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Pink Floyd ピンク・フロイド/狂気 The Dark Side of the Moon Compilation of Various Recording Session Studio Outtakes

1973年3月1日に発売され、今なおロック・ミュージック最大の金字塔として輝く不滅の名作『狂気』。本盤は『狂気』全曲の別バージョンをフィーチャーしたアウトテイク集の決定盤です!その内容は、PINK FLOYD研究家が初登場マスターや最高峰マスターを厳選・再構成した「もう1つの狂気」です。本作は多種多様なスタジオ・アウトテイクが収録されていますが、単に貴重テイクをかき集めているわけでもありません。大きく2つのセクションで構成され、音楽作品としてきっちり作り込まれてもいる。早速、セクションごとにご紹介していきましょう。本編:レアテイクで組まれた「もう1つ狂気」本作のメインとなるのは、アウトテイクで組み直された『狂気』。全曲とも正規テイクと大きく異なっており、それでいながらオフィシャル作品としても通るほどのクオリティも併せ持った「もう1つの狂気」です。伝説の「全部盛り」テイクがアップグレードしたB面 本作では大きく3種のテイクから『狂気』を再構成しているわけですが、激レアかつ一番面白いのはB面パートの「Alternate Mix」。ビートルズ系タイトルでお馴染みだったSilent Seaレーベルから2008年に突如リリースされたフロイド・タイトル『THE GREAT GIG IN THE SKY』に収録されて存在が明らかになった別ミックスなのですが、本作はなんとそのコピーではなく大元のマスターから収録したアップグレード版。Silent Sea盤はMDかmp3がソースとなっている圧縮音源から起こされていましたが、本作は大元のデジタル・マスターからロスレスでトランスファーされた最高峰マスターを使用している。このロスレス・マスターはネットにも出回っておらず、研究家筋で密かに流通していた秘中の秘なのです「格段に音が良くなった別ミックス」というだけでも必聴モノですが、真のスゴ味はそこではなく、世にも珍しい「マルチの全部盛り」なのです。このオルタネイト・ミックスが誕生したのは、90年代に行われた公式5.1chリミックス盤の製作中。ある日、作業していたエンジニアがマルチトラックのテープをセットしたまま昼食に出かけたのですが、そのスタジオに誰も居ない30分間のスキを狙った人物がマルチトラックマスターを再生。それを卓からダイレクトに録音したというなんとも曰く付きの音源なのです。ここでポイントなのは「ミキサー卓の16トラック全チャンネルのフェーダーをフルにしていた」こと。これにより、バランスを考えて調整されるはずの各チャンネルが全部フル音量で録音されたのです。つまり「最終版ではオミットされた音」や「普段なら気づきにくい音」もデカデカと収録。例えば「Money」ではリリース版では聴こえないシェイカーが鳴っていますし、最終盤でフェイドアウトする「その後」も収録している完奏バージョン。スキャットやジャムっぽいエンディングも1分近く聴けますし、ヴォーカル・ラインも異なっている。他にも「Us And Them」なら二重のサックスがデュエットしており、曲の終わりにはピアノとバッキング・ヴォーカルになっている。「Brain Damage」は最終ミックスで削除されたチューブラーベルも聴くことができます。極めつけはラストの「Eclipse」のエンディング。鼓動のウラで僅かに聞こえていた語りが長々と、しかもメイン・ヴォーカルと同レベルで聞こえる。リマスター盤などで「こんな音も入っていたのか」と驚くことがありますが、その衝撃を最大級で味わわせてくれる「全部盛りのB面」なのです!原初の姿を再構成したA面 エンジニアの昼食時間を狙うとは大胆な話ですが、そのため録音することが出来たのはオープンリールデッキにセットされていたB面の分だけ。A面までは手が回らなかったようです。そこで、本作ではA面パートを別ソース2種を駆使して再構成されている。メインは「1972 Early Mix」。これは文字通りアルバム制作時のアラン・パーソンズによる初期ミックスで、2011年の公式『IMMERSION BOX SET』と同じ最高峰マスターから収録しています。ただし、この初期ミックスは冒頭の「Speak To Me」が未完成のため使われず。そこで本作では1974年ツアーで使用されていたSEテープの長尺バージョンを収録しています。これは『IMMERSION BOX SET』にも収録されていたスクリーン用映像に被せられていたもの。そこから音声だけを抜き出し、他トラックとのバランスを整えて収録致しました。これによりB面の別ミックスまでをストレートに楽しむことができるようになっています。後半:さらに貴重なアウトテイク群 本編となる「もう1つの狂気」に続くのは、さらに多彩なアウトテイク9曲。これも大きく3つ分けられるので、個別にご紹介していきましょう。原曲バージョン(2曲)まず登場するのは別バージョン以前となる原曲段階の2曲。1つは「Us And Them」で、この曲は元々「The Violent Sequence」というタイトルで映画『砂丘』に提供するために作曲されました。しかし、「ユージンみたいな曲」を想定していた監督のミケランジェロ・アントニオーニが却下してお蔵入り。実のところ、この原曲バージョンは『IMMERSION BOX SET』にも収録されたのですが、どういうわけかズタズタにエディットされて短くされていた。本作では未編集6分19秒のフルバージョンで収録しています。2つ目は「On The Run」の原曲となる「The Travel Sequence」。ライヴ・アレンジのままスタジオ録音されたもので、あの独特なシンセ・リフがなく、ギターがリードするバージョン。曲自体が一から作り直された為、このスタジオバージョンが使用されることはありませんでした。 大アップグレードのラフミックス(4曲)これも本作の目玉の1つとなる初登場音源。テイク自体はいにしえのイタリア製ブート『FROM THE OTHER SIDE』で89年に登場したのが初でしたが、本作はその大元から起こされたアップグレード版。ネット等でも出回っていない研究家筋の激レア・マスターで、モコモコしていた『FROM THE OTHER SIDE』テイクとはテープジェネレーションがまるで違う高音質に生まれ変わったトラックです。その内容も非常に興味深い。ひと口に「ラフミックス」と言っても様々ですが、この場合は「最後のツメが決まってない」といった感じ。音楽的な完成度は高いものの、一発で最終盤との違いが分かる一番オイシイ段階です。例えば「Time」ならリード・ギターがまだない代わりにイントロが30秒ほど長く収録されていますし、「Us And Them」はテープエコーもなくサックスもテイク違いなのが面白い。「Brain Damage」「Eclipse」はリリース版でオミットされたギルモアのギターがオーバーダブされています。また「Brain Damage」は『FROM THE OTHER SIDE』と同じく歌詞1番目にあたる前半部分が欠落していたのですが、本盤ではポンペイ音源から補完しましたので途中フェードインのもどかしさもなく聴くことが出来ます。ライヴで使用されたSE音源(3曲)本作の最後を締めるのは、73年?75年のライヴツアーで使用されたSEテープ音源。公式『IMMERSION BOX SET』のブルーレイに収録されていたスクリーンフィルムにシンクロされていた音声ですが、トラック01のSpeak To Meが1974年の英国ツアー・バージョンだったのに対し、こちらは1975年の北米ツアーで使用されたものです。余談ですが、このテイクは公式DVD・ブルーレイには誤って74年フランスツアーのものとして収録されてしまっていました。残りの2トラックも演奏が被らずSEのみを聴くことができる貴重音源です。以上、『狂気』全曲+9テイクに及ぶ秘宝集。衝撃の「全部盛りのB面」をフィーチュアした「もう1つの狂気」や大アップグレードしたラフミックス、最高峰クオリティの原曲など、『狂気』レア・トラックスの決定盤です。『狂気』アウトテイクの決定盤。前半は3種のマスターを駆使して構成された『狂気』全曲の別バージョンで、特に強烈なのは公式のリミックス作業中に忍び込んで録音されたB面パート。全チャンネルをフルにして録音されたため、最終版では聴き取れなかった演奏やSEまで主旋律ばりに浮き立つ異次元テイクです。後半は原曲版や激レアなラフMIXなど個別テイクを9曲分収録。まさに50周年の結論となる極めつけの1枚です。Compilation of various recording session studio outtakes (78:22) *British Winter Tour '74 Extended Tape 01. Speak To Me *1972 Early Mix 02. Breathe (In The Air) 03. On The Run 04. Time 05. The Great Gig In The Sky *Alternate mix from multi-track master 06. Money 07. Us And Them 08. Any Colour You Like 09. Brain Damage 10. Eclipse *Studio Recording Sessions 11. Us And Them (1969 recording version) 12. The Travel Sequence (studio version) 13. Time (rough mix) 14. Us And Them (rough mix) 15. Brain Damage (rough mix) 16. Eclipse (rough mix) *SE tapes for concert tours 17. Speak To Me (North American Tour '75) 18. Money 19. Us And Them

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