21世紀WHITESNAKEでも、唯一無二の輝きを放った“THE PURPLE TOUR”。セルフカバーアルバム『THE PURPLE ALBUM』に伴い、第3期・第4期DEEP PURPLEの歴史的名曲群を現代に蘇らせたスペシャルなツアーでした。残念ながら、そのライヴ記録はいつものツアーに比べるとクオリティが弱かったことでも記憶に新しいところですが、そんな悔しみを晴らす極上映像が登場です!現在は、すでに“THE PURPLE TOUR”の次になる“THE GREATEST HITS TOUR”さえ終了。正直なところ、タイミングズレも良いところなのですが、本作はそれでも極上クオリティ。問答無用に“THE PURPLE TOUR”ナンバー1の素晴らしい映像作品なのです。そんな本作が撮影されたのは「2015年12月2日ユトレヒト公演(オランダ)」。ここで今一度、記念碑ツアー“THE PURPLE TOUR”の全容を振り返ってみましょう。 ・2015年5月28日-8月16日:北米(47公演)《2ヶ月後》・2015年10月20日-11月2日:日本(6公演)・2015年11月8日-12月6日:欧州(17公演)←★ココ★・2015年12月7日-19日:英国(9公演) 以上、全79公演。本作は日本公演後に行われた「欧州レッグ」の16公演目を収めたオーディエンス・ショットです。そんな本作最大の旨みは、強烈なクオリティ。まず驚異的なのが視野。現場となった“TivoliVredenburg”は、客席がステージを囲むような構造で、2・3席はかなり角度のある会場。断定はされていませんが、恐らくはその2階席から撮影されたと思われ、ステージ正面やや右寄り(レブ・ビーチ寄り)の見下ろしアングルでショウを完全収録しています。そして、その視野は完全に白蛇だけで占領されている。恐らくは2階席でも最前列だったのでしょうが、前列の腕や頭の影が一瞬たりとも映らない。それどころか引きになっても1階席の観客すらほとんど映らないのです。角度がある会場はそれだけ敷地面積的には狭く、2階席であってもステージの間近になる。その旨みが最大限に発揮された視界が画面いっぱいに広がるのです。さらにカメラワークも素晴らしい。三脚でも使っているのか、異常なほどに安定しており、微塵の手ブレもない。その安定感のまま果敢なズームも多用され、各メンバーの見どころを徹底的に追い切る。しかも、見どころを変える際には一度グッと引いて全景に戻り、その上で狙いを定めて再ズーム。この“ひと手間”があることでブレを防ぎ、ステージ全体のイメージも把握できる。それをシッカリと理解した手練れの手腕が光っているのです。さらにさらに、肝心要の画質・音質も極上。光景と同じく遮蔽物ゼロのクリア・サウンドに加え、現代デジタル機材の超絶ビビッド画質でズームに寄ればギター弦の1本1本から指板の木目までハッキリ見えるほどの映像美。しかし、ただそれだけでもないから凄い。エッジも発色も極めて現代的な鮮やかさを誇りながら、その色合いにはなぜかほんのりとフィルム撮影的な艶があり、これが得も言わぬ格調の高さを醸し出している。猛烈なクリアさと艶やかな色合い、さらに観客抜きのド安定視点……それこそ、プロショットの1アングルか、会場設営カメラのような映像美なのです。そんな光景で描かれる“THE PURPLE TOUR”がまた極上。21世紀WHITESNAKEは基本的にゲフィン時代を基本にしてきましたが、ここでは栄光のPURPLEナンバーが盛りだくさん。「Burn」や「The Gypsy」「You Keep On Moving」「Mistreated」「You Fool No One」に「Soldier Of Fortune」……。ヘヴィメタリックなゲフィン時代も素晴らしいですが、やはり伝統の超名曲群が21世紀仕様で蘇った姿は感動的。いつもならツアーが進むごとに厳しくなるカヴァデールも、深紫色の滋味深さを醸してくれます。日本公演で演奏した「Stormbringer」がないのは残念ですが、その代わりに東京公演でしか聴けなかった「Bad Boys」もやっていますし、何より「Ain't No Love In The Heart Of The City」を歌ってくれるところも欧州らしい。そして、そんなカヴァデールを支えるメンバーがまた良い。他の映像と明らかに違うのはトミー・アルドリッジ。見下ろし視点なので彼の叩きっぷりが手に取るように見え、1打1打で派手に見栄を切る“ショウマン・ドラマーぶり”が猛烈。また、これまで何度も書いてきましたが、レブ・ビーチ&ジョエル・ホークストラのチームは、センスも相性もバツグン。特に2人が順にソロを執るギターソロタイムは凄い。単に妙技をひけらかすのではなく、あくまでも美しく幻想的なムード。互いにタッピングを得意としながらキチンと色分けされた個性が輝き、それでいて2人の世界観が流れるように繋がる。しかも、このシーンの照明がまた最高に美しく、ジョエルのクラシカルなフレーズに合わせて光芒が激しく踊り、ステージ中央でビシッとキメる。なんてカッコ良い……。2人のギタリストだけでも見物ですが、本作最大の見どころは、もう1人のギタリストにある。オランダ公演のスペシャル・ゲストとして、エイドリアン・ヴァンデンバーグが登場するのです。彼は「Here I Go Again」で登場し、オリジネイターの凄味たっぷりに“あのソロ”を弾く。すでにVANDENBERG'S MOONKINGSでロックシーン復帰していたエイドリアンにブランク感は微塵もなく、さらに続く「Still Of The Night」もトリプルギター・バージョンを披露してくれる。長身ギタリストが3人並ぶ光景の壮観なこと! 遅れて登場した“THE PURPLE TOUR”随一の極上映像。もはや“豪華クオリティ”とさえ呼びたい映像美で“21世紀のPURPLEナンバー”を眼に焼き付けてくれる大傑作です。日本公演の想い出を鮮やかに呼び起こし、その上に貴重なエイドリアンとの再演までも目撃できる1本。今週末、あなたのお手元にお届けいたします。 Live at TivoliVredenburg, Utrecht, The Netherlands 2nd December 2015 AMAZING SHOT (1:48:16) 1. My Generation 2. Burn 3. Bad Boys 4. Love Ain't No Stranger 5. The Gypsy 6. Give Me All Your Love 7. You Keep On Moving 8. Ain't No Love In The Heart Of The City 9. Reb Beach Guitar Solo 10. Joel Hoekstra Guitar Solo 11. Mistreated 12. Michael Devin Blues Harp Session 13. You Fool No One 14. Tommy Aldridge Drum Solo 15. You Fool No One (reprise) 16. Band Introduction 17. Soldier Of Fortune 18. Is This Love 19. Fool For Your Loving 20. Here I Go Again (with Adrian Vandenberg) 21. Still Of The Night (with Adrian Vandenberg) 22. We Wish You Well David Coverdale - Vocal Joel Hoekstra - Guitar Reb Beach - Guitar Michael Devin – Bass Tommy Aldridge - Drums Michele Luppi - Keyboards Special Guest: Adrian Vandenberg COLOUR NTSC Approx. 108min.