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Paul McCartney ポール・マッカートニー/London,UK 7.23.2018 Upgrade

アビーロード・スタジオでの「UNDER THE STAIRCASE」ギグ。当然ながら多くのアイテムを輩出していますが、映像の音声に関しては配信のジレンマか、かなり高域寄りな質感が強くアイテムによっては「カリカリ」なほど刺々しく硬質な音質で収録されてしまったほどでした。一方で音声の方は当初配信されたバージョンがまるで一昔前のmp3のような音質であり、こちらもまた難のある状態。ところが配信の手軽さが好評を受けてか後に曲が増量されたバージョンでは音質が一気に向上、当初のバージョンの汚名を晴らしてくれました。そうなると余計に気になるのが映像の音声。そもそも映像が広まった段階で動きがスロー、あるいはカクカクと映ってしまう状態のものなどがあり、この問題を解決しないままリリースされたアイテムまでありました。しかし数週間前にリリースされた「UNDER THE STAIRCASE」CD&デュアルDVDセットではこの問題が一気に解決されており、それまでにリリースされていたバージョンとは比べものにならないほど楽しめた状態が好評を博しました。だからこそ音声もアッパーな状態で出してもらえないだろうか。そんな声が当然の如く寄せられたのです。先に挙げた三枚組CD&デュアルDVDバージョンは確かに好評でしたが、いっそのこと映像に曲数増量バージョンの音を被せてもらえないだろうか…そうすればさらに楽しめるライブ映像になってくれることは間違いない。そんな世界中のマニアの思いを叶えるのが今回のリリース。「UNDER THE STAIRCASE」ギグと並ぶポールの最新ライブ映像であるグランド・セントラル駅でのギグはアルバム「EGYPT STATION」のリリースに合わせたタイミングで行われていたのに対し、こちらはアルバムのリリースからは一か月以上も前のギグ。おまけにジョニー・デップを始めとしたセレブも多数招かれるなど、どちらもスペシャルなギグでありながら、その性質がまったく違う。グランド・セントラル駅のギグは「FRESHEN UP」ツアー本編を凝縮したかのような内容でしたが、こちらはシークレット・ギグ色の強い選曲。序盤などはそれこそ昨年の武道館を彷彿とさせるかのよう。それでいて「EGYPT STATION」収録曲が随所でフィーチャーされているというのが独特の味わい。アルバムがリリースされ、いざ「FRESHEN UP」ツアーが始まってみればアビーロード・スタジオで演奏されていた「Confidante」はセットリストに含まれず。この曲は近年のポールがリリースした「Friends To Go」や「On My Way To Work」といったアコースティック・ナンバーの系譜に数えられる曲調。それ故に大観衆を前にしたツアー本編では取り上げられることがなく、ここでサウンドボード録音かつプロショット映像のライブ・バージョンが見聞きできるというのが非常に魅力的。こういった飾り気のないシンプルな曲こそマニアはライブで聞きたいというものです。またジョージ・マーティンの息子であり、今やビートルズ関連のリリースに関する作業では父を引き継いだジャイルズがポールに紹介されて登場する場面が象徴するように、曲間ではMC長めでさまざまなエピソードが語られるなど、通常のライブよりもくつろいだ雰囲気で進行するのもギグらしい場面かと。そのせいで公開された映像では曲間が随所で編集されているのが明白ですが、今回のリリースに際しては、カットによって生じた一瞬の無音を徹底的に摘まんでいます。もちろん微々たる点ではありますが、マニアであれば気になるであろう、それらの不自然な空白がなくなり、よりストレスなく鑑賞できるようになりました。セントラル駅でのギグよりも収録から公開までに時間をかけているだけのことはあり、カット割りの編集センスなども抜群。例えば「Junior’s Farm」において、ドラマーのエイヴがコーラス用のマイクを手繰り寄せた場面を捉えているところなど、見ていて唸らされてしまうような編集センスの良さが際立ちます。つまりライブ映像としての完成度が非常に高く、このままソフトとしてリリースされたとしても何ら遜色がない。演奏が始まった時に映し出される曲名の登場の仕方なども非常に洗練されていて一級品の映像作品に仕上がっている。そして何よりも音質がまったく違う。高域が目立つ映像の音声と違い、ポールのベースラインを始めとした低域がしっかりと響き渡る。おまけに彼の声に加えられたエコーの度合いなどは三年前の武道館の映像のそれを思い起こさせるような質感があります。何と言ってもビートルズ時代から縁の深いアビーロード・スタジオで行われたスペシャル・ギグ。これまでに登場した他アイテムとは違う動きの滑らかで極めてクリアーな画質の映像はもちろん、やっぱり最高の音質でもプレイバックしたいというもの。 Live in Studio 2 at Abbey Road Studios, London, UK 23rd July 2018 PRO-SHOT(UPGRADE) with the Best Audio Master!! (87:21) 1. Intro. 2. A Hard Day's Night 3. Juniors Farm 4. One After 909 5. Drive My Car 6. Come On To Me 7. I've Got A Feeling 8. I've Just Seen A Face 9. Confidante 10. Love Me Do 11. We Can Work It Out 12. My Valentine 13. Nineteen Hundred And Eighty-Five 14. Lady Madonna 15. Who Cares 16. Got To Get You Into My Life 17. Fuh You 18. Ob-La-Di, Ob-La-Da 19. I Wanna Be Your Man 20. Back In The U.S.S.R 21. Birthday 22. Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (Reprise) 23. Helter Skelter PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.87min.

Paul McCartney ポール・マッカートニー/London,UK 7.23.2018 Upgrade

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