ビートルマニアに送る専門レーベルが始動、その記念すべき最初のリリースは定番音源のベストバージョンを一気に二タイトル!まず第一弾はデビュー前ビートルズを捉えた超定番であるデッカ・オーディション・テープ。アナログLPからグレーゾーンCDに至る現在まで、数え切れないほどのアイテムが生み出されてきた名録音。実際いくつものアイテムを所有するマニアも少なくないかと。そんな超定番デビュー前音源もマニア間での精査が進み、ここ10年の間で『NEVER MIND THE TREMELOES』、さらに『DECCAGAIN』というファン・リリースにて極められた感があり、現在も大ベストセラー続行中の『THE COMPLETE JOE POPE TAPES』では後者を採用していました。ところが同タイトルリリース後、この音源を広めた張本人でもあるアメリカのファンクラブ主宰ジョー・ポープが所有していた正真正銘のマスターがマニアから提供されたのです。先に挙げた二タイトルも元はと言えばポープのマスターを使用していた訳ですが、それを流通させる際に何らかの処理が加えられていた。その中でも『DECCAGAIN』は一切のイコライズが施されていなかったことから『THE COMPLETE JOE POPE TAPES』に使用した訳ですが、それでもなお録音レベルのムラを調整すべく音量に調整が加えられていたのでした。その最たる例が「Till There Was You」。元々が静かで音量低めに演奏されるレパートリーだったことから、特にこの曲では音量が上げられる場合が多く、それは『DECCAGAIN』に限らず、過去のデッカ・オーディション・アイテムの多くにみられた現象であり、そのせいでこの曲になるとヒスノイズがマシマシだったのです。ところが今回は正真正面のマスターに一切の小細工なしな状態での収録を実現させましたので、そうした現象は一切みられません。さらに『THE COMPLETE JOE POPE TAPES』では初心者でも安心して聞かれるよう「Money」のイントロにあったヨレ(まるで慌てて録音ボタンを押したような)を丁寧にレストアしていたのですが、今回はそうした箇所もあえて手を加えることなくそのままの状態で収録させており、だからこそ「Unprocessed」でのリリースが実現するという訳です。逆に言えばイントロのストレスがなく聞き通せる『THE COMPLETE JOE POPE TAPES』の価値も色褪せない訳ですが、さすがに一切の小細工なしな生のままのデッカ・オーディション・テープは格別。マスターならではのナチュラルな味わいは言わずもがなですが、これが1962年の元旦に行われたオーディションのテープそのままの状態がここにある。今のところオフィシャルでは『ANTHOLOGY1』で小出しされたのみですが、もうその時点で音質が変わってしまっていた。それが仮に将来デッカ・テープのすべてがオフィシャルにリリースされるとしてもリマスターの名の下で何らかの手が加えられてしまう事は必須でしょう。何ならAIを駆使してステレオ化される可能性すらある。そう考えると、この文字通り「Unprocessed」な状態での収録の価値は計り知れず、なおかつ今までありそうでなかった掛け値なしのベスト・バージョンが遂に実現したのです。そしてボーナスには現在流通するEMIでのファースト・レコーディングからの二曲もベストの状態であった2011年版にて追加収録。「Besame Mucho」のエンディングは『ANTHOLOGY1』ですとループしながらフェイドアウトするという(『SESSIONS』時代からおなじみの)演出が加えられていた訳ですが、今回は幻の『SESSIONS』の初期バージョンを収録して話題となったファン・リリース『1,2,3,4!』で聞かれた純正のエンディングをパッチ。そこへ今回はフィナーレ「チャチャブー!」まで聞き取れるよう調整しましたので改めて『ANTHOLOGY1』とは別次元の純正エンディングに驚いてください。マニアでなくとも一度は耳にしたことがあるのでは?と思えるほど定番のデッカ・オーディション。この定番の極みたる貴重音源のベスト・バージョンこそ新レーベルの船出に相応しい。2024年の元旦は是非この最良のデッカ・テープでお過ごしください!定番のデッカオーディション音源の最終決定版!EQやノーマライズも一切なしの初登場RAWソース!Joe Popeが所持していたマスターリールからDATへダイレクトトランスファーされた真のunprocessed音源です!Money冒頭のギュルンというグリッチも修正せず完全未加工のまま収録。マスター本来の鮮度の高い音質をお楽しみください。ボーナスにはEMIでのファースト・レコーディングからの二曲もベストの状態で追加収録。ノイズリダクション控えめで音質が向上した『ANTHOLOGY1』の2011年リマスター(公式未CD化)音源をベースに、「Besame Mucho」はエンディング部分を『1,2,3,4!』音源でパッチ。既発の『1,2,3,4!』音源はポールのボーカルに僅かなヨレがありましたが、本盤使用ソースはヨレなし・最後のCha-cha-boom!までしっかり聴こえます。UNPROCESSED DECCA AUDITION TAPE(1CD) (40:09)-Unprocessed Decca Audition Tape- Decca Studios, West Hampstead, North London, UK 1st January 1962 Producer: Mike Smith Engineer: Mike Savage 01. Money (That's What I Want) 02. Shiek Of Araby 03. Memphis, Tennessee 04. Three Cool Cats 05. Sure To Fall (In Love With You) 06. September In The Rain 07. Take Good Care Of My Baby 08. Till There Was You 09. Crying, Waiting, Hoping 10. To Know Her Is To Love Her 11. Besame Mucho 12. Searchin' 13. Like Dreamers Do 14. Hello Little Girl 15. Love Of The Loved -First EMI Session Tape- Studio Two, EMI Studios, Abbey Road, London, UK 6th June 1962 Producers: George Martin, Ron Richards Engineer: Norman Smith 16. Besame Mucho (Anthology+1,2,3,4!) 17. Love Me Do (Anthology 2011 Remaster) John Lennon: guitar, vocals, harmonica Paul McCartney: bass, vocals George Harrison: guitar, vocals Pete Best: drums