ついに完遂されたJEFF LYNNE'S ELOの最新ツアー。その最新・極上映像が登場です。そんな本作が撮影されたのは「2019年8月1日ピッツバーグ公演」。その超美麗オーディエンス・ショットです。リリースされたレポート第1弾『ST. PAUL 2019』が大人気を博しておりますが、本作はその続編となるもの。まずは、最新ツアーの日程からショウのポジションを確かめておきましょう。・6月20日-7月23日(16公演)・7月25日『ST. PAUL 2019』・7月27日+30日(2公演)・8月1日:ピッツバーグ公演 ←★本作★ これが2019年の全日程。当初はその後も日程が追加されていく予想もありましたが、フタを開ければ全公演ぽっきり。今回のツアーは短かった事もあり、第一報から後半に差し掛かっており、さらに進んだ本作のピッツバーグ公演は最終日でした。そんなショウを記録した本作は、見目麗しき「超」の付く極上&美麗ショット。まず驚くべきはその視界。『ST. PAUL 2019』もスタンだと席から見下ろした絶景でしたが、本作はもっとスタンダード。前列の腕や頭が一切入らない絶景ではありますが、見下ろしではなくステージと平行に真っ直ぐ捉えている。メンバーと同じ高さの視点でショウを見つめられるのです。実のところ、果敢なズームが多用されているために撮影ポジションが分からないのですが、恐らくは本作もスタンド席からの撮影でしょう。もしアリーナ席なら見上げることになりますし、何よりも遮蔽物ゼロはあり得ない。とは言え、メンバーと同じ高さの視点はスタンド席感もほとんどなく、むしろ同じステージ上から撮影しているプロショットの1アングルのような見応えなのです。そのプロショット感を一層固めているのが超絶なズーム。思い切り引くとステージ後方の巨大スクリーンがすっぽり収まるところから遠景なのは分かりますが、迫るズームには距離感がまるでない。ジェフ・リンのバストアップが画面を占領するほどに果敢に迫りつつ、手ブレを一切起こさない安定感もバツグンで、何よりも美しすぎる。そのドアップはジェフ髪の毛どころかヒゲの1本1本も克明で、抱えるギターの木目やスーツのシワまで超鮮明。各メンバーやバックコーラスに視点を移してもその美しさが変わらず、バックの巨大スクリーンや引きの全景で映し出されるライトショウの光芒もキラキラと輝いている。その美しさは「ズーム」と言うよりはドローンを飛ばして実際にメンバーの近くに近づいてしまったかのよう。『ST. PAUL 2019』はステージ脇のスクリーンを映すことによってプロショットばりの映像美を実現していましたが、本作は直写だけでもプロショットのような映像美なのです。もちろん、サウンドもその光景に相応しい。遮蔽物なしの位置関係は力強く真っ直ぐな芯を実現させ、クリスタル・クリアに透き通った空気感によってディテールも細やか。映像が美しすぎることもあり、いつの間にか客sけいさつえいと言う事を忘れ、ワンカメ・プロショットを見ているような気分になってくるのです。その映像美で描かれるショウは、名曲で綴るELOの栄光。デビュー作『NO ANSWER』から最新作『ALONE IN THE UNIVERSE』までを幅広く、それでいて焦点も定まった極めつけのグレイテスト・ヒッツ。ここで、その内容を整理しておきましょう。 ●A NEW WORLD RECORD(4曲)・Do Ya、Livin' Thing、Rockaria!、Telephone Line ●OUT OF THE BLUE(5曲)・Standin' In The Rain、Wild West Hero、Sweet Talkin' Woman、Turn To Stone、Mr. Blue Sky ●DISCOVERY(3曲)・Last Train To London、Shine A Little Love、Don't Bring Me Down ●その他・10538 Overture(NO ANSWER)、Roll Over Beethoven(ELO 2)、Showdown(ON THE THIRD DAY)、Eldorado Overture/Can't Get It Out Of My Head(ELDORADO)、Evil Woman(FACE THE MUSIC)、All Over The World(XANADU)、Handle With Care(TRAVELING WILBURYS VOL.1)、When I Was A Boy(ALONE IN THE UNIVERSE) ……と、このようになっています。黄金の3大ヒット『A NEW WORLD RECORD』『OUT OF THE BLUE』『DISCOVERY』を軸としつつ、それ以外も70年代の全アルバムを網羅。その上でサントラ『XANADU』や覆面プロジェクトTRAVELING WILBURYSまで押さえている。もちろん、その「Handle With Care」でジェフとマイクを分け合うのはジョージの息子ダーニ・ハリスンです。実のところ、セットは曲順の違う『WEMBLEY OR BUST』といった感じですが、逆に言えばあの名作の生体験版ともなる。あくまで客席撮影なのに、まるでワンカメ・プロショット。それも製品用撮影の1アングルのように美しい。オーディエンス・ショットほど日進月歩の技術革新を実感できるものはありませんが、「2019年とは、ここまで凄い時代なのか」とタメ息が漏れる。現在オーディエンスの極北を体現する1枚。そのクオリティで描かれる黄金の名曲群。 Live at PPG Paints Arena, Pittsburgh, PA, USA 1st August 2019 AMAZING SHOT!!! 1. Standin' in the Rain 2. Evil Woman 3. All Over the World 4. Showdown 5. Do Ya 6. When I Was a Boy 7. Livin' Thing 8. Handle With Care 9. Rockaria! 10. Last Train to London 11. Eldorado Overture 12. Can't Get It Out of My Head 13. 10538 Overture 14. Shine a Little Love 15. Wild West Hero 16. Sweet Talkin' Woman 17. Telephone Line 18. Don't Bring Me Down 19. Turn to Stone 20. Mr. Blue Sky 21. Roll Over Beethoven COLOUR NTSC Approx.98min.