大代表作『HYSTERIA』の完全再現ショウに沸いた2013年のDEF LEPPARD。オフィシャル作とは一切被らない超極上IEMアルバムが誕生。そんな本作に刻まれているのは「2013年3月23日ラスベガス公演」。その一部始終を捉えたIEM録音です『HYSTERIA』再現ライヴと言えば2018年には来日公演も実現しましたが、歴史的には何回行われたのか。良い機会でもありますので、ここで全景で振り返ってみましょう。 2013年・3月22日ー4月13日:ラスベガス(11公演)←★ココ★・6月21日ー7月6日:欧州#1(8公演)・7月10日ー17日:北米(4公演)《10月22日『VIVA! HYSTERIA』発売》2018年・10月19日+20日:ホノルル(2公演)・10月24日ー29日:日本(3公演)←※BUDOKAN 2018他・11月2日ー12日:オセアニア(6公演)・12月1日ー18日:英国(12公演)2019年・6月11日+14日:欧州#2(2公演)これが「HYSTERIA再現ライヴ」の全体像。大きく「2013年」と「2018/2019年」の二度、合計48公演が行われました。一番最初はラスベガスでのコンサート・レジデンシー(移動するツアーとは異なり、同じ会場で何公演も行う興行スタイル)で、公式作品『VIVA! HYSTERIA』はその4公演目/5公演目から制作されました。それに対し、本作は同じ会場の約1週間前にあたる2公演目のコンサートでした(ちなみに初日のフルIEMも発掘されていますが、残念ながら機材トラブルも発生。本作が最も初期の『完璧なライヴHYSTERIA』となります)。そんなショウを記録した本作は、空前絶後のIEMサウンド。ツアーから10周年を記念して公開されたマスターでして、何人もの記録家がチームを組んでIEM傍受しており、それらを精緻にミックスされている。IEMですから大歓声に包まれる臨場感は望めませんが、全身が生演奏と完全シンクロする快感は絶大。コレクター界の慣例ではIEMはサウンドボードではないので本作に「STEREO SOUNDBOARD RECORDING」のクレジットはありませんが、内容的にはミックス卓直結系サウンドボードとまったく同じ。極太でムキ出しの生演奏が脳みそに流し込まれ……いや、ねじ込まれるのです。まるで頭の中にDEF LEPPARDがいるような没入感は、オーディエンスはおろか演出過多なオフィシャル作遺品でも味わえない異次元感覚です。しかも、バランスが良い。1音1音が思いっきり生々しいのでオフィシャル風ではないのですが、特定メンバーのIEMのように「リズムだけデカい」とか「ソロだけ飛び出てる」といった偏った音にはならず、アンサンブルが自然なバランスで流れ出るのです。個々のIEMソースが公開されていないので断言できませんが、恐らく複数IEMをミックスしたからこその成果なのでしょう。そんな超絶の異次元サウンドで描かれるのは「大名盤HYSTERIA全部+α」。オフィシャル作品『VIVA! HYSTERIA』は「名盤再現パート」と「それ以外」に分けて編集されていましたが、本作は一気貫通。1回のショウを通しで楽しめます。そして、選曲も『VIVA! HYSTERIA』とは違う。もちろん『HYSTERIA』パートは曲順もアルバムそのままに完全再現されるわけですが、他のセクションは公式作とは異なっていますので、比較しながら整理しておきましょう。ヒステリア(全曲再現)・Women/Rocket/Animal/Love Bites/Pour Some Sugar On Me/Armageddon It/Gods Of War/Don't Shoot Shotgun/Run Riot/Hysteria/Excitable/Love And Affectionその他(9曲)・炎のターゲット:Too Late For Love(★)/Foolin'(★)/Rock Of Ages/Photograph・その他:High 'n' Dry (Saturday Night)/Action/Another Hit And Run(★)/Make Love Like A Man(★)/Let's Get Rocked(★)※注:「★」印は公式『VIVA! HYSTERIA』で聴けなかった曲。……と、このようになっています。『HYSTERIA』再現後のアンコールは「Rock of Ages」「Photograph」だけで、他は再現セクション前に演奏されています。DEF LEPPARD史上No.1のド直結サウンドで描かれる「超・生々しいHYSTERIA」。これに尽きます。無加工・ムキ出しのライヴ感は『VIVA! HYSTERIA』を遙かに超越し、初日とは違って機材トラブルに悩まされてもいない完全ショウ。その一部始終を脳みそ直結のIEMミックスで描ききった最高傑作。公式『VIVA! HYSTERIA』の一週間前となる「2013年3月23日ラスベガス公演」の超極上IEM録音。複数のIEM傍受ソースをミックスした銘品で、『VIVA! HYSTERIA』より遙かに生々しく、無編集でフルショウを通しで楽しめる。『HYSTERIA』再現はもちろん、公式にない「Too Late For Love」「Foolin'」「Another Hit And Run」「Make Love Like A Man」「Let's Get Rocked」も美味しい絶対盤です。The Joint at Hard Rock Hotel, Las Vegas, NV, USA 23rd March 2013 ULTIMATE SOUND Disc 1(73:09) 01. Intro 02. Won't Get Fooled Again 03. Saturday Night (High and Dry) 04. Action 05. Another Hit and Run 06. Too Late for Love 07. Make Love Like a Man 08. Foolin' 09. Let's Get Rocked 10. Intermission 11. Women 12. Rocket 13. Animal 14. Love Bites Disc 2(59:13) 1. Pour Some Sugar On Me 2. Armegeddon It 3. Gods of War 4. Don't Shoot Shotgun 5. Run Riot 6. Hysteria 7. Excitable 8. Love and Affection 9. Rock of Ages 10. Photograph Joe Elliott - Lead Vocals Phil Collen - Guitar, Vocals Vivian Campbell - Guitar, Vocals Rick Savage - Bass, Vocals Rick Allen - Drums