会心作『HARD HAT AREA』で勢いに乗っていた1993年のアラン・ホールズワース。ジャズ色を強めていった“King Of Legato”の妙技が脳みそに流れ込む超極上サウンドボード・アルバムが登場です。そんな本作に封じられているのは「1993年2月20日ウェスト・ハリウッド公演」。伝統の名会場“The Roxy”で記録された超極上ステレオ・サウンドボード録音です。寡聞にして『HARD HAT AREA』の制作時期は分かりませんが、アメリカの発売は1994年になってから(日本発売は1993年12月)。この日はまだリリースまで間のある時期でした。当時のバンドは『HARD HAT AREA』にも参加したスティーヴ・ハント/スクリ・セヴァリソンが脇を固めつつ、スツールに座っているのは名手チャド・ワッカーマン。本作は、そんな編成で行われた1日2公演のうち、1stショウのライヴアルバムです。そんな本作は、今話題の超極上サウンドボード。名門「Krw_co」が最近発掘したアナログ・マスターで、そのサウンドは「完全オフィシャル級」。厳密に言うとFM放送のように後から磨き込んだタイプではなく、ミックス卓直結系。そのため、現場の喝采が遠いさざ波のようでクラブ空間の体験感などは薄いのですが、音楽の性質上それがまったく問題にならない。むしろ、無加工な生演奏が骨太・肉厚・ド密着で迫り、全身と完全一致するシンクロ感がたまらない。演奏に入る前のささやかなカウントまで細やかな現実感、シンセの揺れまで鮮やかな繊細さ、頭蓋の端から端まで吹っ飛ぶような豪快幅のパン、四方八方から楽器音が飛び交うド真ん中に立つ没入感。どれもこれもが猛烈に鮮烈で、演奏者の呼吸感まで脳内で再現されていくのです。そんな超ド級サウンドボードで描かれるのは、名作『HARD HAT AREA』をステージ・テンションで爆上げしたようなショウ。ここで、そのセット内容も確認しておきましょう。80年代(5曲)・アタヴァクロン:Looking Glass/Non Brewed Condiment・その他:Pud Wud/Devil Take the Hindmost/Water on the Brain 90年代(5曲)・ハード・ハット・エリア:Ruhkukah/Low Levels, High Stakes/House of Mirrors・その他:Tell Me/Zone ……と、このようになっています。一応、軸として『ATAVACHRON』『HARD HAT AREA』ナンバーが多めにセレクトされてはいますが、むしろ幅広さが特徴。アランが参加したチャドの『FORTY REASONS』から「Tell Me」も取り上げられています。ロック史に「唯我独尊」「孤高」と形容されるヒーローは数多くいますが、アラン・ホールズワースほど生涯をかけて貫いたギタリストはいないでしょう。そんな天才の90年代を象徴するような超極上サウンドボードです。本来であればオフィシャル化こそが相応しく、それこそ『HARD HAT AREA』とセットの2枚組にしてほしいほどの絶対的ライヴアルバム。「1993年2月20日ロキシー公演(1stショウ)」の超極上ステレオ・サウンドボード録音。名門「Krw_co」が発掘したアナログ・マスターで、そのサウンドは「完全オフィシャル級」。ミック卓直結系の無加工な生演奏が骨太・肉厚・ド密着で迫り、全身と完全一致するシンクロ感がたまらない。頭蓋の端から端まで吹っ飛ぶような豪快幅のパン、四方八方から楽器音が飛び交うド真ん中に立つ没入感。どれもこれもが猛烈に鮮烈で、名作『HARD HAT AREA』をステージ・テンションで爆上げしたようなショウが脳に流し込まれる文化遺産アルバムです。The Roxy, West Hollywood, CA, USA 20th February 1993 (1st Show) STEREO SBD (78:46) 1 Looking Glass 2 Pud Wud 3 Ruhkukah 4 Low Levels High Stakes 5 Devil Take the Hindmost 6 House of Mirrors 7 Drum Solo 8 Tell Me 9 Water on the Brain 10 Non Brewed Condiment 11 Zone 12 Band Introductions / Thanks For Coming To The First Show Allan Holdsworth guitar SynthAxe Chad Wackerman drums Steve Hunt keyboards Skuli Sverrisson bass STEREO SOUNDBOARD RECORDING