80年代最大のヒット作となった『CRAZY NIGHTS』を携え、全世界を席巻していた1988年のKISS。4年ぶりのヨーロッパ遠征でもハイライトの現場を特集した決定盤セットが登場です。そのハイライトとは、伝説フェス“MONSTERS OF ROCK”の本拠地「1988年8月20日ドニントン公演」。そのライヴアルバム2種+映像をコンパイルした3枚組です。それぞれ定番として人気を博したものですが、本作は単なる寄せ集めではなく、現在知られているベスト・マスターを改めて検証し直した真なる決定盤でもあります。それでは、それぞれのディスクを個別にご紹介していきましょう。DISC 1:独自ルートによるFM放送の最高峰盤 まず登場するのは、FM放送サウンドボード。古くからの大定番なわけですが、本作に採用されているのは最高峰を更新する新マスター。当店では、独自の関係者ルートで数々の名作群をご紹介しておりますが、今回の新マスターもその独自ルートでもたらされたものなのです。実際、そのサウンドは過去最高。いわゆる「オフィシャル級」というヤツでして、ミックスも収録も素晴らしく、特に五臓を蹴り上げ、六腑を揺する重低音のド迫力は圧倒的。しかも、それだけパワフルでありながらアンサンブル全体に均整の美も宿り、確かなマスター鮮度によって瑞々しさもたっぷりです。ただし、FM版の放送枠は40分弱。フルショウにはほど遠い不完全収録でもあります。では、どんな曲が極上サウンドボードで楽しめるのか。ここでフルセットとの比較で整理しておきましょう。70年代(10曲)・KISS:Deuce(*)/Cold Gin/Black Diamond/Firehouse/Strutter・DESTROYER:Shout It Out Loud/Detroit Rock City(*)・その他:Love Gun(*/Calling Dr. Love/Rock And Roll All Nite(*)80年代(7曲)・LICK IT UP:Fits Like A Glove(*)/Lick It Up(*)・CRAZY NIGHTS:No, No, No/Crazy Crazy Nights・その他:Heaven's On Fire(*)/Tears Are Falling/I Love It Loud ※注:「★」印はFM放送されなかった曲。DISC 2:名匠“Crazy S.”氏によるフル録音 そんなFM放送の食い足りなさを払拭してくれるのがDISC 2。フルセット完全収録のオーディエンス録音です。もちろん、こちらもただのフル億音ではない。かの世界的名匠“Crazy S.”氏の大元カセットからダイレクトにデジタル化された銘品中の銘品なのです。そのサウンドたるや、完全オフィシャル級であるFM放送(DISC 1)にも負けていない。もちろん、音色的にはいかにもオーディエンス的でサウンドボードと間違えるタイプではないのですが、芯は極太で間近に迫り、細やかなディテールを伴って耳元に飛び込んでくる。そのクリアさの要因は“Crazy S.”氏の技量によるものですが、同時に現場の環境も大きい。何しろ、会場はだだっ広い丘にステージを特設したドニントン。音を反射する壁も天井もないオープン・スペースだけに、反響ゼロで出音をダイレクトに吸い込んでくれるのです。その上で、さらに周囲の熱狂が控えめなのもポイント。後述の映像篇ではステージ前の喧騒を体感できるのですが、“Crazy S.”録音は極太の演奏音を邪魔するオーディエンス・ノイズがない。ここからは想像ですが、恐らくステージから離れたPA塔に向かって録音されているのではないでしょうか。ステージから離れれば騒動に巻き込まれませんし、PA塔の側なら距離感なく出音を捉えられる。実際の録音法までは伝わっていませんが、そうとでも考えなければ説明が付かないほどの名録音でもあるのです。DISC 3:灼熱の絶景フル映像 さて、そんな極上ライヴアルバム×2種でもお腹いっぱいですが、さらにトドメを刺してくれるのが映像篇。ハイライト公演の現場で撮影されたオーディエンス・ショットです。こちらのスゴ味は、圧倒的なまでの体験感。思いっきり引くとそこそこ距離もありそうなのですが、果敢なズームでステージに迫る迫る。前方客の腕も映り込むために絶景とは言えないものの、そのスキマを縫う撮影技が素晴らしくポール、ブルース、ジーンが画面いっぱいになるほどアップになる。しかも、ステージ中央を真正面に見据えたセンターというのが美味しい。フロント3人がアグレッシヴに走り回っても押さえることができ、フォーメーションも見逃さないのです。そして、本作を決定づけているが現場の熱狂。1988年のドニントンと言えば、GUNS N' ROSESの出演中に2人が圧死するという悲劇でも知られるフェス。二番手のGUNSに対してKISSは準トリ(五番手)なのでそこまで殺気立ってはいませんが、熱狂度は尋常ではない。そのド真ん中に立ち、ノーメイク全盛に達したKISSのフルショウを体験できるのです。独自ルートで発掘された最高峰更新のFMサウンドボードに、伝説のオーディエンス録音/映像のベスト・マスターまでセットした一大決定盤です。今となっては貴重となったノーメイク時代でもハイライトの現場を味わい尽くせる3枚組「1988年8月20日ドニントン公演」のライヴ・セット。FM放送サウンドボード録音/極上フル・オーディエンス録音/オーディエンス・ショットをセットした3枚組です。定番のFMサウンドボードは独自ルートによる最高峰マスターで、オーディエンス録音は名匠“Crazy S.”氏の大元カセット起こし。映像篇も絶大なマスター鮮度が瑞々しい銘品で、ノーメイク時代でもハイライトの現場をお腹いっぱい体験できます。Donington Park, Castle Donington, UK 20th August 1988 FM/AUD(from Original Masteres) Disc 1(38:38) FM Broadcast: Friday Rock Show BEST VERSION 1. Cold Gin 2. Black Diamond 3. No No No 4. Firehouse 5. Crazy Crazy Nights 6. Calling Dr. Love 7. Tears Are Falling 8. I Love It Loud 9. Strutter 10. Shout It Out Loud STEREO SOUNDBOARD RECORDING Disc 2(73:34) Original Audience Recording 1. Intro 2. Deuce 3. Love Gun 4. Fits Like A Glove 5. Heaven's On Fire 6. Cold Gin 7. Black Diamond 8. No, No, No 9. Firehouse 10. Crazy Nights 11. Calling Dr. Love 12. Tears Are Falling 13. I Love It Loud 14. Strutter 15. Shout It Out Loud 16. Lick It Up 17. Rock And Roll All Nite 18. Detroit Rock City DVD 1. Intro 2. Deuce 3. Love Gun 4. Fits Like A Glove 5. Heaven's On Fire 6. Cold Gin 7. Black Diamond 8. No, No, No 9. Firehouse 10. Crazy Nights 11. Calling Dr. Love 12. Tears Are Falling 13. I Love It Loud 14. Strutter 15. Shout It Out Loud 16. Lick It Up 17. Rock And Roll All Nite 18. Detroit Rock City COLOUR NTSC Approx.67min. Paul Stanley - Guitar, Vocals Gene Simmons - Bass, Vocals Bruce Kulick - Guitar Eric Carr - Drums, Vocals