10月10日+11日:英国(2公演)“MEDDLE Tour”・10月15日ー11月20日:北米(27公演)←※CLEVELAND 1971 REVISITED他 これが1971年のPINK FLOYD。豪州から戻った彼らは『おせっかい』を完成させ、再びツアーへ。本作のモントルー公演はそんな「欧州#3」の初日にあたるコンサートでした。各レッグとも可能な限りの名作でアーカイヴしておりますが、「欧州#3」は録音自体が稀少。本作はその代表作でもあるのです。2大録音を駆使して実現した完全アルバム 前述のように、この日は「合唱/ブラス入りの原子心母」が実現したステージで、その記録は90年代初頭から広く知られる大定番。本稿に目を留められた方なら、何かしらの既発を体験されているのではないでしょうか。本作は、その最長・最高峰を大きく更新したアップグレード盤なのです。今回最大のポイントは「最長」。このショウは2つの名記録が知られるのですが、本作はその両者を駆使し、史上初となる「ショウの完全体」を実現したのです。それでは、要となる2音源を整理しておきましょう。RECORDER 1(メイン音源)・2000年代に発掘されたステレオ・オーディエンス録音。・「Sennheiser製MD-421マイク+Uher製4200リールデッキ」による録音で、この日を代表するベスト音源。RECORDER 2(補完用音源)・スイスのFM局“Radio Suisse Romande”による放送音源(モノラル)。・ラインではなくアンビエント・マイクで収録されており、3本のリールテープで録音したエアチェックが現存するベスト・マスターとされています。……と、このようになっています。「RECORDER 1」「RECORDER 2」共に様々な既発があり、特に90年代から有名なのはモノラル放送音源「RECORDER 2」です。しかし、この「RECORDER 2」も実はサウンドボードではなく、クラシック音楽用のようにマイク収録されたもの。サウンド・クオリティ的には純然オーディエンスながらステレオで臨場感のある「RECORDER 1」の方が一枚上でないでしょうか。この2録音はどちらもショウの全景を捉えてはいますが、厳密にはテープチェンジなどもあって完全ではありませんでした。本作は、頂点サウンドの「RECORDER 1」の不足パートを「RECORDER 2」で補っているわけです。実際、その全長は驚異的。全11ヶ所が補完され、従来の「RECORDER 2」より約1分半、「RECORDER 1」より約6分も長いのです。しかも、単に曲間の歓声が長くなっているわけではない。11ヶ所の補完パートのうち7ヶ所が実演奏シーンであり、特に「原子心母」や「神秘」はそれぞれ1分半以上も長くなっている。冒頭でも触れた通り、この日の最大の魅力は「合唱/ブラス入りの原子心母」ですから、このアップグレードは極めて重要です。もちろん、長さだけでなくサウンド自体も万全。何しろ本作を仕上げたのは、偏執的な制度で好評を博している「GRAF ZEPPELIN」。いつものように両音源とも1/1000秒の狂いも許さないピッチ/位相補正が施され、帯域分析を経た上でバランス調整されている。さらに言えば「RECORDER 1」も「RECORDER 2」もマイクによる空間録音ですし、「GRAF ZEPPELIN」は「現場音至上主義」。どちらの音源を磨き込んでも同じ「現場音」にたどり着くわけで、音源が切り替わるシーンでもステレオ・バランスの違和感さえ起こさないのです。既発『DEFINITIVE MONTREUX 1971』は「RECORDER 1」「RECORDER 2」をカップリングした4枚組。歴史的な2大録音を純度100%で楽しむ意味では、確かに今なお「definitive」です。本作はそれとは異なり、2大録音の融合によって「現場の完全再現」を実現したのです。意外にも見過ごされてきた盲点のフル・ライヴアルバム。リマスター・メモ ★Rec1(ステレオAud)をベースにRec2(モノラル FM Radio Suisse Romande)で補填し初のライブ完全収録かつ過去最長収録盤! 意外にも、Rec1にしろRec2にしろ、補填して完全収録を実現したものが過去に一切なかった。 補填により既発と比べて6分ほど長くなった。 ベース素材はDefinitive Montreux 1971 (4CD) と同じ現状ベストとされる2種の音源。帯域調整と位相修正【音源整理】Rec1・・・Stereo Aud Rec2・・・Mono FM (Radio Suisse Romandeによるアンビエント・マイク会場録音*実質Aud録音の放送音源) 代表既発タイトルと収録ソース★ややこしいことに登場順序としてはRec2の方が先である LIVE IN MONTREUX 1971 (2CD) [TSP-CD-071-2] Rec2 Mono *1990 PLAYS MONTREUX (2CD) Rec2? *1990's LABYRINTHS OF CORAL CAVES (2CD) Rec2 Mono *2000s ECHOES IN MONTREUX (2CD) Rec1 Stereo *2000s MONTREUX 1971 (2CD) Rec2 Mono *2014DEFINITIVE MONTREUX 1971 (4CD) Rec1 Stereo & Rec2 Mono *2015 MONTREUX 1971 (2CD) Rec2 Mono 2021「1971年9月18日モントルー公演」の完全オーディエンス録音。この日の2大録音のうちステレオの最高峰「RECORDER 1」を土台に、放送音源「RECORDER 2」で補完。どちらよりも長い史上初のフル・ライヴアルバムが実現しました。放送音源「RECORDER 2」もマイク収録のため接続も自然で、さらに「GRAF ZEPPELIN」の細密マスタリングで違和感を完全払拭。史上最長・最高峰を大きく更新する完全ライヴアルバムです。Festival de Musique Classique, Pavillon De Montreux, Montreux, Switzerland 18th September 1971 TRULY PERFECT SOUND(UPGRADE) Disc 1(63:02) 1. Echoes ★0:13-0:32 / 8:33-8:39 / 23:06-23:49(曲間) 補填 2. Careful With That Axe, Eugene ★2:55-3:00 / 11:34-12:24(曲間) 補填 3. Set The Controls For The Heart Of The Sun ★12:03-13:05 / 13:49以降(曲間) 補填 4. Cymbaline ★0:00-0:07 補填 Disc 2(52:01) 1. Atom Heart Mother ★10:54-12:43 / 30:42-31:43(曲間) 補填 2. A Saucerful Of Secrets ★3:48-5:30 / 19:38以降(演奏後) 補填