新たなる音楽「プログレッシヴ・メタル」を急速に進化させつつ、記録面では不遇だった『RAGE FOR ORDER』時代。絶頂に達したバンド・ポテンシャルを極上体験できる決定盤セットが登場です。そんな本作に収められているのは、1つのショウの2つの極上記録。「1987年2月13日クイーンズ公演」の超極上フル録音と同日の傑作映像をセットしたオーディエンス2枚組です。『THE WARNING』時代や『OPERATION: MINDCRIME』のブレイク後は公式作品や各種サウンドボード等も充実しているのですが、『RAGE FOR ORDER』時代はその端境期。人気も音楽性も着実に進化していきながらライヴ記憶は少なく、その本領を味わうのは難しい時期でもありました。本作は、そんな歴史に終止符を打つ超・決定盤なのです。その気になるクオリティの前に、まずはショウのポジション。当時の活動概要から振り返ってみましょう。1986年・3月27日+4月23日:北米#1(2公演)《6月27日『RAGE FOR ORDER』発売》・7月31日ー10月22日:北米#2(60公演)・11月24日ー12月8日:欧州(12公演)1987年・1月23日ー2月21日:北米#3(16公演)←★ココ★ れが1986年/1987年のQUEENSRYCHE。1986年末に欧州へ脚を伸ばしつつ、主戦場は故国アメリカ。本作のニューヨーク公演は、その最終盤にあたる「北米#3」の13公演目にあたるコンサートでした。本作は、そんなショウをフル・ライヴアルバムと絶景映像で極上体験できるわけです。CD:超絶級のフル・ライヴアルバム篇 そんな本作のメインは、超絶級のオーディエンス録音。ぶっちゃけた話がまるでサウンドボード……いや、「丸っきりサウンドボード」。猛烈にオンな芯が距離感なく轟き、輪郭もタイトならディテールも繊細でセパレート感も絶大。演奏中も生々しい喝采が(小さく)聞こえはするのですが、それもオーディエンスの証拠と言うよりはアンビエント・マイクの歓声をオーバーダブしたかのように感じられる。実際には100%なオーディエンス録音らしいのですが……。ともあれ、サウンドボードもプロショットも見つかっていない“RAGE FOR ORDER Tour”の「サウンドボード代わり」には十分すぎる超絶級サウンドなのです。しかも、本作はそんな名録音を細心マスタリングで磨き上げた最高峰更新盤。ベスト・マスターからCD化されているのですが、ネットの原音はピッチが大幅にズレ、「Roads To Madness」の一部に欠けがありました。本作はそうしたポイントを完全解決。ピッチはジャストで安定感もばっちりですし、欠けたパートも同じ録音の別系等で補完。シームレスでフルショウを駆け抜ける完全アルバムを実現したのです。DVD:同じ極上録音がシンクロされた映像篇 んなフル・ライヴアルバムだけでも文化遺産級ですが、本作はさらに同日の映像篇もセットした決定盤です。しかも、この映像がまた素晴らしい。会場の後方から撮影しつつ、観客の頭上ごしにステージを直視。時たま肩車客が視界に入るので「完璧な絶景」とは申せませんが、「ほぼ完璧」とは言える見晴らしの良さなのです。しかも、そこから果敢なズーム。明らかに三脚を使った安定感も絶大で、もしかしたらスタッフが資料用に撮影した関係者ショットなんじゃないか……そんな疑念も頭を離れない素晴らしさなのです。そんな関係者テイストを強めているのが強力な音声。どうやらCD編と同じ超絶録音(ジェネは異なるようです)がシンクロされている。実のところ、音声のゼロ距離感と撮影ポジションの距離感があまりに違っていて脳がバグりそうになる(苦笑)のですが、超極上サウンドが悪かろうハズもありません。プログレ・メタルを熱く育てていた本場のクラブ現場 そんなライヴアルバム&映像で描かれるのは、新ジャンル「プログレッシヴ・メタル」の地平が切り拓かれていった現場。実のところ、CD篇/DVD編では若干収録が異なっていますので、ここでセット整理もしておきましょう。炎の伝説(6曲)・Neue Regel/Surgical Strike/The Whisper/Walk In The Shadows/London/Chemical Youth (We Are Rebellion) その他(8曲+α)・クイーンズライチ(EP):Queen Of The Reich/メドレー(The Lady Wore Black/Nightrider/Blinded)・ザ・ウォーニング (警告):Warning/No Sanctuary/Roads To Madness/Deliverance/Take Hold Of The Flame(CD篇のみ)・その他:Rage For Order……と、このようになっています。CD篇はフルセットですが、DVD編はラストの「Take Hold Of The Flame」のみ未収録。惜しいところで完全映像とはなりませんでした。「Rage For Order」なる曲名に驚きますが、これは次作『OPERATION: MINDCRIME』に収録される「Anarchy-X」の原曲バージョンです。『RAGE FOR ORDER』ナンバー山盛りなセット自体に目眩がしますが、それ以上にスゴいのがクラブ・ギグのムード。現場となった“L'Amour East”はセミプロ時代のMETALLICAも出演したことのあるクラブ(ブルックリンとは別会場)なのですが、その密室空間を複雑でドラマティックな「プログレッシヴ・メタル」が満たしていく光景は異様ですらある。しかも、観客の盛り上がりはまるでスラッシュメタルかのよう。冷ややかにすら感じられるメロディと雰囲気のギャップがあまりに強烈でやはり脳がバグりそうです。日本では精緻に組み上げられたスタジオ作品で伝わって来た「プログレッシヴ・メタル」。しかし、本場ではスラッシュやLAメタルと変わらない密室で熱く熱く進化していました。本作は、その現場を極上クオリティで体験できるわけです。音楽作品として超傑作でありつつ、歴史の意外さまでもが文化遺産級の2枚組。「1987年2月13日クイーンズ公演」の超極上フル録音と同日の傑作映像をセットしたオーディエンス2枚組。メインのフル録音は「丸っきりサウンドボード」な銘品で、猛烈にオンな芯が距離感なく轟き、輪郭もタイトならディテールも繊細でセパレート感も絶大。映像篇は会場後方から三脚で撮影した安定感が強力で、CD篇と同じ極上録音をシンクロ。サウンドボードもプロショットも見つかっていない“RAGE FOR ORDER Tour”をフル体験できる超・決定盤です。L'Amour East, Queens, NY, USA 13th February 1987 TRULY PERFECT/ULTIMATE SOUND CD(78:08) 01. Neue Regel 02. Surgical Strike 03. Warning 04. The Whisper 05. Walk In The Shadows 06. No Sanctuary 07. London 08. Roads To Madness 09. Deliverance 10. Chemical Youth (We Are Rebellion) 11. Band Introductions 12. Rage For Order 13. Queen Of The Reich 14. The Lady Wore Black/Nightrider/Blinded 15. Take Hold Of The Flame DVD 1. Neue Regel 2. Surgical Strike 3. Warning 4. The Whisper 5. Walk In The Shadows 6. No Sanctuary 7. London 8. Roads To Madness 9. Deliverance 10. Chemical Youth (We Are Rebellion) 11. Band Introductions 12. Rage For Order 13. Queen Of The Reich 14. The Lady Wore Black/Nightrider/Blinded COLOUR NTSC Approx.72min. Geoff Tate - Lead Vocals Chris Degarmo - Lead Guitar, Vocals Michael Wilton - Guitars Eddie Jackson - Bass Scott Rickenfield - Drums