本作が撮影されたのは「1988年8月7日ミドルタウン公演」。そのオーディエンス・ショットです。この時の彼らは『PERMANENT VACATION』で奇跡の復活劇を演じていたAEROSMITHの前座(なんと羨ましいカップリングなのでしょう……)としてツアー中でもありました。良い機会でもありますので、世紀のカップリングが実現した「北米#4」をより詳細に見てみましょう。・A:7月2日+3日:ホノルル(2公演)・G:7月9日+10日:フェニックス(2公演)*AG:7月17日ー8月17日:北米#4a(21公演)←★ココ★・A:8月19日ー22日:北米#4b(3公演)・G:8月20日:MONSTERS OF ROCK出演 *AG:8月24日ー9月15日:北米#4c(14公演)←※本編プレスCD・G;9月17日:アーバイン公演 これが「北米#4」のディテール。「A」印はAEROSMITH、「G」印はGUNSだけの日程で、2組がステージを分け合ったのは「北米#4a+北米#4c」の35公演でした。CDのウィルクスバリ公演はMONSTERS OF ROCK出演後の「北米#4c」でしたが、それに対して本作のミドルタウン公演は「北米#4a」の15公演目。CDも野外ステージでしたが、この日も“オレンジ・カウンティ・フェアグランド”での野外ライブでした。そんなライヴを収めた本作は、なんとも熱くリアルな実況感が猛烈。もちろん、こうしてご紹介する以上はクオリティは当時屈指でして、特にサウンドは極上。ギターも歌声もクリアに真っ直ぐ届き、若きGUNS N' ROSESの熱さが手触り感覚で味わえます。しかし、それ以上に熱いのが光景。言ってしまうと“当時の典型的オーディエンス・ショット”という感じで、圧縮された人影の間からステージを見つめ、手ブレ補正機能のない時代の荒っぽさもある。ところが、これが猛烈な“現場感”・“体験感”になっているのです。誰もがこぞって聴き、友だちに勧めまくった『APPETITE FOR DESTRUCTION』。あの頭をブン殴られるような衝撃にヤラれた連中が集まり、本物を目の当たりにしている。その感覚、今まさに“現象”が巻き起こっているド真ん中にいる感覚がモニターごしに吹き出してくるのです。1988年の超・決定映像と言えば、プロショット『RITZ 1988 DEFINITIVE EDITION(Zodiac 110)』となるわけですが、あれはあくまでもバンド側の記録。ロック史を揺るがした現象を“実体験”するには、観客側に立つしかない。本作は、その特級映像なのです。ここまで駄文にお付き合いくださった方には「グシャグシャのダメ映像」をイメージされているかも知れませんが、その心配は必要ない。熱狂の熱さは猛烈ではあるものの、映し出されるバンドの姿は鮮烈で、マスターの鮮度も素晴らしい。ダビング痕さえなく、まるで昨日観て、録ったかのように鮮やか。そうでなければ、“体験”はできないのです。「事件・現象」として語られるべきGUNS N' ROSES登場の刹那。それは優れた音楽・演奏だけでは語り尽くせない「時代の匂い」があってこそ成立するものでした。本編プレスCDは事件になりかけたスリリングな現場を「音」で体験できましたが、本作は「光景」を目撃させてくれる。手触りの実体験を届けてくれる歴史的な大傑作映像。Live at Orange County Fairgrounds, Middletown, NY. USA 7th August 1988 AMAZING SHOT!!! (46:57) 1. It's So Easy 2. Mr. Brownstone 3. Patience 4. Move To The City 5. Out Ta Get Me 6. Blues Jam 7. Sweet Child O' Mine 8. Welcome To The Jungle W. Axl Rose - Vocals Slash - Guitar Izzy Stradlin - Guitar Duff McKagan - Bass Steven Adler - Drums COLOUR NTSC Approx. 47min.