意欲作『WHO ELSE!』を携えて不遇の90年代に終止符を打った1999年のジェフ・ベック。復活のフルショウを超極上体験できる衝撃の新名盤が誕生です。そんな本作に吹き込まれているのは「1999年3月28日トロント公演」。その超絶級オーディエンス録音です。90年のジェフは長い停滞期に陥っていたわけですが、ジェニファー・バトゥンを迎えた新機軸『WHO ELSE!』で一気に復活。本格的なツアー活動も再開させました。まずは、10年ぶりの来日公演も思い出深いワールド・ツアーの全体像から振り返ってみましょう。1998年・7月7日ー10月22日:欧州(20公演)←※FREE JAZZ FESTIVAL 1998 1999年《3月16日『WHO ELSE!』発売》・3月15日ー4月18日:北米#1(22公演)←★ココ★・5月23日ー6月3日:日本(9公演)←※DEFINITIVE TOKYO 1999他・8月13日ー9月28日:北米#2(24公演)・10月9日+10日:英国(2公演)これが『WHO ELSE!』に伴う活動全景。1996年/1997年にはわずかなイベント出演だけでライヴ活動はほとんどなく、1998年夏に満を持しての復活。この時点から来日公演と同じ4人でツアーを開始しました。本作のトロント公演は、その後アルバムがリリースされてから始まった「北米#1」の中盤9公演目。来日の約2ヶ月前のコンサートでもありました。そんなショウを伝える本作は、ド肝を抜く超絶サウンド。“WHO ELSE! Tour”は『DEFINITIVE TOKYO 1999』を筆頭とした来日録音が名作揃いなので、今さらと思ったのですが、とんでもない。本作のサウンドは、公演地がどうこう言うレベルじゃない。完全に距離感ゼロなド密着感、オンで極太な密度、ベースのハネやドラムの皮の振動まで感じるディテール、全員が妙技をぶつけ合っても微塵も混じらない見事すぎるセパレート感。名門「Krw_co」がオーディエンスとして公開しているので客録に違いないのでしょうが、ヘッドフォンで耳を澄ませても空間成分がまるで感じられず、「一体、これのどこがオーディエンス録音!?」との疑念が頭の中をグルグルまわってしまう。実際、お馴染み『DEFINITIVE TOKYO 1999』と交互に再生しても、まったく聴き劣りしない。普通、いくら超極上オーディエンスでもステレオ感ぐらいは負けるものですが、それすら五分。シャッフル再生にすると、今どっちが流れているのか分からなくなるほどです。しかも、本作はそんな新発掘マスターをさらに磨き込んだ最高峰更新盤。ネット音源そのままでも十二分にプレス級ではあったのですが、あまりにもオンすぎる低音が全体バランスをやや見だしてもいました。本作ではピッチや位相と共に、そうした音域もバランスを整え、音楽作品としての完成度を高めているのです。また、もう1ポイントなのが開演シーン。実は、この録音唯一の欠点と言われているのが録音開始の遅れ。冒頭30秒ほど録音し損ねているのです。本作では、それを別録音でパッチ。フルショウをたっぷり楽しめるように仕上げました。このように超名盤『DEFINITIVE TOKYO 1999』にも匹敵する教学サウンドの本作ですが、ショウ内容は日本公演とはやや異なっている。ここで比較しながらセットを整理しておきましょう。フー・エルス!(9曲)・What Mama Said/Psycho Sam/Brush With The Blues/Blast From The East/Declan/THX 138/Space For The Papa/Angel (Footsteps)/Even Odds クラシックス他(10曲)・ゼア・アンド・バック:Star Cycle/The Pump/You Never Know・ギター・ショップ:Savoy/Where Were You(★)/Big Block・その他:A Day In The Life/Led Boots(★)/'Cause We've Ended As Lovers/Blue Wind ※注:「★」印はサウンドボード超名盤『DEFINITIVE TOKYO 1999』では聴けない曲。……と、このようになっています。曲の入れ替えではなく、『DEFINITIVE TOKYO 1999』で聴けたレパートリーは全部演奏しつつ、さらに2曲上乗せされたスタイル。放送枠も関係なく、終始一貫で録音されるオーディエンスだからこそのフルショウをたっぷり味わえるのです。しかも、そんなステージを綴るパフォーマンスも絶品。新バンドによるツアー9公演目というと手探りなところがあってもおかしくないのですが、前年に「欧州」レッグをこなしていたせいかアンサンブルも十分に熟達。その上で活動再開の意気上がるテンションはまだ鮮度を失っておらず、日本公演と同等……いや、それ以上の熱演が楽しめるのです。完全復活を遂げた“WHO ELSE! Tour”のジェフ・ベック。その現場を超名盤『DEFINITIVE TOKYO 1999』に匹敵する超絶サウンドでフル体験できてしまう新名盤です。こんな録音のふっと出逢えてしまうからオーディエンス録音は止められない。「1999年3月28日トロント公演」の超絶級オーディエンス録音。最近になって公開された完全サウンドボード級の新マスター。実際のSBD超名盤『DEFINITIVE TOKYO 1999』とシャッフル再生するとどっちが流れているのか分からなくなるほどです。しかも本作は細心マスタリングで磨き込み、録音漏れの冒頭部30秒が補完され、サウンドもよりバランス良くブラッシュアップ。“WHO ELSE! Tour”を超絶フル体験できる新名盤の誕生です。Massey Hall, Toronto, Ontario, Canada 24th March 1999 ULTIMATE SOUND(NEW SOURCE!!!) Disc 1 (48:15) 1. What Mama Said ★0:00 - 0:33 DVD音声イコライズして補填。2. Psycho Sam 3. Brush With The Blues 4. Star Cycle 5. Savoy 6. Blast From The East 7. A Day In The Life 8. Declan 9. THX 138 10. The Pump Disc 2 (49:31) 1. Led Boots 2. Drum Solo 3. Cause We've Ended As Lovers 4. Space For The Papa 5. Angel (Footsteps) 6. Even Odds 7. You Never Know 8. Blue Wind 9. Band Introductions 10. Where Were You 11. Big Block Jeff Beck - Guitar Jennifer Batten - Guitar & Guitar-Synthesizer Randy Hope-Taylor - Bass Steve Alexander - Drums