『H2O』の大ヒットと共に絶頂期に突入した1983年のホール&オーツ。その一大全席を記録した超傑作プロショットがリリース決定。そんな本作の正体は、全盛期に公式リリースされたライヴ・ビデオ『ROCK 'N SOUL LIVE』の究極版。ただの公式作コピーではありません。その制作過程レーザーディスク・マスターをDVD化したもの(製品版LDのことではありません。当時の製作現場ではハイエンドの作業記録メディアとしてLDも使用されていました)。「制作過程マスター」とは言っても、その過程はまさに完成間際。カット割りもサウンドのミックスもパーフェクトに出来上がっており、隅から隅まで完全無欠に仕上がっています。ちょっと見ると公式ビデオと変わらないようですが、実は1曲目「Family Man」で入っているはずのメンバー・テロップがなく、まさしく制作途中のマスターなのです!「テロップがない……それで?」と思われるかも知れませんが、もちろん、そんなことは、あくまで証拠にすぎません。本題はここから。完成直前マスターの旨みは、そのクオリティでして、商品用マスターにダビングする前の画質・音質こそが凄いのです。プロの制作現場でのダビングは、民生機と次元が違うほど高精度とは言っても、やはり80年代のアナログ時代。たとえダビング1回でも大きく劣化してしまいます。それが少ないだけでも十分に凄いのですが、それ以上にポイントなのが「レーザーディスク・マスター」。当時、新進気鋭のメディアだったレーザーディスクを制作中に使うことは滅多になかったのですが、どういうわけかホール&オーツはマスター用として焼き込んでいた。だからこそ、30年以上の時間を経た現代まで劣化がなく、走行ムラも線ノイズも一切ない「当時そのまま」の状態で保存されていたのです。そのマスターが2015年に発掘され、これまた劣化なしの直ダイビングでデジタル化された。それが本作なのです。この課程をお話しただけでもご理解いただけると思いますが、実際、そのクオリティは、目の当たりにすると驚異的。この映像は、公式ビデオからDVD化もされていますが、明らかに段違いの画質・音質です。サウンドの鮮度はもちろんのこと、一発で驚くのは目に飛び込む映像美でして、発色も(極めて!)美しく、エッジも自然。公式を遙かに、遙かに超えているのです!それだけのクオリティで記録されているのが、あの『H2O』時代のステージ。ここで内容を整理しておきましょう。●VOICES(4曲)・Diddy Doo Wop (I Hear The Voices)、Kiss On My List、You've Lost That Lovin' Feelin’、You Make My Dreams ●PRIVATE EYES(2曲)・I Can't Go For That (No Can Do)、Private Eyes ●H2O(6曲)・Family Man、Italian Girls、Art Of Heartbreak、One on One、Maneater、Open All Night ●その他(4曲)・She's Gone(ABANDONED LUNCHEONETTE)、Sarah Smile(DARYL HALL & JOHN OATES)、Room To Breathe(BIGGER THAN BOTH OF US)、Wait For Me(X-STATIC) ……と、このようになっています。80年代初期を彩ったプラチナ・アルバム『VOICES』『PRIVATE EYES』『H2O』の名曲がてんこ盛り。曲名を見ただけで脳が時空を飛び越えてしまいそうな名曲が次々と飛び出し、記憶そのままにシャツの袖をまくり上げたダリルがあのステップで歌う歌う。もちろん、ジョンとG.E.スミスのギターも冴えに冴え、「Italian Girls」の歌声も若々しい。「You've Lost That Lovin' Feelin’」「She's Gone」のハーモニーときたら……。実際、大名作ベスト「ROCK 'N SOUL PART 1」と数曲違うだけの超豪華セットを当時の彼らが生披露していくのです。そのヒット曲のラッシュから滲み出すのは、80年代初期の匂い。「洋楽」そのものと言っても良いかもしれません。演奏も歌も巧くて、センスも凄くて、一度聴いたら忘れられないメロディを聴かせてくれた洋楽の薫り。その魅力が分かる自分が、ちょっとだけ誇らしかった時代の気分。その中でも、とびっきりの1等星のように輝いていたのがホール&オーツでした。そんな象徴のような彼らの大全盛期が、オフィシャル以上の鮮度で吹き出す1枚です。 Live at The Forum, Montreal, Quebec, Canada March 10-11, 1983 PRO-SHOT(BEST QUALITY EVER) 1. Announcements 2. Introduction 3. Family Man 4. Diddy Doo Wop (I Hear The Voices) 5. Italian Girls 6. Kiss On My List 7. She's Gone 8. Art Of Heartbreak 9. One On One 10. You've Lost That Lovin' Feeling 11. I Can't Go For That (No Can Do) 12. Sara Smile 13. Wait For Me 14. Maneater 15. Private Eyes 16. Open All Night 17. You Make My Dreams 18. Room To Breathe Daryl Hall - Vocal, Guitar, Keyboard John Oates - Guitar, Vocal G.E. Smith - Guitar Tom "T-Bone" Wolk - Bass Mickey Curry - Drums Charlie DeChant - Saxophone, Keyboards PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.90min.