この映像は、本編とタイミング的にも符号するフェアウェル・ツアー、10月25日カリフォルニア州オークランド公演を驚きのハイクオリティ・オーディエンスショットで捉えたもので、ネット上に突如アップロードされた、これまで完全未公開だったものです。しかもファースト・ジェネレーション!あのJEMSが製作・監修したもので、当時のパナソニックのVHSビデオカメラで撮影し、音声はわざわざナカミチ製のマイクとソニー製のメタルカセットレコーダーで同時録音して、後に編集で両者を完全シンクロさせながら、プロツールズで微妙なピッチ補整も行なったという徹底した仕事ぶりが発揮された逸品です。オーディエンスショットながら、日本製機器の優秀性を物語るようにステージの全貌を伝える画質と音声で収録されています。残念なのはオープニングからの2曲、My GenerationとI Can't Explainが未収録なことと、Who Are You?がカットイン収録なことです。冒頭の2曲の未収録については、前方の客が障害になったためとコメントされています。撮影時の苦労が想像できる欠点ですが、その他はトラブルのない環境で撮影されています。アングルは2階スタンド、ステージに向かって左45度の角度からのもので、アップ画像でもあまりメンバーのクローズアップショットはありませんが、終始ステージ全景を捉えた映像は十分この日の全貌を伝えるものとして一見の価値があります。この日はザ・フーのファンジン‘Who's News’では「現在ネット上にアップされている本ツアー40公演音源中のベスト」と謳われており、この2日前に行なわれた当会場に隣接するコロシアムでのオープンエア・コンサートでは今一つだった演奏(ロジャーが疲れからか、See Me Feel Meでドラム台に座って歌った等)が、この日には見違えるばかりのステージを披露したとコメントされています。中では、この時期には「ギター・スマッシュ」を止めていたピートがWon't Get Fooled Againの途中でアンプにギターを叩きつけるというシーンもあります(それほどショーアップされたものではなく、すぐに代わりのギターで演奏を続けますが)。さらにこの時期に激レアなTatooを演奏しています。こうした内容をもってすれば、この映像はザ・フーのファンならば見過ごすことはできないものと言えるでしょう。 Live at Oakland Coliseum Arena, Oakland, CA. USA 25th October 1982 AMAZING-SHOT Disc 1(61:06) 1. Dangerous 2. Sister Disco 3. Quiet One 4. It's Hard 5. Eminence Front 6. Behind Blue Eyes 7. Baba O'Reilly 8. Tattoo 9. Drowned 10. Man Is A Man 11. Cry If You Want Disc 2(73:16) 1. Who Are You? 2. Pinball Wizard 3. See Me Feel Me 4. Substitute 5. 5:15 6. Love Reign O'er Me 7. Long Live Rock 8. Won't Get Fooled Again 9. Encore Break 10. Athena 11. Young Man Blues 12. Twist and Shout 13. Naked Eye 14. Summertime Blues 15. Goodbye Roger Daltrey - Vocals, Harmonica, Guitar Pete Townshend - Guitar, Vocals John Entwistle - Bass, Vocals Kenney Jones - Drums Tim Gorman - Keyboards, Vocals COLOUR NTSC Approx.134min.