ザ・フーの記念すべきファースト・アルバム『MY GENERATION』は後の彼らのアルバムと違い当時の売れっ子プロデューサーだったシェル・タルミーとの契約の元に作られたアルバムだったせいでマスターテープがフーの管理下になく、彼らほどのビッグネームのアルバムでありながら、どうしても再発が実現しない…という状況に長らく置かれた不遇の存在でした。今でこそ本アルバムはモノとステレオ両方のミックスがしっかり公式でリリースされていますが、それが実現したのは21世紀を迎えてからの事。ようやくタルミーの管理下から解放されたマスターテープの内、本来の姿であるモノ・ミックスの方を借り受けておなじみClassic Recordsが徹底したオール・アナログ・プロセスで作り上げたレコードを2005年にリリース。これだけでも十分にレアなアイテムかつ別次元の高音質レコードだったのですが、その中でも最上級リリースとなったのが「テストプレス」かつ「12インチ45回転」かつ「200g重量盤」かつ「片面のみのプレス」かつ「四枚組」という文字通りの異次元究極フォーマット!当然たった20セットしか制作されず、コレクター間でも当たり前のように超高値を呼んでいるメガレア・バージョン。「世界で20人しか聴けない究極のセット」であったわけです。そしてこれ以上に肝心なのは、音質が何より全ての『MY GENERATION』のリリースの中で最上級だということ。何しろ本作は元々が収録時間がせいぜい40分という長さのLPとしてリリースされたものでした。それをマスターテープまで遡った上で「12インチ45回転×片面プレス×四枚組」、なおかつClassic Recordsならではの高品位なプレスとなれば音質が良くならない訳がないというもの。というかこれ以上の仕様での音質向上はもはや不可能と言って良い。先に触れた理由から本アルバムは21世紀を迎えるまで再リリースの機会が極端に少なく、それが皮肉なことにマスターテープの劣化を免れるという結果につながっています。そんな音源を高音質かつ試験的に作られた「12インチ45回転×片面プレス×四枚組」で作られたものだから、盤から飛び出してくるような高音質ぶりはあまりに別次元。それはもう「The Kids Are Alright」のイントロ「じゃら~ん」を聞いただけで差が歴然としている 現行の公式モノ・リマスターもかなりいい線を行っているように思えたのですが、今回のテストプレスの音の前では差がありすぎて勝負にならない。「ナチュラル」とかいうレベルではなく、同じモノラルでこれほどまで鮮度や音の豊かさが違うのか?と唖然とさせられてしまうはず。モノラルでありながら広がりすら感じさせるのだから驚き。正にClassic Recordsの高品位なプレスの圧倒的な仕上がり、さらにはマスターテープをフルに活かし切った圧巻の音質。掛け値なしにブランズウィックから1965年にリリースされたオリジナル盤をも軽く凌駕してしまう!むしろ60年代のオリジナル盤は下手に状態のイマイチなものを手に入れてしまうと、却って古臭い音にしか鳴らない場合も多いので、なおさら劣化の少ないマスターテープのポテンシャルを活かし切ったClassic Recordsらしい鮮烈な音の圧勝かと。その一方、極めて貴重かつ高音質なアイテムではありますが、入手が困難で高価なアイテムというだけでなく、たかだか40分のアルバムを「12インチ45回転四枚組」で聞くのは音楽ソフトとして狂気の沙汰と言え、音質追求を最優先した結果、不便な一面があるのは否めない。しかし今回のリリースでこの別次元な高音質をCD一枚でサクッと聞き通せてしまうのだから便利すぎる。それでいてこの圧倒的な高音質はそのまま。もちろんLPからの収録に際して生じるスクラッチノイズは徹底的に削除していますが、それでいて極めてクリアーで伸びやかな本盤の持ち味を一切損なうことなくCD化させました。文句なしに音質最高峰かつメガレアな『MY GENERATION』モノラルを安心して、なおかつ浴びるように聞いてください!(36:13) Side A-1 1. Out In The Street 2. I Don't Mind 3. The Good's Gone Side A-2 4. La-La-La Lies 5. Much Too Much 6. My Generation Side B-1 7. The Kids Are Alright 8. Please, Please, Please 9. It's Not True Side B-2 10. I'm A Man 11. A Legal Matter 12. The Ox





























