他のどの時代とも異なる魅力を放っていたボウイ史の特異点“GLASS SPIDER Tour”。その現場を体験できる極上ライヴアルバムが登場です。そんな本作に吹き込まれているのは「1987年9月1日ニューヨーク・シティ公演」。大会場の象徴でもある“マディソン・スクエア・ガーデン(以後、MSG)”で収録された極上オーディエンス録音です。このツアーの象徴と言えば公式作『GLASS SPIDER』が有名ですが、同じ公式でも映像篇とアルバム篇では別公演ですし、レッグによってセットも変わる。まずは、当時のスケジュールを俯瞰し、本作のポジションを確認していきましょう。・3月17日ー30日:プロモショウ(9回)《4月20日『NEVER LET ME DOWN』発売》・5月29日ー7月18日:欧州(27公演)・7月30日ー10月14日:北米(46公演)←★ココ★・10月27日ー11月28日:オセアニア(16公演)←※公式映像 これが1987年のデヴィッド・ボウイ。公式映像は最終盤の「オセアニア」でしたが、本作はメインレッグである「北米」の一幕でした。ここでさらに日程をズームしてみましょう。「北米」レッグの詳細・7月30日ー8月25日(16公演)*8月28日『OTTAWA 1987』*8月30日:公式ライヴアルバム版(モントリオール)*9月1日:ニューヨーク公演 ←★本作★・9月2日ー10月14日(27公演)……と、このようになっています。公式『GLASS SPIDER』スペシャル・エディションにはアルバム版も付属していましたが、そちらは映像とは異なるモントリオール公演。本作のニューヨーク公演は、その次公演にあたる。サウンドボード・アルバム『OTTAWA 1987』も交え、3公演連続で傑作が残されたわけです。そんなショウを真空パックした本作は、“MSG”というのが信じられない特級のクリア・サウンド。“MSG”は世界的にも有名な象徴会場だけに記録も多いのですが、実はオーディエンス録音には向きかないとも言われている。大会場の弱みが出やすく、ボケボケ・ボワボワになりがちなのです。ところが! 本作はクッキリ・ハッキリ。スネアやタムにオーディエンスらしさも感じますが、それもあくまで音色止まり。輪郭までキリッと引き締まった芯が大気を貫き、レーザー光線の如く真っ直ぐ手元に飛びこむ。さらに驚きなのは、オーディエンス・ノイズ。もちろん熱狂も生々しく吸い込んでいるのですが、それが不自然なほど遠く、ダイレクト感たっぷりな演奏音/ヴォーカルにサッと掻き消されてしまう。その歓声の遠さ、演奏の支配力は卓直結サウンドボード並。実際、正真正銘のサウンドボード『OTTAWA 1987』と比べても半歩も負けていないのです。そんな超クリア・サウンドで描かれるのは、特異点“GLASS SPIDER Tour”の現場。さすがにセットは公式『GLASS SPIDER(アルバム版)』と同一だったりしますが、映像版とは異なる。より有名なのは後者でもありますので、ここでは映像版との比較で整理しておきましょう。ネヴァー・レット・ミー・ダウン(7曲)・Glass Spider/Day-In Day-Out/Bang Bang/Never Let Me Down/’87 And Cry(★)/Time Will Crawl(★)/Beat Of Your Drum(★)クラシックス(18曲+α)・ダイアモンドの犬:Rebel Rebel/Big Brother(★)/Chant Of The Ever Circling Skeletal Family(★)・スケアリー・モンスターズ:Up The Hill Backwards/Fashion/Scary Monsters (And Super Creeps)(★)・レッツ・ダンス:China Girl/Let's Dance/Modern Love・その他(70年代):All The Madmen(★)/"Heroes"/Sons Of The Silent Age/Young Americans/The Jean Genie/Fame/Time・その他(80年代):Absolute Beginners/Loving The Alien/Blue Jean※注:「★」印は公式『GLASS SPIDER(映像版)』で聴けなかった曲。クリアさ/ダイレクト感は公式『GLASS SPIDER』スペシャル・エディションやサウンドボード・アルバム『OTTAWA 1987』にも匹敵しつつ、確かな現場の「居合わせ感」もしっかりと宿っている。まさに希代クリア・オーディエンスです。それほどのサウンドで「MSGのボウイ」をフル体験できる文化遺産アルバム。「1987年9月1日マディソン・スクエア・ガーデン公演」の極上オーディエンス録音。客録の難所“MSG”とは信じられないほどのクリア・サウンドで、郭までキリッと引き締まった芯が大気を貫き、レーザー光線の如くクッキリ・ハッキリ。正真正銘のサウンドボード『OTTAWA 1987』と比べても半歩も負けていません。SBD級の鮮やかさを誇りつつ、確かな臨場感で「MSGのボウイ」をフル体験できる新名盤です。Madison Square Garden, New York City, NY, USA 1st September 1987 TRULY PERFECT SOUND Disc:1 (57:43) 1. Purple Haze 2. Up The Hill Backwards 3. Glass Spider > Up The Hill Backwards (Reprise) 4. Day In Day Out 5. Bang Bang 6. Absolute Beginners 7. Loving The Alien 8. China Girl 9. Rebel Rebel 10. Fashion 11. Scary Monsters (And Super Creeps) 12. All The Madmen Disc:2 (73:00) 1. Never Let Me Down 2. Big Brother > 3. Chant Of The Ever Circling Skeletal Family 4. ‘87 And Cry 5. “Heroes” 6. Sons Of The Silent Age 7. Time Will Crawl 8. Band Introduction 9. Young Americans 10. Beat Of Your Drum 11. The Jean Genie 12. Let’s Dance 13. Fame 14. Time 15. Blue Jean 16. Modern Love David Bowie - vocals, guitar Peter Frampton - guitar, vocals Carlos Alomar - guitar Carmine Rojas - bass guitar Alan Childs - drums Erdal Kizilcay - keyboards, trumpet, congas, violin Richard Cottle - keyboards, saxophone Tour dancers: Melissa Hurley Constance Marie Spazz Attack (Craig Allen Rothwell) Viktor Manoel Stephen Nichols Toni Basil (choreography)