ザ・フー1989年の再結成ツアーは難聴でピート・タウンゼントがエレキを弾けないという状況、また現在ではおなじみとなったサポート・ミュージシャンを加えて人数の増えたバンド構成に戸惑いを覚えたファンも少なくなかったかと。そうした状況の中でフーの歴史においても見過ごされがちな時期ではありましたが、21世紀を迎えると当時の極上オーディエンス録音が次々と発掘され「こんなにいいツアーだったのか?」と再認識される結果に。まずピートがエレキからアコギメインとしたこと、さらにミュージシャンを増やしたことが見事に実を結び、初めてフーのアルバムにあった緻密な音作りをステージでも再現できたことが画期的なツアーだったのです実際『TOMMY』のようなアルバムでもエレキよりアコギの方が多用されており、それをキース・ムーン時代は少ないバンドメンバーで演奏しなければいけないことからワイルドなサウンドに頼っていた。ところが89年のツアーでは、それまでのフーが不可能だったアルバムの豊かなサウンドを最新のテクノロジーの恩恵までも受けてステージ上で再現している。その最たる例が「Pinball Wizard」。アルバム・バージョンと同じようにピートが繊細なアコギでイントロを奏でている姿に感動したマニアは少なくなかったはず。この画期的だったツアーは公式のライブアルバムや6月の『TOMMY』再現ライブがビデオとしてリリース、さらにいくつかの公演の流出プロショットまで存在。そうした中で完全に見過ごされてきたのが9月のダラスはコットン・ボウルでのラジオ生中継ライブ。これは文字通り生中継ということから所謂Pre-FMの段階な音源が存在しない。おまけに今まで不完全収録なCDが一枚リリースだけ存在という点でも完全に見過ごされていました。ところが今回公開されたのは当時マクセルのハイポジ・カセットを使ってエアチェックしたバージョンを元にしたもの。同じステレオ・サウンドボード録音でも公式ライブアルバムはもとより、放送に向けてきっちりミキシングが施されているラジオライブとも異なる生々しさが大きな魅力。ましてや大所帯バンドのダイナミックなサウンドでありながら、アルバム同様の緻密なサウンドを奏でてみせた89年のステージの魅力をリアルに感じさせる生放送らしさが実にイイ。それに何と言ってもジョン・エントウィッスルが健在どころか現役バリバリな存在感を放っている点も大きすぎる。ちなみに公開時にはピッチが上がった状態が放置されたままでしたが、今回のリリースに際してきっちりアジャストしてより聞きやすく。Westwood One Live Broadcast UPGRADE!!! Disc:1 (61:51) 1. Intro 2. I Can't Explain 3. Substitute 4. I Can See For Miles 5. Amazing Journey 6. Sparks 7. Pinball Wizard 8. We're Not Gonna Take It 9. See Me, Feel Me 10. Baba O'Riley 11. Eminence Front 12. Face The Face 13. I'm A Man 14. Boris The Spider Disc:2 (70:48) 1. Magic Bus 2. 5:15 3. Love, Reign O'er Me 4. Rough Boys 5. Join Together 6. You Better You Bet 7. Behind Blue Eyes 8. Won't Get Fooled Again 9. The Real Me 10. Hey Joe 11. Born On The Bayou 12. Who Are You? 13. Closing credits STEREO SOUNDBOARD RECORDING Roger Daltrey: Guitar, Vocals, Harmonica John Entwistle: Bass, Vocals Pete Townshend: Vocals, Guitar Steve 'Boltz' Bolton: Guitar John Bundrick: Piano, Keyboards Chyna: Backing Vocal Simon Clarke: Brass Section Simon Gardner: Brass Section Jody Linscott: Percussion Roddy Lorimer: Brass Section Billy Nicholls: Backing Vocal Simon Philips: Drums Tim Saunders: Brass Section Neil Sidwell: Brass Section Cleveland Watkiss: Backing Vocal





























