ジョージ・ハリスン、リンゴ・スター、さらにはエリック・クラプトンといった超豪華メンバーを迎えて行われた、カール・パーキンスの『BLUE SUEDE SHOES : A ROCKABILLY SESSION』テレビ・スペシャル。スタジオ・ライブ映像としてVHS時代から繰り返しリリースされ、パーキンスやジョージの没後にはDVD化も実現しました。現在では音声を抽出したCDとのセットもリリースされていますが、もともと1985年のテレビ音声ということもありモノラル仕様。これを映像込みで視聴する分にはほとんど気になりません。しかし付属CDで音だけを聴くと、やや厳しい印象は否めません。リリース側もその点は承知していたのでしょう、CDには疑似ステレオ処理が施されていますが、これがかえって冴えない音質につながってしまっています。この音源は現在サブスクでも配信されており手軽に聴くことができますが、その中途半端な音質はやはり物足りない。公式リリースではあるものの、これでは音声のみのライブアルバムとしての魅力に乏しく、純粋に聴いていて楽しめないのが正直なところです。そんな定番ライブにAIを駆使してテコ入れしてくれたのが海外のマニア。公式CDとは別次元のリアル・ステレオへと生まれ変わらせてくれました。その仕上がりは実に見事で、予備知識なしに聴けば、もともとステレオ・ミックスとして流通していたのではないかと錯覚してしまうほどです。試しにリンゴが歌う「Honey Don't」を聴けば一聴して分かります。演奏とボーカルが見事に分離し、立体的に飛び出してくる。それだけでなく音質自体も公式CDとは比較にならないほどクリアで、ステレオ化による広がりも抜群です。改めて、なぜ公式があの音質でリリースしたのか首をかしげたくなります。続くクラプトン参加の「Matchbox」でも、このステレオ・サウンドは存分に威力を発揮します。実質的に1970年ドミノス時代に実現したジョニー・キャッシュ・ショーでのパーキンスとの共演を彷彿とさせる内容に加え、リンゴもボーカルで加わるという豪華な場面。この曲や続く「Mean Woman Blues」でのクラプトンのプレイが、ステレオ化によって鮮烈に迫ってきます。しかも愛機ブラッキーお役御免となる直前の演奏という点もあり、このクリアな音像で聴ける意義は大きいと言えるでしょう。そして今も昔も最大のハイライトであるジョージの登場。当時すっかり映画製作に軸足を移していた彼がグレッチを抱え、「みんないい娘」(ここは敢えて邦題で)を再び歌う姿は大きな驚きをもって迎えられました。映像でのインパクトもさることながら、こうしてステレオ化された音源で聴くと、その魅力が改めて際立ちます。間奏ではビートルズ時代そのままのフレーズまで飛び出し、思わず胸が熱くなります。以降はジョージの存在感が一層際立ち、「Your True Love」でも歌う、挙句の果てにパーキンスが歌詞を忘れてジョージに振る「Glad All Over」など、出演者が円座になって進行するセッション・コーナーでも彼が大活躍。このパートは明らかにエルヴィスの68年カムバック・スペシャルのシットダウン・セッションを意識したものと思われますが、ステレオ化によってその和やかな空気感までしっかりと伝わってきます。さらに、デイヴ・エドモンズ、ロザンヌ・キャッシュ、ストレイ・キャッツ解散後にリズム隊と組んでいたアール・スリックらが加わり、今振り返ると一層豪華なオールスター・セッションであったことを実感させられます。imehouse Studios, London, England 21st October 1985 STEREO SBD (55:38) 1. Boppin' The Blues [Carl] 2. Put Your Cat Clothes [Carl] 3. Carl welcomes the band 4. Honey Don't [with Ringo Starr] 5. Matchbox [with Eric Clapton & Ringo] 6. Mean Woman Blues [with Eric] 7. Turn Around [Carl] 8. Jackson [with Rosanne Cash] 9. What Kind Of Girl [Rosanne] 10. Everybody's Trying To Be My Baby [with George Harrison] 11. Your True Love [with Dave Edmunds & George] 12. The World Is Waiting For The Sunrise [Carl] 13. welcome to rockabilly schoolhouse 14. Medley: That's Alright Mama; Blue Moon Of Kentucky; Night Train To Memphis [with George & Eric guitar solo] 15. Glad All Over [with George guitar solo] 16. Whole Lotta Shakin' Goin' On [with Eric guitar solo] 17. Gone Gone Gone [Carl, with George & Eric guitar solo] 18. Blue Suede Shoes [Carl, with George & Eric guitar solo] 19. Blue Suede Shoes (Encore) [Carl & band members] 20. Gone Gone Gone (Repeat) Carl Perkins - vocals, lead and rhythm guitars George Harrison - vocals, rhythm and lead guitars Ringo Starr - vocals, drums, tambourine Eric Clapton - vocals, rhythm and lead guitars Dave Edmunds - vocals, guitar, musical director Rosanne Cash - vocals, maracas Mickey Gee - guitar Greg Perkins - bass John David - bass Geraint Watkins - piano Dave Charles - drums Phantom, Rocker & Slick Slim Jim Phantom - drums Lee Rocker - double bass Earl Slick - guitar





























