1970年秋のアメリカ・ツアーと言えば決定版のリリースの記憶も新しい『LIVE ON BLUEBERRY HILL』にとどめを刺しますが、さらには最終日のマディソン・スクエア・ガーデンという名演もある。これら二つの代表的なステージの合間で行われ、意外とマニアに見過ごされがちなのが9月9日のボストン・ガーデン。この日はモノラル録音のSource 1とステレオ録音のSource 2が存在します。本ツアーでの珍しいステレオAudが魅力的な後者ですが、その反面カットが頻発するという問題を抱えている。その点モノラルAudな前者の方がスッキリとして聞きやすく、また録音状態が安定していることからもボストン70と言えばマニアの間ではSource 1のアイテムによって知られていた日かもしれません。このSource 1はブルーベリーヒルの域には及ばないまでも70年秋のオーディエンス録音としては非常に聞きやすい。だからこそ過去にリリースされてきた本アイテムのメイン・ソースとされてきた訳ですが、こちらにもカットがない訳ではなく、そこをSource 2で補えば全長版のリリースが可能であった。にもかかわらず、これまでのアイテムはどちらかの音源を収録したもののみばかりでした。公演そのものがマニア以外に見過ごされがちだったというだけでなく、そうした完全版のリリースまでもが見過ごされていたのがボストン。そんなありそうでなかった完全版のリリースに着手したのが今週のリリース。確かにSource 1の欠損部をSource 2で補填することは難しくないのですが、単につなげるだけではモノラルとステレオの違和感が生じてしまう。そこで後者をモノ化させた上での補填を徹底。それは開演前のオープニング・アナウンスからして緻密な編集が施されており、本来は8月14日にボストンで行われる予定だったイーグル・ロック・フェスティバルがキャンセルからの振替で本公演が行われたいきさつが説明される場面を最長収録。これだけでも本リリースがどれほどのこだわりを持って作られたのかが分かるはず。その補填用に使うSource 2もネットに出回っているバージョンには不要なカットが生じていたことから、今回はネットを経由しないトレーダー・バージョンを使用。これでネット版には余計なカットが生じていた「Bring It On Home」と「That's The Way」の曲間もしっかりノーカットに修復。またSource 1の方も過去のアイテムの元になったバージョンよりも明らかに状態が良く、特にアコースティック・コーナー辺りから生じていた歪みが過去のアイテムでは生じがちでしたが、そこが減少して俄然聞きやすくなっています。一方ボーナスにはラスト二曲のSource 2バージョンを収録。これらの曲を奥行きのあるステレオ録音で楽しめる訳ですが、やはり「Whole Lotta Love」では本ソース特有のカットが頻発。そこでSource 1を緻密に補填することで基本ステレオでありながら完全版のラスト二曲が楽しめるという趣向なのです。この「Whole Lotta Love」ですが、中間ではテンポ速めな「For What It's Worth」からどう流れようか迷いつつ、結局「Some Other Guy」に行くという展開がブルーベリーヒル直後のライブらしいのですが、その雰囲気がまるで違うのがこの時期のZEPの偉大なところ。それにライブ序盤「Heartbreaker」ではプラントが歌の構成を思いっきり間違えるというハプニングが微笑ましいくも演奏に全く影響を与えないのがこの時期ならでは。それどころかこの日も全編を通してプラントの壮絶なスクリームが冴え渡っており、かと思えばブルーベリーヒルのLAフォーラムと同じように当時リリース前だったインスト「Bron-Yr-Aur」を披露するという、このツアーならではの場面も実に聞きやすい音質で捉えられている。こうして今まで見過ごされがちだった70年ボストン初の最後まで安心して聞ける全長版のリリースは画期的。音質も演奏も驚くほど素晴らしい!リマスター・メモ 音質ベストのAud音源をメインに編集、曲間も含めノーカット完全収録 ボーナストラックにソース2(ステレオAud)に補填を施し「胸いっぱい」、「コミュニケーション」の疑似完成版を収録。使用音源概要(※ネットではない)・Src1・・・モノAud音源。ライブ後半部分がLP時代に初登場。CDでは90年代中頃にHoly盤で本音源の後半部が初登場。2000年代に入りライブ全長が登場。今回のメイン音源。・Src2・・・ステレオAud音源。LP時代には出てなく、'95年頃にSIRA盤CDで初登場した2つ目のAud音源。今回はライブイントロなどの数カ所の欠落部の補填にモノ化した上で使用。ボーナストラックはステレオ。Boston Garden, Boston, MA, USA 9th September 1970 PERFECT SOUND Disc 1 (76:02) 01. Introduction ★出だし-1:08 Src2をモノラル化して補填 02. Immigrant Song 03. Heartbreaker 04. Dazed And Confused 05. Bring It On Home ★9:12-9:40演奏後部分 Src2をモノラル化して補填 06. That's The Way 07. Bron-Yr-Aur 08. Since I've Been Loving You 09. Organ Solo 10. Thank You Disc 2 (72:38) 01. MC 02. What Is And What Should Never Be 03. Moby Dick ★1:29-3:28 Src2をモノラル化して補填 04. Whole Lotta Love 05. Communication Breakdown Bonus Tracks: Alternate Source 本編で補填に使用したSrc2をステレオで終盤部のみオマケ収録※Src2「胸いっぱい-」ステレオメインの疑似完成版収録。06. MC ★~0:35 / 0:46-0:50 Src1で補填 7. Whole Lotta Love ★0:04-0:10 / 1:32-2:01 / 11:38-12:02 / 13:51-13:57 ほか Src1で補填 08. Communication Breakdown 演奏後部分は既発盤よりも約28秒、ネット音源よりも約3秒長くキュルカットまで収録。





























